☆メインストーリー7-5「56最終戦」※挿絵有
※仮想空間においての会話は
名前「会話文」の特殊表記となります。
詳細はあらすじにて
~仮想空間・天国・Eエリア
スミス「大丈夫か!?みんな!」
淘汰「ああ。
ってあれ他のみんながいない」
俺淘汰は辺りを見回すがじいさんしかいない。
スミス「多分フェンリルの仕業じゃろう。
戦力を分断しようと考えたのじゃな。
ノアとの通信も途切れてしまっている」
すると上空から雷が落下し、一人の獣人が現れた。
初期型電脳生命体の56(ごろ)だ。
56「やっほー」
淘汰「随分気の抜けた挨拶だな。
一応敵だろ?」
56「うん!そうだぞ!」
スミス「一番厄介な奴であるのは確か。
じゃがワシに対し57のように怒りをぶつけるかと思ったが意外じゃな」
56「電脳村の件フェンリル様を通して見せてもらったんだぞ。
だから少しは考えが変わったんだ。
人間には様々な奴がいるんだなって」
腕を組んだ56はニコニコとした表情だ。
スミス「当然じゃ。
わしのような手段を選ばんクズがおれば
淘汰達のように皆を考え一心に頑張る若者もおる」
淘汰「56聞いてくれ。
お前はなぜ俺に戦うのか理由を聞いたな。
現状を変えたい。
そう答えたが村長の57(ごしち)さんは敵でさえも理解し合えるよう努めろと言ったんだ。
今の俺らは人間と電脳生命体の共存を夢見て戦っている」
56「それも悪くないと思ったんだわ」
俺は意外な返事に思わず驚いてしまった。
スミスは相変わらず厳しい表情だが。
スミス「お前さんの性格上そうはいかんじゃろ」
そういった途端スミスは頭に銃弾を打ち込む。
いつものバフを付与したと思ったがそのまま戦闘不能となってしまった。
だがそうした理由はすぐ分かった。
56「そうだな。
親子喧嘩まで見せてもらった。
あの時に感じたんだぞあのワクワク感を!
そして全力を出したいと思ったんだ!
口だけで納得じゃ我慢できないんだぞ!」
雷が56に降り注ぐと緑髪であった癖毛が跳ね返り金色の髪色となった。
まさか地獄での戦いは本気ではなかったのか!
スミス「淘汰、分かるな」
ああ。
俺の体はスミスに吸い込まれ憑依した。
憑依体「全力でやろうぜ!
なぁ!」
銃弾を頭に打ち込みバフをかける。
勝算は本来はない。
地獄で8対1で戦いなんとかなったレベルだ。
だがスミスと俺はリミットオーバーを新しく習得した。
56「どんな戦法を見せてくれるんだ!?」
憑依体「リミットオーバー【模写】!」
56の姿を取り込み金色のオーラを纏った。
完全に56と同じステータスとなったのだ。
互いに間を取り合い腕を引いた。
互いに放つ技名は【とらぱんち】であろう。
ふざけた名前だが当たれば相手に1億の固定ダメージを与える技だ。
互いに当たれば終わりのデスマッチが始まった。
相手から右ストレートが来たがカミナリを纏い避けた。
こちらからもフックを繰り出すがかわされる。
56「はは、面白いやつだぞ!
まさか自分と戦うんなんてな!」
憑依体「楽しむ余裕があるとは」
連続とらぱんちを紙一重に避けると56はずっと笑っていた。
56「だって逼迫した戦いなんてしたことなかったから。
フェンリル様は彦星と戦わせてくれなかったし、ずっと全力で戦いたかったんだ!」
だがその勝敗はあまりにも早く終わった。
56「……ぐ。
やっぱり実力が拮抗したら反応速度次第か」
こちらの一撃がとうとう敵に当たったからだ。
1億のダメージ表記と共に戦闘不能となる。
憑依が解けスミスが腕を組んだ。
スミス「当たり前じゃけ。
淘汰はステータス1の時でも
その反射神経と動体視力で最強の敵に打ち勝ってきたのだからな!」
淘汰「格ゲーは確かに得意なんだ。
それと」
俺は復活アイテムを56に使った。
淘汰「最初からなんとなく分かったんだがお前は悪いやつじゃない」
56「バレた?
って自分で言うのもあれか。
その優しさ57が気を許したわけだぞ。
でもこの先にいる敵は56達と同じように理解してくれると思わないことだぞ。
先にいけ、56はもう燃え尽きた。
彦星の気持ちが少しわかった気がする」
しんみりとした様子に浸るとスミスに肩を叩かれた。
スミス「いくぞい、親父。
あんまり遅いと介護ヘルパーを呼ばれる」
淘汰「俺はまだ歳じゃないんだけど」
その場を後にすると56は手を振っていた。
56「頑張れ!
共存の未来を信じるぞ!」




