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51.本命と義理
「やあ、この前のチョコレートはどうだった? 一時的に魔力を上げる魔術が仕込んであったのだけど」
回廊で出会った白魔術師の言葉に、侍女はようやく先日の火の玉事件の原因を知った。
そして今日の彼の手には、感じよくリボンで飾られた小箱が。
「ああ、これ? チョコは完成したから、包装を試作中なんだ。……そういえば、このチョコレート文化ではね、想い人に贈る本命チョコと、友人への義理チョコ、という区分があるらしいよ。まあ、この国ではそんなことほとんど誰も知らないだろうけれど」




