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騎士と侍女  作者: 鳥飼泰
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19.お先にどうぞ

「あの、騎士様、」

「侍女殿は、」


回廊で、黒髪の騎士と行き合った。挨拶を交わしたあと、騎士へ呼びかけようとしたところ、騎士も同時に口を開いたようで、お互いに目を丸くする。


「えっと、騎士様がお先に、」

「いえ、侍女殿こそ、どうぞ」

「…………………………」

「…………………………」


譲り合ったあと、なんとなく黙ってしまい、侍女は意味もなく指を組む。

ちらと相手を見上げれば、騎士もすわりが悪そうに黒髪をいじっていた。


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