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62.チョコのお返し
「侍女殿、これをあなたに」
そう言って騎士から渡されたのは、チューリップだった。ほのかに赤の混ざる黄色の花が数本、リボンできれいにまとめてある。
聞けば、先日のチョコにはお返しをするものなのだとか。
そうとは知らなかった侍女は驚いた。
「何が良いかあれこれ考えたのですが、私は無骨なもので、あまり女性の好きなものに詳しくなく……。けっきょく、私の好みで選んでしまいました」
気に入ってもらえただろうかと不安げにこちらを見てくる騎士へ、侍女は満面の笑みで答えた。




