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【挿絵400枚】2055~ステータス0の亡者  作者: 烈火
第6章 未来人スミス編
64/83

☆「未来人スミス編」 ※挿絵有

※仮想空間においての会話は

名前「会話文」の特殊表記となります。

詳細はあらすじにて

~2070年首都の地下街


挿絵(By みてみん)


僕は空を見た事がなかった。

もう10歳になるのに。


確かに本や絵を見てそれを見ることはできた。


でも本物を見た事はない。

だから唯一の肉親である父親にこう尋ねた。


「ねぇお父さん、地上に出てもいい?」


「駄目だ」


「どうして?」


「もう誰も失いたくないんだ。

住男(すみお)、分かってくれ」


僕には母親がいない。

なぜなら僕とお父さん以外の人類。

その大半は死んでしまったからだった。


遡ること25年前。


2045年【シンギュラリティ】


人類の覇権が新たな人工知能に取って代わられた。

そして彼らは独自の進化をしたのだ。


挿絵(By みてみん)


【電脳生命体 GM(グランドマスター)

こちらと同じ意思を持つ存在。


僕らは彼らに一方的な支配を受けた。



2050年。

しかし彼らはそれだけでは飽き足りることなくさらに大きなことを起こした。

過去に人類がした大罪。

戦争、資源搾取、環境破壊等を許さなかったのだ。


結果としてGMの神が行動を起こした。

GGMゴッドグランドマスター

彼女が人類に対して無差別に断罪を始めた。


電脳空間からジャックし強力な兵器を用い軽々と葬っていた。


これにより僕の母親を含む人類のほとんど消えてしまった。


本来仮想空間でしか存在し得なかったGMは既に人間に作らせたアンドロイドを自らの肉体として用い現実世界に住み始めた。


地上にいるのは彼らだ。


僕らの行き場はない、そして生き場もない。

たまたま生き残った理由も電脳生命体達に気付かれないように生活をしてただけだ。


電子機器もネットに繋がるものは電脳生命体に見つかる為使えなかった。


そんな日常で僕が好きだった事は勉強や読書だった。


幸い歴史上の学者に並ぶ位の脳を親から貰ったお陰で何を学んでも理解でき楽しかった。

まぁ抜けてる所も多くてミスも目立つけど。


お母さんが頭良かったって言うから本当は一度会ってみたいなぁって思ってた。


そんなある日。

僕はとある事に気がついた。


付近に住んでいる数十人の特徴や行動パターンを全部地図に書き出していた時のことだ。


毎回行動は同じなのに姿が変わっている人がいた。

もしかしたら電脳生命体のスパイかもしれない。


父親に知らせると事が大きくなると思い一人で探ることにし振り返った時だ。

背後に見たことのない人物が突然現れた。


「バレちゃったか、すごいね君」


挿絵(By みてみん)


僕は思わず飛び上がってしまった。

視界に入ったのは金髪でショートヘアの少年。

少女ともとれる見た目の子供が立っていた。

歳は15歳くらいだろうか。


「驚かないで大丈夫だよ、ボクはノア。

ねぇ君、本物の空を見てみたくないかい?」


「え?」


「ボクもこんな世界は嫌なんだ。

だからここより何年も進むのが遅い世界線。

まだ電脳生命体に支配される前の世界で。

君が世界を救う物語を紡がない?」


現段階で僕の年齢は10歳。

学力や知能などは早熟していたが精神はやはり少年であった。

しかもずっと閉ざされた環境で生きてきた身としてはその言葉には大きな魅力があった。


だが過去に戻るとかただのSFでのお話だ。

実際問題できるわけが無い。


高揚を抑えて僕は言い放った。


「不可能だ。

特殊相対性理論から考えても観測者が未来には行けたとして過去に戻ることはできない。

光の速度を超えるのなら逆転し過去へ行く事は可能ともされているけど」


「だから別の世界線に行くのさ!

ボクは様々な世界線を超えることができる。

困ってる世界の人類代表の君に手を貸すからさ!」


元気よく手を差し出すノアに僕は目を閉じた。


「ノアの方舟?

人類の中で選ばれたってこと?」


「うん!」


わくわく感が大きくなり手を伸ばそうとした時だ。

ふと疑問に思った。

この世界線はどうなる?


ノアは聞かずとも答えた。


「もう一つの世界も同じ道を辿ろうとしている。

もしその運命を変えることができたら君に元の世界と行き来できる権利を与えるよ!」


「本当?」


「約束する!する!」


そもそも世界線を飛ぶとか意味の分からないことを言っている奴の言葉だ。

こういう時は本当に試して見るのが一番いい。


強い口調で僕は言った。


「ならやってみよっか。

というかやってみてよ。

世界線を飛ぶということができるのであらば」


「うんじゃあ行くよ!」


手に触れた途端光があふれ視界を埋めつくした。


まさか本当に……!?


残された部屋に父親が入ってきた。


挿絵(By みてみん)


「おい住男、飯作ったぞ。

ってあいつどこへ行った?」



~2055年 現実世界 地下研究所



「起きて!住男くん!」


「わしはスミスじゃ!

いい加減その名前で呼ぶのはやめんかノア!

って珍しくわし寝ておったのか?」


すっかり歳を食ってしまった住男。

彼は反射的に怒鳴って目を覚ます。


伸びをすると椅子の背もたれに触れるのがわかる。


酒を飲んだ訳でもないのにうたた寝をするとは。

アンドロイドの体に改造したとしても休眠はとらねばならぬようじゃな。


さてあれから50年。

もう65歳となるのかわしは。


わしは頑張ったつもりじゃったが不甲斐ないことになかなか歴史というのは変えられないものだ。

この世界の地上も電脳生命体に支配されとる。


さてそろそろ仮想空間から帰ってきた淘汰達が来る。

これから語る事について何を思うか。


挿絵(By みてみん)



スミスは胸ポケットからタバコを取りだし火をつけると口にくわえ煙を吐いた。

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