41/108
40.目で追う
視界の端によぎった色を、自然と目が追った。だがそれは黒い髪の騎士ではあるものの、侍女が求める彼ではなかった。
落胆の息を吐いてから、はっと我に返る。
仕事に集中しなければと気を取り直して前を向けば、隣からふふっと小さく笑い声がした。
「…………見てた?」
「見てた。恋する乙女は可愛いわね」
「……見なかったことにして」
「いやよー。いいなあ、私も恋したいわ。ああ可愛い」
それからしばらく、侍女仲間はにやにや攻撃を止めてくれなかった。
視界の端によぎった色を、自然と目が追った。だがそれは黒い髪の騎士ではあるものの、侍女が求める彼ではなかった。
落胆の息を吐いてから、はっと我に返る。
仕事に集中しなければと気を取り直して前を向けば、隣からふふっと小さく笑い声がした。
「…………見てた?」
「見てた。恋する乙女は可愛いわね」
「……見なかったことにして」
「いやよー。いいなあ、私も恋したいわ。ああ可愛い」
それからしばらく、侍女仲間はにやにや攻撃を止めてくれなかった。