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34.専用?
先日、手合わせ直後に侍女と出くわし、騎士は甲斐甲斐しく世話を焼いてもらった。その際にうっかり持ち帰ってしまったハンカチが、手元にある。
洗濯をした淡い青色のハンカチを、じっと見つめる。
通常であれば、礼の言葉と共に返せばいい。だが侍女は言っていたのだ。これは騎士専用だ、と。
それは、他の騎士たちのことも含んでいるのか――それとも、自分だけ?
どうしたものかと考え込んでいると、やっかいな上司がにこにこと笑顔で近寄ってくるのが見えたので、騎士は素早くその場から離れた。




