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7.気配
中庭のベンチに、騎士が座っているのが見えた。あの隙のない佇まいと黒髪は、例の騎士だ。
そこでふと、以前の足音の一件を思い出し、侍女の内に悪戯心が湧いた。
(ふふ、びっくりするかしら?)
そっと後ろから肩を叩こうとしたところで、だが不意に騎士が振り向いた。
「わっ、気づいていらしたのですか?」
「あなたの気配は分かりやすいので」
「う、うるさいということでしょうか」
「いえ、そうではなく。……私にとっては、どうにも気になって仕方ないものだということです」
中庭のベンチに、騎士が座っているのが見えた。あの隙のない佇まいと黒髪は、例の騎士だ。
そこでふと、以前の足音の一件を思い出し、侍女の内に悪戯心が湧いた。
(ふふ、びっくりするかしら?)
そっと後ろから肩を叩こうとしたところで、だが不意に騎士が振り向いた。
「わっ、気づいていらしたのですか?」
「あなたの気配は分かりやすいので」
「う、うるさいということでしょうか」
「いえ、そうではなく。……私にとっては、どうにも気になって仕方ないものだということです」