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【挿絵400枚】2055~ステータス0の亡者  作者: 烈火
第5章 改変地獄編
60/83

☆メインストーリー5-6「ギルドの信条」※挿絵有

仮想空間においての会話は

名前「会話文」の特殊表記となります。

詳細はあらすじにて

~仮想空間 地獄・火山エリア


挿絵(By みてみん)


淘汰達一行は火山エリアにて全員が揃った。


天裁とレイブンは神谷の父親課金を連れて先に着いていた。


意識を失った000(ゼロ)を見た課金はすぐに反応を見せた。

娘の様子にとても不安そうな表情だ。

すると000から突然黒い瘴気のようなものが抜けていく。


一瞬俺らは驚きの声を上げたが白い服装に戻った彼女は静かに目を開けた。


000「あれ?お、お父さん?」


課金「(ひさし)!」


000「その名前で呼ばないで!

恥ずかしくて嫌なの!

それに熱いから抱きつかないで!」


わんわんと泣きながら神谷の父親は000に抱きつき娘の名前を叫んだ。


ぽち「やったぜ!

あるじが目を覚ました!」


その親子の周りをぐるぐる回る犬のぽち。


神谷 亀。

彼女の本名である。


末永く生きて欲しいと父親が付けたようだ。

それが原因で学校で肩身の狭い思いをしていたというのを思い出した。


なんとなく神谷が父親を苦手としてるのが伝わる。


レイブン「やっべ涙腺が。

元担任としてもこの再会は来るものがあるな」


近くにいたレイブンが腕に目を当てて涙を隠している。

隣の天裁も優しげな表情を見せていた。


しかし俺は先程の件があってかその雰囲気になかなか浸れなかった。

視線は自然と織姫に向いていた。


挿絵(By みてみん)


織姫「恨んだ目を向けられて仕方ないわ。

確かに初めから私を廃棄処分してくれた方が良かったのかもしれない」


淘汰「何を言ってるんだ!」


思わず声を上げた俺に周囲の目が集まる。

織姫は尚も暗い口調で言葉を続けた。


織姫「あんたらは知ってるだろうけど私はGGMの半身。

つまり電脳生命体の神の合成材料のようなものなの。

だから私がGGMとなってしまったら。

力を持ってしまったら。

その時点で私は自分を保てず彦星のようになってしまうかもしれない」


普段から気の強い彼女から出た言葉は不安そのものの感情であった。

俺は感情的になりそうだったがチャラ民が俺の口の前に手を出し静止した。


チャラ民「なら圧政者の団長の前で。

電脳生命体と人類の共存を訴えた君達の意思はそんなのに負けるものなの?」


織姫はその言葉に強い視線で本音を吐露した。


挿絵(By みてみん)


織姫「力に溺れた電脳生命体をあんた達は見たはずよ!

彦星にフェンリルや部下達。

それにそこにいる000だって!

きっと私もそうなるわ!」


手を大きく振るい感情的になる彼女。

もしかしたらずっと抱え込んできた思いが弾けたのかもしれない。


ぽち「くぅーん」


落ち込む表情をみせるぽち。


すると今まで共闘してきた仲間。

レイブンと天裁が近寄ってきた。


天裁「ですがあなたには仲間がいます。

娯楽都市でフェンリルにより廃人となった私は淘汰さんや周りの仲間に救われました。

そして彦星を打ち倒すまでに至った」


彼は眼鏡に手を当てアクアリゾートで起きた件を語りかけた。

そこに無限回廊を共に進んだレイブンも織姫の肩に手を当てた。


レイブン「あっしだって異形化して力が制御できなかった時もあった。

でもよ、そんな時はお互いお世話様だろ?

なぁ淘汰」


急に声をかけられた俺は視線を下ろした。

ここまでの旅を思い出す度に大切なことを隠し続けられた事実。

それがどうしても膨らんでしまう。


淘汰「一度スミスと話させてほしい」


彼女も隠し続ける不安に重く潰されこうして感情が溢れ出したのだろうか。

だとしたら尚更スミスに問い詰める必要がある。


チャラ民から通信機を一つ譲り受けると彼は静かに俺の事を見つめていた。


淘汰「すまない」


チャラ民「でもすぐ戻ってね。

フェンリル達が来るかもだから」


距離を取り通信機を手に取るとホログラムとなったスミスが静かに声をかけてきた。


スミス『申し訳なかった。

お前さんを迷わせたくなかったのじゃ。

立ち向かうのに最低限の言葉しかかけられんかった』


挿絵(By みてみん)


淘汰「本当の目的を教えてくれ」


スミス『"純粋なる電脳生命体の神の降臨"

それがわしらの目的じゃ。

フェンリルが目指す方向とは違う。

織姫がGGMを取り込み正義の心を持ち電脳神となる事。

そこに彦星やフェンリルが邪魔じゃった』


俺は聞き間違えたと思い彼の表情を再度見つめた。

冗談などではなく本気の表情であった。


スミス『世界を救うためには刃が必要じゃ。

その使命を淘汰に頼らざる得なかった。

お前さんは兄弟で仮想空間戦闘における天才であったからのう。

その中で協力をしてくれた兄アンスには負担をかけすぎた、全てを伝え目的を遂行させようとしたら重責に耐えきれず最悪な結末を迎えてしまった。

結果お前さんは兄を悼みアンスの姿をアバターにした。

そんな姿を見たわしは今度こそ失敗させない為に重要な戦力であるお前さんには真実を告げなかった』


アンスというのは先程フェンリルの口から語られた名だ。

その言葉が本当だとしたら。

もう彼はこの世にはいないのか?


そうだとしたらスミスがした事には重い責任がある。


スミス『すまぬがわしらの声はチャラ民の持つ通信機を通してあちらにも伝わっておる。

その上でお前さん達には事実を隠していたことを伝えた。

わしは憎まれて当然じゃ。

世界を救うためとはいえ手段を選ばなかったのだからな』


俺は沸騰した怒りを抑えた。


もし俺が全容を知っていたとして圧政者や彦星やフェンリルに立ち向かえただろうか。


挿絵(By みてみん)


兄が出来なかったことを俺ができたか。

確かに挫けてしまう可能性もあっただろう。


だが不意にチャラ民と天裁とレイブンが織姫にかけた言葉を思い出した。

そして地獄に辿り着く時に見えた記憶の断片が一気に頭をよぎる。


淘汰「踏ん切りがついたよ。

そして伝えたい事がある」


スミスは静かに俺を見つめ黙った。

俺は歩みを進め彼らの方へと一歩ずつ進んでいく。


淘汰「みんなで乗り越えてきたんだ。

それぞれが苦悩や過去に立ち向かい。

それぞれが仲間と共に超えてきたんだ」


こちらを見つめる仲間達。

彦星やフェンリルと立ち向かってきた彼ら。


淘汰「思い出したんだギルドegoの信条を。

"その行動に自我があり責任をとるのなら一向に構わない。

それをギルド全員で団結して解決する"」


天裁、000、スミス、俺、織姫、チャラ民、レイブン。

そして今はぽちもいる。


挿絵(By みてみん)


淘汰「だから尚更隠し事なんて必要ないさ」


姿や形は変わってしまったが2050年彦星と戦ったメンバーだ。

蘇る微かな彼らとの記憶の中ギルドの信条を思い出した。


スミス『なるほど。

わしが立てた信条に自身が諭されるとはな。

淘汰、共に戦ってくれるか?』


そして仲間達の前に立った時ひとつの疑問を投げかけられた。

確かに最初は不信感を持ったが今は違う。


こちらが静かに頷くと彼の声色に強い信念が宿った。


スミス『許容できない事も多くあるだろうがわしもこの世界を救うという心情に偽りはない』


淘汰「ただ必要となれば教えて欲しい。

挫けそうな大波でもみんなで乗り越えるのだから」


スミス『ああこの地獄の一件を終え次第お前さん達にも詳細な話を伝えよう。

フェンリルが語った【破壊の電脳神】についても。

まずは帰還の為の手順についてじゃ』

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