☆メインストーリー6-2「瞳の勇者と人の勇者」※挿絵有
※仮想空間においての会話は
名前「会話文」の特殊表記となります。
詳細はあらすじにて
~仮想空間・フェンリル城 談話室
そこには3人のホログラムに映った人物と黒髪の少年の姿があった。
緑眼「フェンリル。
これも作戦の範疇なのか?
【破壊の電脳神】の魂を盗まれた上に、それを死者の国【天国】に逃がしたと聞いた!
それに金眼と銀眼の勇者の権能を奪った電脳王は消滅。
部下の金閣と銀閣に渡っただと!?」
白眼「まぁまぁ落ち着いてよ緑眼。
神様は消えてしまっても別に構わないんだ。
まぁ落ち着いても確かに失態は変わらないね。
僕らの力をフェンリル君に託したはずなのに人間に負けるって有様は笑えない」
ぽつりと立つ少年フェンリル。
彼に対して緑の髪と瞳をした大柄な青年が怒鳴っていた。
それをなだめる白髪で整った顔立ちの青年。
よく見ると彼も冷たい表情だ。
フェンリル「いやぁ中間管理職は大変でね。
現実世界統括組の方達は羨ましいものだ。
000が盗んだ瞳の勇者の力は我が取り返した。
だが金銀の権限は金閣銀閣が持っている」
紫眼「結局金眼と銀眼の勇者は不在となるか。
やはり何人か足らぬと思っておったわい。
青眼に関してもわしらに手を貸す気はないそうじゃし。
六人中三人、半分しか機能しとらん。
なぁ白眼わしらも大変じゃろ?」
紫の髪と瞳をした老人が髭をさすりため息をついた。
名前を呼ばれた青年は苦笑いをした。
白眼「はは、そうですね。
ですが我々も人のことは言えません、フェンリルに力の一部を預けた失態もありますし」
フェンリル「お前嫌い」
紫眼「まぁそう怒って起こってしまったことを責めても変わらん、今のダジャレはどうじゃ?
突発的にはナイスじゃろ?」
白けてしまった中で緑眼が咳払いをして本題に戻した。
緑眼「まぁ最終的には織姫が神を取り込めばいい。
そうすれば抑えられていたあの方が蘇る。
フェンリル、作戦はあるのか?
場合によっては手を貸すぞ」
その言葉に珍しくフェンリルは真剣な顔をして頭を下げた。
フェンリル「多分GGMが抵抗をするだろう。
そこで力を借りたい。
情けない話だが淘汰達を止めるので精一杯だ。
そして織姫以外が来られると
作戦が変わってしまう可能性がある」
紫眼「ほう?
お前さんにしては珍しい。
たかが人間じゃろうに」
フェンリル「奴らを侮るな。
彦星も言っていたぞ。
最も恐ろしいもの。
それは人間の覚悟だと」
~擬似空間・地下拠点PC Aルーム
そこにあるのはただただ白い空間であった。
ぽつんと大きな家が建っているのを除いて。
天使の輪を着けた黒髪の少年淘汰は当たりを見回し心の中で呟いていた。
周囲には後からログインした犬のぽちとちび女の織姫がいる。
ここは仮想空間であるが擬似的にスミスが作った閉鎖空間である【擬似空間】。
地下拠点のサーバー内の空間とも言える。
先日激しい戦いを繰り返した【改変地獄】。
あの偽物の【地獄】も擬似空間でありフェンリルが作ったものだ。
一応擬似空間は厳戒なパスワードと警備を越えることで仮想空間と行き来する事ができる。
那老のように空間ごと破壊して外に出る規格外もいるが……。
建物の中から誰かがやってくるのが見えた。
長身で白髪の赤い眼鏡をつけた青年天裁。
そして赤髪の女剣士レイブンだ。
~
天裁「いやぁ【改変地獄】での56(ごろ)戦以来ですね。
あの時はお役に立てずすみません」
レイブン「それはあっしもさ。
フェンリルの部下連中は癖のある奴ばかりだった。
しっかし未来の話はびっくりしたぜ」
ギルドegoの仲間であり戦友の二人組が現れた。
ある程度情報共有をしているようで話は早かった。
他にも共に戦ったメンバーはいたが何人かは別の場所にいる。
000は現実世界でまだ眠っているらしい。
そして彼女の父親である課金とチャラ民は猩騎士団が統括しているスカイキャッスルにて内政を整えている。
上級騎士の多くが神谷財閥である課金の下で働いていてた為また状況が変わったそうだ。
織姫「天裁、レイブン。
最後の一撃は私達の力で勝ったんだからそう言っちゃだめよ。
後、未来の事を隠してたのはごめん」
俯き気味な彼女に対しレイブン達は首を振っていた。
俺自身その件でスミス達に対し強く当たってしまった所があったため声をかけた。
淘汰「大丈夫さ、誰も責めてはいないよ。
必要な時が来たから伝えたってことだろ。
さてこれからどうするのかについて話すか」
ぽち「わん!」
織姫の顔を見ながら本題を触れると幸い彼女は少し落ち着いた表情をしていた。
それを見たぽちもしっぽを振る。
天裁「現在現実世界のスミスさんとノアさんは別の仕事がある為不在なのでここまでの内容を整理しましょう」
レイブン「まず仮想空間無限回廊での件だな。
電脳王彦星を倒した淘汰達。
あっしと課金を助けに無限回廊へ乗り込んだ。
そこでフェンリル達と戦って突然別空間に追いやられ【改変地獄】に」
天裁の呼び掛けにレイブンは反応し話を始めた。
そこに織姫が重ねて話を進める。
織姫「フェンリルの作った【改編地獄】では部下達が倍以上の戦闘力になり不利になったわね。
んで全員捕まってしまった。
でもチャラ民の活躍で全員逃げることが出来た」
淘汰「【改編地獄】を抜ける際に手を貸す者。
那老という俺と似た顔をした男性。
というか未来の俺だな。
あいつが空間に穴を開けて逃がしてくれた。
その際に56と一戦交えたが奇跡的に勝利した」
織姫「あったり前の勝利って言いなさいな」
彼女の言葉に少し苦笑いをする。
しかしフェンリルの部下56は別格の強さだった。
途中那郎の加勢もあり助かったが危なかった。
最後に天裁が話を括った。
天裁「そしてフェンリル達に攻められる危険を防ぐために私とレイブンさんはこの疑似空間へ。
淘汰さんと織姫さんとぽちは現実世界へ。
チャラ民さんと課金さんはスカイキャッスルへ。
とその後現在に至るわけですね」
ぽち「わんわん!」
思えば長い旅立ちにも思えた。
一瞬の気の緩みも許されないような環境で俺達は戦い続けてきた。
レイブン「そう言えば那老が持っていた彦星の亡骸とも言える剣【電脳覇王剣】
織姫の体ん中に入っていったが大丈夫か?」
重要な事を忘れるところだった。
確かに【改編地獄】を抜ける際に那老が持っていた剣が織姫に吸い込まれて彦星と一つになった。
織姫「ええ、何ともない。
ステータスがすごい上がったらしいけど
スミスが能力をロックしてるお陰で普段の状態でいられるみたいだわ。
さて良い事か悪い事なのか死神の器の完成よ。
ここからが私達の戦いの始まりとも言える。
フェンリルから未来GGMの魂。
つまり死神の魂を奪う戦いになる。
そして役者は揃った」
淘汰「ああギルドegoの元メンバーが全員揃った。
俺らはフェンリルや死神を倒す!
スミスの歩んだ未来には絶対させちゃいけない!」
俺は大きく声を上げると一同の声が上がった。
その途端だ。
緊急アラームのような音が鳴り響き辺りが赤く点滅し始めた。
織姫「これはスミスが用意した現実世界で問題が発生した時の発生音!
これはあっちで何かあったって事だわ!」
ぽち「わおーん!」
ビキビキと割れる音が響き振り向くとこちらを飲み込もうとする穴が開いていた。
俺らは何も出来ずそこに吸い込まれてしまった。




