☆メインストーリー5-7「次元の裂け目」※挿絵有
仮想空間においての会話は
名前「会話文」の特殊表記となります。
詳細はあらすじにて
~仮想空間・地獄 山林エリア
スミス『お前さん達に協力をした匿名希望の男がいるのじゃ。
指定した座標へとむかってほしい。
場所はここを抜けた浜辺エリアだ』
ホログラムに映るスミスここから抜ける為の手順の指示を受け進む淘汰達。
俺達が今いる場所は実は擬似空間というらしい。
仮想空間における危険エリア【地獄】。
それにフェンリルが似せて作った空間で【偽物の地獄】とも呼べる。
現時点でのメンバーは俺含め織姫、ぽち、000、神谷の父課金、チャラ民、天裁、レイブンと大所帯だ。
さて会話の内容に戻る。
匿名希望の男が地獄エリアを空間ごと破壊し外部へと繋ぐホールを作ったそうだ。
重要な情報であるがその匿名希望の男は現時点では名前と素性を明かさないのを約束にそれを行ったらしい。
情報を隠す事は極力しないと先程話したスミスに対してチャラ民は苦い表情をしていた。
チャラ民「スミス、また隠すつもり?
団長は協力者の彼について伝えるべき事だと思うよ」
天裁「チャラ民さんの気持ちは分かりますが現段階で士気が乱れる行為を避けようとしているのではないですか?」
レイブン「まぁ今はこの改変地獄を抜ける。
それでいいじゃんか。
んでその空間の穴に向かえばいいんだろ?
ただリミットオーバーについての手がかりが得られなかったのが残念だな」
仲間達は各々思う事があるようだが今は一つに纏まって行動を取っている。
彼らの会話を聞いてると000の父親である課金が話に入ってきた。
レイブンが話していた戦闘力強化についての内容だろう。
課金「私は地獄におけるリミットオーバーを過去に行なった事があります。
ここを抜け次第お教えしましょう。
本来は機密情報でしたが娘を助けてくれた多大な恩があなた方にはあります。
フェンリルがここを解放してくれれば使えるはずです」
レイブン「お!まじか?
やっるな!」
嬉しそうに課金の肩を叩くレイブン。
あまりの力に黒縁の眼鏡が落っこちた。
苦笑いで拾う課金だが彼は確か仮想空間における大きな組織【Vipuum】の最高顧問だった。
俺は視線を逸らすと傍をちょこちょこ歩く織姫とぽちが見えた。
ぽちが彼女を慰めているようだ。
ぽち「我には難しいことは分からん。
だが仲良くが一番だ!
あるじと仲良く。ヒョロガキとも仲良く。
あとその他大勢とも仲良くだ!」
織姫「……」
彼女は落ち込んだ表情のままだ。
俺も何か言いたかったが遮るようにぽちの主である000が割入った。
000「今はやめておいた方がいいかも」
淘汰「……」
色々な感情が顔に出てしまっていたのか彼女は真剣な眼差しで俺を静止した。
その俺らを見たのか誰かが俺の背中を叩いた。
チャラ民「団長も思うことはあるけどそれを焦る必要はないと思う。
織姫の気持ちの整理も大切さ。
淘汰は昔からせっかちだったからね」
俺はその言葉に促され歩みを進めた。
まだ分からない事ばかりではあるが順を追ってスミスや織姫も対応するだろう。
俺も俺でこの問題に対して……。
その時織姫がこちらに近寄ってきた。
織姫「あんたどんな大波でもみんなで乗り越えるって言ったわよね?」
淘汰「あ、ああ」
織姫「信じてみる。
さぁさっさとこんな辛気臭い場所から帰るわよ」
彼女は一瞬ニコリとするといつもの機嫌悪そうな顔で先頭を切った。
横腹を軽くつつかれ振り向くとチャラ民が表情を崩して話しかけてきた。
チャラ民「全くどっかの誰かさんと同じでせっかちさんが多いね」
淘汰「確かにな」
なんとなくこのやり取りに懐かしさを感じる。
幼なじみであるチャラ民とは過去にもこんな感じだったのかな。
暗雲があった仲間たちの雰囲気が少しずつ明るさを取り戻すのを感じた。
~現実世界・地下拠点
スミスは淘汰達と通信が繋がり彼らの安否と共に真実に気付きつつある彼との話を終えた。
一旦音声通信を切ると横で別のモニターからこちらを見つめている人物に目を向けた。
【猩騎士団】団長チャラ民、の影武者ノアだ。
変身の力により瓜二つである。
今回の改変地獄突入作戦において仮想空間の天空都市スカイキャッスルに滞在してもらっている。
ノア『さっきの音声は届いていたよ。
フェンリル戦にあたり通信ができる環境にない。
こちらがいない間に淘汰に揺さぶりをかけるっていう可能性もあるから早く真実を伝えるべきだったね』
考え抜いた結果、無限回廊からレイブンを回収しギルドegoのメンバーが揃ってから初めて告げようと思っていた。
だが実際は誤算ばかりであった。
スミス「真実、つまりは未来の話か。
メンバーが集まる前に混乱を与えたくなかったんだが無限回廊以降において淘汰との長期通信遮断。
その間にフェンリルと遭遇。
しかも奴も未来の事を知っている。
そしてチャラ民と那老の邂逅。
不運が重なり過ぎてしまったのう」
ノア『どうするの?
ちゃんと誠意を見せた方がいいんじゃない?』
スミス「ああそうするとも。
フェンリルによる改変地獄から抜けてから先の行動。
メンバー揃ってるのであらばこちらがやることは変わらん」
わしはデスクにあるキーボードに打ち込みをし手元のモニターにある物を映した。
ノア『【追憶の世界】だね。
身を明かす時が来たんだ?』
スミス「ああそうだ。
淘汰にまつわる記憶を持つ者が揃ったからのう。
さてそれはそうとお前さんに聞きたいことがある。
やはりフェンリルの正体が気になる」
こういった電脳生命体に関わる情報はノアにとっては禁句であったがこの世界線にいるのであらば知ろうはずのない事をやつは知っていた。
なら黙ってはいられない。
表情を伺うと思いの外軽い雰囲気であった。
ノア『平行世界には色々ある。
一匹の犬が絶望した姿とかね。
そこに手を出した女がいる』
スミス「【破壊の電脳神】か?
それとも例のエルリアというやつか?」
名前を出してはいけないと責められたことはあったが仲間の為に聞かねばならん。
ノア『ボクが介入できる範囲も決まってる。
だから答えは自分で探して欲しい。
ただ厄介者は【破壊の電脳神】だけじゃない』
それ以上はノアが語る事はなかった。
わし自身分からない事ばかりではあるが伝えるべき事を伝えると淘汰と約束した。
何より彼らと共に人類の未来を救うと決めたのであるから出来る事を尽くしたい。




