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90.上司の呼び出し
「おい、オリアント。南の国のやつに先を越されたそうじゃないか!」
朝の鍛錬後、騎士団長に呼び出されて出向いてみれば、開口一番どやされた。
「……なんのことでしょうか」
「とぼけるんじゃない。お前と、お前の侍女殿のことだ。あれだけ僕が応援してやったのに、まだ進展しないのか」
「…………」
「お前たちには期待していたのになあ」
「……仕事の話でないなら、失礼しても良いでしょうか」
「まあ待て。ここからが重要なところだ。いいか、女性というものはな、」
「…………」
気の毒そうにこちらを見つめる団長補佐へ目礼し、オリアントは嵐が過ぎ去るのを静かに待った。
恋の話が大好きで、部下を応援したくてたまらない騎士団長。




