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騎士と侍女  作者: 鳥飼泰
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40.目で追う

視界の端によぎった色を、自然と目が追った。だがそれは黒い髪の騎士ではあるものの、侍女が求める彼ではなかった。

落胆の息を吐いてから、はっと我に返る。

仕事に集中しなければと気を取り直して前を向けば、隣からふふっと小さく笑い声がした。


「…………見てた?」

「見てた。恋する乙女は可愛いわね」

「……見なかったことにして」

「いやよー。いいなあ、私も恋したいわ。ああ可愛い」


それからしばらく、侍女仲間はにやにや攻撃を止めてくれなかった。


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