☆メインストーリー6-6「ジョーカー戦」※挿絵有
※仮想空間においての会話は
名前「会話文」の特殊表記となります。
詳細はあらすじにて
~村外れの廃墟
目的地にたどり着いた淘汰達を待ち受けていたのは破天荒な態度の織姫と誘拐犯であった。
織姫「あ!あんた達遅いわよ!
色々やってこいつ困らせてやったわ!」
ジョーカー「あれ演技だったのかよ!」
織姫は銃口を向けられながら手を振っていた。
多分耐久値のロックを解除されているのを知っているからできる芸当であろう。
でなければ勇者だ。
しかしジョーカーってやつもわざわざ自分から廃墟という場所を選んでくれたのは助かった。
手荒な真似で村人を巻き込むことなく済ませることが出来るからだ。
淘汰「しかしスミス。
俺たちで倒せるのか?」
000「三下といえどあいつは元仮想空間最強組織【Vipuum】の構成員。
フェンリルの部下と並ぶ強さ。
弱体化した私じゃ厳しいかも」
ぽち「我がいくぞあるじ!!」
000「ちょっ……!」
先鋒をゆくのが役割であり使命であり絶対に譲ってくれない。
ぽちの良いところであり悪いところだ。
飛び掛かろうとした瞬間、ジョーカーの瞳が光輝いた。
ジョーカー「【3秒ルール】」
その声が響いた途端空中にいたぽちは大爆発を起こした。
数値でダメージが表記される。
淘汰「1億!
56の時と同じだ!
あいつも似たような技を使っていた!」
ジョーカー「次はどいつだ?
お前か?
【3秒ルール】!」
途端に000が爆発を起こし倒れてしまった。
しかしよく見ると銃から光のような物が飛びそれが命中して爆発を起こしているようだ。
ジョーカー「はっはっは!!
織姫から聞いたぞ!
彦星を倒したんだってな!
なのにこの有様か?
この【秒殺のジョーカー】の前ではその程度か?」
高笑いを始めるジョーカーだが決して油断することは無く銃口は俺達に向けられていた。
ジョーカー「淘汰、5年前のことを覚えてるか?
お前に何度も仮想空間最強の座を奪われてきた。
俺はお前を超えるためにこの技を磨き今日こうして立っている!
必ず3秒で決着が着くこの技でな!」
スミス「やつの動きが見えたか?
そして言葉の意味も」
大声で興奮気味に語り出す彼に対しスミスは俺の方を振り返り問いかける。
こちらが頷くとスミスは頬を緩ませた。
スミス「流石は親父。
動体視力と勘はいいな。
さてそこのババ抜きで言うババ。
わしと一騎打ちをしないか?
丁度こちらも銃を使っていてな。
もしやそれも出来ないくらいで最強を名乗るか?」
ジョーカー「今の呼び名……!
後悔させてやる。
銃を構えろ!」
するとスミスは眼鏡を外し自分の眉間に銃で一発撃ち込んだ。
ジョーカー「なんだ!?何をした!」
スミス「なに、気合を入れただけじゃ。
こっちも蘇生させんといけんやつらがいる。
急ぎじゃからのう、さっさと来んか!」
頭を出た血を振り払うと裸眼のまま銃を構えた。
ジョーカー「【3秒ルール】!」
放たれた光の線。
やはり銃口から針のようなものが飛んでいる。
飛んだ光はスミスに向かった。
その時だ。
同時に銃弾が放たれその光は中央で爆発を起こした。
まさか避けるのでは無くあの光に銃弾をぶつけたというのか!
すると奥にいたジョーカーが爆発を起こした。
逆に彼が1億というダメージの数値と共に吹き飛んで行った。
ジョーカー「刹那の中で倒せなかったものは
──消えるのみ……」
3秒で倒せなかった場合のデメリットだろうか。
彼の言葉からはそう感じた。
俺はスミスの方を向くと彼は子供のような無邪気な笑みをしガッツポーズをしていた。
その顔は幼少期の姿に化けたフェンリルの顔によく似ている。
そして自身の顔にも。
淘汰「なるほど一子相伝というわけか」
~仮想空間・電脳村
ジョーカー「あーあーそういうワケ。
最強と呼ばれた淘汰は最弱となってしまったのか。
ステータス0だったら戦うこともできねぇじゃん。
くっそ戦いたかったなぁ全盛期の頃と」
銀閣「ほれ、行く。
それ相応の罰を踏んでもらうから覚悟な」
ジョーカー「だぁい丈夫だって。
俺は脱獄逃亡は得意だからな」
金閣「全く懲りとらんなぁ」
金閣達に派遣された兵士たちがジョーカーを連れていき淘汰達はその様子を見てため息をついた。
しかし電脳神である織姫が戻ったことで村は大盛況となりお祭りを始めようとしていた。
俺達が村にいない間レイブンと天裁が怪我をした村人達を助けてくれたそうでその上ジョーカーを倒したことがこの結果を生んだようだ。
特にレイブンや天裁は村人からすごい人気であった。
天裁「うう飲めません、お酒は私は苦手なのです」
レイブン「おお一気やっとくか!?
ひっく、あっしゃ負けねぇぞ?」
天裁「アルハラですよ!?」
俺とスミスと000そして織姫はお酒を断る天裁と酔ったレイブンを暖かい目で見ていた。
スミス「酒癖悪いやつ多くないか?」
織姫「私のは演技よ、演技!
ってカルーア売り場!?行くわ!
あんたらは村長のとこ行ってて!」
ぽち「祭りじゃあああ!」
織姫とぽちは勝手に行ってしまった。
あいつもあんな幼い見た目して酒好きなんだな。
一応二十歳は五年前の時点で超えてたっていうけど一体何歳なんだあいつ。
残されたメンバーはまた親子になってしまった。
どうやらスミスはこのメンツは苦手なようで普段のおちゃらけた様子から一変しおどおどしている。
淘汰「そういやあんたの父親の那老だけどあの性格だから苦手そうなのは分かる。
でも母親の神谷のことは苦手だったのか?」
スミス「いや実は物心つく前に死んどる」
000「え?
ああそうか観せてくれたもんね未来の映像を。
じゃあ会ったことなかったんだ」
スミス「でも近所のじじいとしてガキの頃からお前さん達と仲良かったから色々知っとるよ。
淘汰、チャラ民、000、そしてアンス。
昔から仲良かったんじゃ」
懐かしそうに昔を語り出すスミス。
そうか亡くなったという兄のアンスもいた。
どんな人だったんだろう?
スミス「しかし歴史を変える為にそれをわしは壊してしまった。
死神が宿ったという理由で000まで手に掛けようと迷ってしまうほどのわしはクズじゃ。
あの時淘汰が止めてくれなかったら」
000「良いんだよ。
私も死神の誘惑にまけて闇に堕ちたんだし。
それにさっきも淘汰よりも早く蘇生をさせてくれたのはスミスだった。
ふふ。不思議だね、おじいちゃんなのに息子って」
珍しく背を向け目を腕でこすりすすり泣くスミス。
スミス「いかんのう。
歳を取ると涙腺がバカになる」
淘汰「俺もスミスにはずっとお世話になっているし偉そうなことは言えないけど、仲間一人欠ける事無く絶対にあんな破滅の未来は避けような」
スミス「分かっとるわぃ」
震え声だがいつもの調子のスミスに戻ったようだ。
その様子を遠くで見た者がいた。
織姫だ。
織姫「やっぱり嫉妬っていう感情は怖いわね。
でも私は死神と違って彼に情はないわ。
だからこの世界は滅ぶことは無い。
本当よ?」
ぽち「くぅーん」
言葉と違い歯を食いしばり厳しい表情を浮かべた彼女。
隣にいる犬のぽちは切なそうな鳴き声を出した。




