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【挿絵400枚】2055~ステータス0の亡者  作者: 烈火
第6章 未来人スミス編
65/83

☆メインストーリー6-1「未来人」※挿絵有

※仮想空間においての会話は

名前「会話文」の特殊表記となります。

詳細はあらすじにて

光がまぶたを貫き視界が白に染まる。

しばらく長い夢を見ていたようで体がまだ起きるのを躊躇っている。

しかし頬をぺちぺちと叩かれる感覚がした。

それと同時に声が聞こえた。


「織姫ちゃん、まだ寝てるからそんな無理やり起こしちゃダメだと思う」


「絶対に寝たふりよ!

見たでしょノア!

目の辺りがぴくってしたもの!」


「わんわん!!」


挿絵(By みてみん)


やけにうるさいやり取りでやっと目を開けると黒髪のちび女織姫が視界の半分を埋めていた。


「うわっ!」


「きゃ!」


驚いた拍子に後ろに下がろうとしたが何かに後頭部をぶつけてしまう。

そのまま反動で目の前にいる黒髪のちび女のでこに頭突きをしてしまった。

案の定相手は眼鏡を付けた後青筋を立てて怒った。


「淘汰!あんたぶち殺されたいの!?」


「痛たた、一体なんなんだ?

ってまた織姫服装を変えたのか

だいぶ印象が変わったな」


眩む程の頭痛を抑えながら立ち上がる。

俺はコフィンの中に寝ていたようだ。


織姫の横にいる金髪のアンドロイド。

スミス博士の助手ノアがニコリと笑いかけた。


「とりあえずおかえり!

匿名希望の男、いや那老(なろう)が作った次元の裂け目のお陰で皆無事に帰ってこれたね」


そういえば先程まで仮想空間の【地獄】と呼ばれる危険な場所にいた。

そして俺と同じ声で似た顔を持った謎の男。

那老(なろう)の助けによってそこを抜けたのだった。


俺らは部屋から出て廊下に入る。

積もる話が込み上げた時彼の声が聞こえた。


挿絵(By みてみん)


「おい、そこのお前。

起きたらスミスが直接話があるんだと。

とりあえず来い」


部屋の入口に居たのはなんとその男。

那老だった。

驚きを隠せずにいると織姫に背中を押された。


「今から聞くことはあんたも驚くかもしれない。

覚悟しておいた方がいいわ」


「わんわん!」


ぽちも促すように俺の足元に体を擦り寄せると先にスミスのいる部屋に走っていった。



~現実世界・住研究所 地下拠点



「よく来たな」


「スミス……」


挿絵(By みてみん)


振り返りこちらを歓迎したのは白髪のじいさん、スミス博士であった。

俺が静かに彼の名前を呼ぶといつもの砕けた普段とは雰囲気が少し違かった。


「まずは謝りたい。

お前さんには隠している事が多すぎた。

父親であるお前さんから拳骨を受けても当然じゃ」


「いいんだよ。

その場で必要な情報をスミスが判断して教えてくれてたんだ。

……ってちょっと待て。

俺が父親?」


真面目な雰囲気から出た信じられない言葉に俺は思わず聞き返してしまった。


何を言ってるのかよく分からなかった。

スミスは厳粛な雰囲気で名乗った。


「ああそうじゃ。

わしの本名は那藤(なとう) 住男(すみお)

今から5年後の2060年に生まれ、過去にやって来た未来人。

那藤 太郎の実の息子じゃけ」


俺は冗談を言っているのではないかと一瞬思いたかったが誰も否定をしなかった。


この時ほど自分の名前が那藤 太郎であるということが信じられない事はなかった。


そして横にいた那老が俺の肩に手を置いた。


「お前がスミスの父親であれば俺もスミスの父親だ。この意味は分かるな?」


「まさか!お前は未来から来た……!」


俺の顔を老けさせたような男性那老。

彼の正体は未来の俺だと言うのか!?


するとノアが苦笑いをして中に入った。


「まぁまぁみんな一気に話を熱くしないの、淘汰が困ってるでしょ?

でもスミスを未来から連れてきたのはこのボク。

とりあえずお茶でも持ってくるからゆっくり話していきましょ」



「まずわしの目的から話せばならん。

なぜ未来からやって来てこの世界軸を変えようと思ったのか。

全ては彦星に負けてしまった別世界の話。

奴が未来のGGMとして誕生したのがきっかけじゃ」


挿絵(By みてみん)


スミスはモニターに未来らしき映像を出して話し始めた。

そこにはなんと彦星ではなく背の高い織姫が映っていた。

ぽちが驚いて吠えている。


「信じられる?

結構スタイル良いわよね?」


俺にだけ聞こえるように小言を挟む織姫。

確かに今のチビな感じから大分印象が変わっている。


ここにいる織姫はノアから差し出されたお菓子を喜んでいる当たり子供にしか見えない。


暖かい眼差しで見ているとなんと那老ももぐもぐ食べていた。


「お前は食べんのか?

あいつの話は長いからな」


「拒食症でな」


食事をとることができない体質の俺に対し彼は意外にも優しい表情を向けた。


「そうかそれは申し訳なかった。

しかし俺達の世界線とお前達の世界線だと色々と違うようだ」


スミスが語った説明はこうだ。


"

スミスのいた世界では2050年の戦いで俺達ギルドegoは彦星に降伏した。


織姫を彼に引渡してしまった。


彦星と融合した織姫。

彼女は深い絶望により彦星を飲み込んだ。


結果誕生したのは世界を滅ぼすために生まれた【破壊の電脳神】。

通称【死神(しにがみ)】であった。


彼女は複数の強力な兵器を現実世界に放ち殺戮を開始した。


時が経ち西暦2070年。

20年で人口は殆ど全滅に至った。


10歳となったスミスは父親と生き残り荒れ果てた世界に生きていたそうだ。


その時に現れたのが時を渡る存在であるノア。

彼は【ノアの方舟】という力により世界で別の世界線へと飛ぶことが出来た。


今より70年も時が遅く進むもうひとつの世界線があることをノアから知りスミスは決心した。


その世界を救いたいと。

そして平和な世界を見たいと願った。


西暦2000年に飛んだスミス。

彼は2050年の戦いに向け世界を救う為に動いた。

電脳生命体の誕生を阻止するために。


挿絵(By みてみん)


しかし2045年結局この世界でもシンギュラリティが発生する。


結局電脳生命体GMが大量に発生し彼ら優勢の社会が生まれた。

その原因が死神なのだ。


突然過去にやってきた彼女はAIを電脳生命体に作り変え大量に生み出し眠りについた。


2050年となり電脳生命体の神GGMという存在がその半身である織姫により示唆される。

『織姫と彦星が融合する事で【この世界線のGGM】が生まれる』と。


シンギュラリティの際に大量にGMを生み弱った死神。

彼女は器として用意したこの世界線のGGMに憑依し力を取り戻す予定だった。


だがスミスが彦星にその情報を流し阻止した。

彼は風の頼りにより死神に体を渡すか自身がこの世界支配するか決断にせまられた。


結果彦星はGGMになることは無く電脳王として人類を支配することを選んだのだ。


そして織姫と彦星は交わることなく復活は阻止される事となった。


しかし死神は存在を偽り電脳生命体000として彦星の配下となる。

体を得る際に神谷の体に憑依する事となった。


その魂は000からフェンリルの元へと渡り今に至る。


我らの目的それは死神である【破壊の電脳神】を倒すことである。

"



そこまで聞くとモニターの映像は消えてしまった。


俺は所感を交え質問をした。


「70年先の未来とは途方もない話だ。

しかも複雑で頭が混乱するな。

つまりはスミスは未来のGGM【死神】を止めに未来からやってきたんだな。

そう言えば何故スミス以外の未来人である那老がいるんだ?」


「俺はその死神が作った穴にかなりの時間をかけて通ってきた。

もう体は朽ちていたから人間でいることを辞めて、電脳生命体に転生をし意識のみで息子の元へ駆け込んだ訳だ。

西暦2125年か。

ここの西暦で言うと今年の2055年となる。

実を言うと俺は91歳だ。

今はスミスから貰ったアンドロイドの肉体を用い行動している」


「なんだって!?」


思わず大声を上げてしまった。

3,40代位に見えるが90代にまで至るのか。

体に関してはここにいる織姫達と同じアンドロイドなのだろう。


「さてここから問題なのじゃ。

この世界では彦星が織姫を吸収することは回避できた。

しかし那老の言う通り【死神】がわしの世界からお前さん達の世界にやってきた。

それが未来GGMであり000を操っていた正体。

全てを超越した奴を物理的に倒す手段はない。

だが奴を倒す方法は一つだけある」


挿絵(By みてみん)


「私が死神の魂を取り込み打ち勝つこと。

心の闇に囚われず強い心で乗り越えるの」


指を自分に向ける織姫。

そうか彼女の本当の不安はそんなやばいやつを心に宿しても負けずにいられるかという事だったのか。


「物理では勝てないわ。

精神的に煽ってれば勝てるかもって話」


「いつものだな」


「ええそうね」


軽口に応じると彼女は親指を立ててにこりと笑った。


さてスミスの目的は僅かだが分かった。

破滅の未来から別の世界線でも世界を救いたいという気持ちからここへ来たのだ。


俺は彼に声をかけた。


挿絵(By みてみん)


「最初はフェンリルがGGMを降臨させると言っててスミスも最初は奴と同じ目的と感じた。

しかしそんな経緯があったんだな」


「ああそうじゃ。

そして器は完成した。

これからの目標は死神の魂をフェンリル達から奪うことであろう。

だがそれより先にすべき事が。

擬似空間に天裁とレイブンが待っとる。

顔を出してやってくれい」

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