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【挿絵400枚】2055~ステータス0の亡者  作者: 烈火
第5章 改変地獄編
63/83

☆メインストーリー5-9「虹の剣」※挿絵有

※仮想空間においての会話は

名前「会話文」の特殊表記となります。

詳細はあらすじにて

~仮想空間・地獄 浜辺エリア


ここは名前の通りの地獄だ。

目を開けると仲間たちが倒れている。

前には彦星並の実力を持つとされる電脳生命体。

虎の獣人56(ごろ)。


挿絵(By みてみん)


この結果は彦星を倒したからといって慢心をしていたのかもしれない。

あの時の勝利は天裁が年月をかけ策を練り度重なる運があって初めて乗り越えたものだ。


唯一立ちつくす少年淘汰。

彼には元々倒れる権利すら与えられていない。

ステータス0の亡者。

元々HP0が最大であり0が最低だからだ。

戦闘に介入することはできない。


スミス『全滅か!?

皆どうなった!?』


56「なぁ淘汰。

お前は何のために戦ってるんだ?」


スミスに反応をしようとすると手で静止され敵が声をかけてきた。

あの時と同じ目だ。

圧倒的な実力からの威圧。

そんな彼女が投げかけた疑問は意外なものであった。

同時に俺は同じ疑問を持った。


淘汰「先に問いたい。

お前は何故そこまでの実力を持ってフェンリルの下についているんだ」


俺は横目に仲間のレイブンが肘を付くのが見えた。

彼女は闘志がある限りHP1で立ち上がる。

その時間稼ぎでもあるが何より気になることだった。


56「元々56は人間に作られ廃棄されてきた初期型電脳生命体なんだ。

GGMからではなく他の電脳生命体GMのデータを元に神谷財閥とスミスが独自に作って失敗に終わった研究。

そこで生まれたできそこないで欠陥品のNo(ナンバリング).GM。

その一人が56なんだぞ」


淘汰「……!?」


立ち上がろうとしたレイブンを稲妻を放ち吹き飛ばした56。

突然の攻撃と彼女から出た言葉に思わず口が開いた。


挿絵(By みてみん)


56「それを救ってくれたのがフェンリル様。

実際お前と56は変わらないのかもな。

支配者やリーダーに向かないから駒となる」


"世界を救うためには刃が必要じゃ"


スミスが俺に対して向けた言葉を思い出した。

その刃が駒に当てはまるのを感じてしまう。

この話を聞いていた本人は頷いた。


スミス『電脳生命体を知る為にそれその物を作り出そうとした【No.GM計画】

それは事実じゃな』


その話も初めて今聞いた。

話せば話す程知らない事実が出るだろう。


56「フェンリル様が目指す未来はみんなが仲良く唐揚げを食べる世界なんだぞ。

こんな自分でも救ってくれたから。

だからその世界の為に戦う。

お前はなんのために戦うんだ?」


淘汰「俺は現状に納得がいかない。

彦星やフェンリルによって捻じ曲げられた俺らの日常を取り戻したいんだ」


56「でもお前は駒の主の正体を明確に知らないってフェンリル様から聞いたぞ。

今の神谷財閥の件も知らないだろ?」


淘汰「だが俺は信じると決めた。

スミスは覚悟を持って世界を救うと言った。

"その行動に自我があり責任をとるのなら一向に構わない。

それをギルド全員で団結して解決する"

これが俺らのギルドegoの信条。

その事実も受け止める!」


スミスの方を見る。

彼は誤魔化すことも逸らすこともなく真剣な眼差しで俺を見返していた。


その時頭上が光り出した。

俺の頭に付いている天使の輪だろうか?

誰かの声が聞こえてきた。


挿絵(By みてみん)


りだ、……その、と


上手く聞き取れなかったが声の主は目の前に倒れていたチャラ民の方からだった。


その声はどんどん大きくなった。


その通りだ!

もう決めた事を迷ってるんじゃない!

大波を乗り越えるんだろ!


彼に手を貸すと吸い込まれていった。



男が遠くの木々からその様子を観察していた。

激しい葛藤の中立ち上がる少年の姿を。


行く末を見つめていたのはその少年が老けたような顔の男性、那老(なろう)であった。


今回は色々手を貸した。

彼らの仲間や本人に気付かれずにフェンリルの部下を打ち倒し、このエリアに空間の穴を開けた。


姿を明かすのはもはや構わない。

淘汰の仲間には顔が割れている。

だが直接手を貸すのは最終手段だ。


彦星から奪った【電脳覇王剣(ダーインスレイブ)】。

これを織姫に近付ける訳には行かない。

【破壊の電脳神】に必要な第一条件。

電脳生命体の神GGMが生まれてしまうからだ。



56「その姿は!?」


巨躯の獣人に対し姿を表したのは短い青髪の戦士であった。

親友同士二人の人間が【憑依】の力によって一人の人物となったのだ。

右手に杖、左手に剣を持ち構えている。


彼はニコリと笑ってこう宣言した。


挿絵(By みてみん)


憑依体「合体戦士参上!!」


すると倒れていた000が立ち上がった。

胸元から小さな人形が崩れ落ちていった。

どうやら確率で発動する身代わりアイテムらしい。


彼女は手から暖かい光を杖に投げてきた。


000「蘇生魔法だよ。

それを覇王剣技を使って拡散して」


憑依体「りょーかい!」


会話に関してはほぼチャラ民に動かされているようだ。

暖かい杖で剣をトンっと叩く。

そして輝いた剣を回転斬りに振るった。


憑依体「【覇王回生剣(はおうかいせいけん)】!!」


暖かな光が周囲に広がって倒れていた仲間達が次々と立ち上がった。


するとチャラ民が俺に対して何かを提案してきた。

……。

なるほど戦隊アニメものが好きだったから思いついたのか。


右手の杖を振り上げ仲間たちに叫んだ。


憑依体「みんな!

この杖にありったけの能力をぶつけて!

技でもいい!今すぐ!」


56「そんなことはさせない!

っ!レイブンまた邪魔をするのか!」


異様な光景に反応したレイブンがいつの間にか【異形化】し56の雷撃を飲み込みこちらに吐いた。


レイブン「ほら仕返しだ!

雷の魔力その杖の方に行ったぜ!

口がしびれたけど。

んでおまけだ!【ブレイズブレス】!」


なんと彼女は【異形化】を使いこなしていた。

口から炎が吐き出され杖に雷と炎属性の魔法が溜まる。


織姫「泡魔法は風と水の二属性よ!

テストに出るかもだから覚えときなさい!

【バブルジェット】!」


天裁「なら私は光ですね!

熱閃魔法【ディストラクションハンド】!」


織姫から放たれる泡の濁流と天裁の手から放たれる光のレーサーが杖に吸い込まれる。


ぽち「おい我の【硬化】に使う地属性の魔力を受け取れい!」


000「私の闇魔法も……」


杖にタックルし何かを加えるぽち。

さらに000が怪しげな魔法も混ざる。


一気に仲間達が加えてくれた力で杖が様々な色に輝き始めた。


背後から声がする。


課金「魔法伝導率が一番高いものを」


携帯端末から取っておきの剣を投げ渡された。

持っていた剣を取り替える。

そして渡された剣に思いっきり杖をぶつけると虹色の剣が生まれた。


挿絵(By みてみん)


憑依体「これはみんなから受け取った剣」


足を踏み込むと風の魔力が体を浮かす。

動こうとした途端雷の魔力が混ざり音を超える速さで56に肉薄した。


敵の右ストレートが入りそうであったがそれすらもかわし土の魔力を纏う硬い剣を叩きつけた。


さらに踏み込み横薙ぎに振るう剣先。

そこから闇が広がり相手の視界を奪う。


再び来た攻撃を紙一重に避け斬り上げると水の魔力の奔流が放たれ敵を頭上に吹き飛ばす。


空中に向け空振りに剣を振うと炎の魔力が命中し大爆発が起きた。

雲にできた穴が円状に広がり太陽の光が射しこむ。


陽を受けた体が光の魔力により輝き翼が生える。


天を仰ぎ、地を蹴り、空を飛び、剣をかざす。

全ての魔力を両手の剣に込めて。


挿絵(By みてみん)


憑依体「そしてこれがみんなの力だ!!

覇王虹翼剣(はおうこうよくけん)】!」


剣の軌道は遥か彼方へと広がり浜辺から遠くの海へに七色のアーチを描いた。


地獄と呼ばれたその土地。

先程まで包んでいた暗雲が散り太陽が現れ晴天となった青空。

そこに架かったのは一筋の虹であった。


地面に落ちながら獣人はぶつりと呟いた。


56「……まだだ」




~現実世界・地下研究所


映像を見ていたスミスはある事に気づいた。

敵性反応がまだ消えていない。

それどころかさらに増大している。


スミス「まさか彦星を超えに来るのか」




~仮想空間・地獄 浜辺エリア


淘汰「やったか?」


合体した姿から戻る少年淘汰。

彼の横には力を出し尽くした親友のチャラ民が膝を着いていた。


織姫「それフラグじゃない?」


挿絵(By みてみん)


背後から仲間たちが近寄る。


先程まで戦っていた敵。

倒れた56の姿を見た織姫。


彼女は言葉とは違いニコリとした顔をしていた。


天裁「皆さん早くここを抜けましょう。

それが第一優先です。

また邪魔が入るかもしれません」


レイブン「この穴ちっこいな。

デカい天裁がギリギリ抜けれるかだ。

近いやつから一人ずついくぞ」


神谷の父親から先に入り抜けた時。

スミスから音声が入った。


スミス『皆気をつけろ!

56はまだ本気を出していない!』


その言葉に反応し倒れていた敵の方を見る間もなく56が飛びかかってきた。

しかも右ストレートを000に向かって放とうとしていた。


淘汰「危ない!」


咄嗟に彼女を庇おうとしたが自分の体は幽霊の如くダメージをすり抜けてしまう。

ガンッという鈍い音が響き振り向く。


誰かが剣を使い抑え弾き返した。


その顔を見た時悪寒が走った。


挿絵(By みてみん)


自分の顔とそっくりだ。

強いて言うのなら老けた自分と言うべきか。


那老「馬鹿野郎!

最後まで油断するな!

先へいけ!」


56「いくらお前相手でも引く気は……っ!」


しかしその言葉は突然途切れる。

空を裂く程の正拳突きが腹に入ったからだ。

さらにあの56をひと薙ぎで奥まで吹き飛ばす。


彼は次元の裂け目を確認すると舌打ちをして何も無い場所に空振りに剣を振った。


那老「【地獄流・次元破壊】!」


その声が響いた途端剣が通った軌跡からヒビが入り始めた。

そしてガラスの割れる音とともにさらに大きな次元の裂け目が生まれた。


織姫「こいつ空間を壊した!?」


もしかして匿名希望の協力者ってこの那老という男の事だろうか?


男は織姫の声を聞くと何故か突然彼女の反対方向へ剣を海に投げた。

だが男の持っていた紫の剣が光り輝き織姫に吸い込まれてしまう。


何が起きたかはよくは分からなかったが那老はこちらに駆け寄り怒鳴りかけてきた。


挿絵(By みてみん)


那老「くそ、防げなかったか!

早くその女を連れて今作った穴に飛べ!

無限回廊以降かけられたフェンリルの鎖は俺が断ち切った。

あそこから現実世界へ帰れる。

織姫を強制的にログアウトさせろ!」


淘汰「わ、分かった!」


恐ろしい剣幕でまくし立てられ近くにいた織姫の手を引き俺は穴に飛び込んだ。

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