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64.ぎりぎりまで
ある日の昼休憩で、久しぶりに侍女とゆっくり話をすることができたが、騎士にとって心地よい時間は瞬く間に終わりを告げた。
「侍女殿。話は尽きませんが、そろそろ戻らないといけませんね」
「あ、そうですね。では、ここで……」
「いえ、そこの回廊まで送りましょう」
「まあ、ありがとうございます」
そこで、侍女が嬉しそうに笑うから。
「……やはり、もう少し先まで。午後は客室棟ですか? では、そちらまで」
ぎりぎりまで共に行こうと提案してしまったのは、仕方のないことだった。




