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【挿絵400枚】2055~ステータス0の亡者  作者: 烈火
第4章 異形者 レイブン
50/83

☆メインストーリー4-8 無限回廊B89F 「異形化」※挿絵有

※仮想空間においての会話は

名前「会話文」の特殊表記となります。

詳細はあらすじにて

~無限回廊B89F


挿絵(By みてみん)


この階層まで来ると敵の戦闘数値がぽちの2倍まで跳ね上がり処理が出来なくなってくる。

しかも物理攻撃無効化または魔法攻撃無効化をする敵まで現れる始末だ。

その為各々が担当分野に別れて行動していた。

俺はステータス0、レベル0、スキルも魔法も0なので隠れて索敵の報告やアイテム係くらいしかできないが。


織姫「泡魔法【水銀球】!」


分身した織姫が泡魔法を使い厄介な敵を包んで拘束するという作戦が意外と効果的であった。


織姫「実は水銀をアイテムボックスに有限だけど沢山用意してきたの。

私は魔法で作った液体とかを球状にするのが得意だからそれを応用したわ」


淘汰「頭良いな」


スミス『わしの作戦じゃよ!

褒めて褒めて』


淘汰「やっぱ何でもない」


しかし水銀の数が有限の言葉通り多用も出来ず、泡として維持出来る効果時間もすぐ切れるのでその場しのぎだ。


その為処理できない場合はぽちが盾役に回り時間を稼ぎ各担当が処理をする。

魔法要員は熱閃魔法使いの天裁。

物理要員ではレイブンが刀を走らせていた。


彼女は独特な戦い方だ。

重いはずの武器を大きく回しジャグリングのように扱う。


挿絵(By みてみん)


レイブン「【地獄流・飛円剣(ひえんけん)】!」


その技を聞いた途端俺は彦星戦で放った技名をうやむやながら思い出していた。


淘汰「もしかしてそれは過去の俺の技?」


レイブン「ああそうさ!

仮想空間を渡り歩いて過去のお前と戦ったヤツらから教わったんだ。

んで何年か掛けて少しだけ覚えた。

【地獄流・大車輪(だいしゃりん)】!」


刀を振りまわしそのまま回転投げすると広範囲の敵をなぎ倒し、ブーメランのようにレイブンの手元に戻ってきた。


レイブン「地獄流を知る者は数少なかったが挫けそうになる度あの戦い方を思い出してな。

諦めないんだろ?

あっしはあんたのその言葉でここまで戦い抜いた」


彩やかな戦い方に目を惹かれているとそれは過去の自分の戦い方でありそこに秘められた言葉に息を呑んだ。


すると物理攻撃無効の敵が何体か残り集まってきた。

慌てていたが背後へ向かい影が引き寄せられるのに気付いた。


突飛な現象に何事かと後ろを向くと


挿絵(By みてみん)


天裁「熱閃魔法!

【デストラクションアイ】!」


何と眼鏡を外した天裁が目からレーザーが放ち地面を焼き始めたのだ。

照準を回しながら広範囲に敵を吹き飛ばした。


いや、どんな攻撃だよそれ。


天裁「この(わたくし)、天裁の目が黒いうちは邪魔などさせません。

先生、大丈夫ですか?」


レイブン「あ、ああ頼もしいな」


眼鏡を掛けると天裁はレイブンの方を向き笑顔を見せる。

分かりやすい性格だなぁ。


織姫「目が黒いどころか光ってるわね。

色んな意味で」


少し呆れた表情を織姫も見せていた。


神谷の父は先程から携帯端末を操作しておりスミスと何か打ち合わせをしてるようだ。


彼は【数魔法(すまほう)】という特殊な能力を持つのだが戦闘には向かないらしい。


先程のB50F付近の安全地帯でテントなど野営の道具が揃っていたのはその能力によるもので道具を取り出したり回収するのが得意なようだ。


不意に神谷の父が何かを取りだし次の階層へのワープゾーンを指さした。


課金「数魔法【レーダー】!

──どうやらこれはまずい。

私達が何度も戦ってきたフェンリル部隊。

その中でも厄介なのがいます」


レイブン「奴か。

大分気持ちも昂った。

【異形化】で片付ける。

みんな約束して欲しい事がある。

あっしがどんな姿になっても驚かないと」


一瞬落ち込んだ表情を見せたが彼女は俺らの顔を一人一人見つめ、最後に天裁を見た。


天裁「三勇者のときの私とは違います。

そしてコントロール不可となった時。

私に案があるので存分に戦って下さい」


彼の言葉にレイブンは静かに頷いた。



~無限回廊B90F


とうとう最深部の手前までたどり着いた。

全員が揃ったか確認を取ろうとした時。

愉快そうな声が辺りに響いた。


挿絵(By みてみん)


56「やったにゃあ!

今日のご飯はからあげ!からっげ!

あれ?あらーげ?からっげ?

にゃんだっけ?」


緑色のくるりとした前髪にサラリとしたストレートの後ろ髪という変わった髪型。

褐色で天裁程の高身長で虎のような獣人。


間抜けな雰囲気だがフェンリルの手下だと思われる。

気を抜いてはいけない。


そう思った直後いつもの如くぽちが早速何も言わずに突っ込んでいった。


淘汰「おいバカ!」


56「ぬ!【とらぱんち】!」


間抜けな技名だが繰り出された右ストレートがぽちに命中した。


挿絵(By みてみん)


その直後爆発するような音と凄まじい風に俺達は吹き飛ばされていた。

彦星の無差別破壊攻撃を思い出す威力だ。

遠くに見えるぽちのダメージ表記が見えた。


"100,000,000"


スミス『おい!

皆大丈夫か!?』


ノア『ぽちに1億ダメージが飛んだよ!

初撃は【硬化】の能力で無効化されているはずなのに!』


軽く受け流してしまいそうになったがとんでもない現象だ。

思わず聞き直そうとした時に目の前に立つ人影が目に入り口をつぐむ。


レイブン「相変わらずめちゃくちゃなクソ猫だ。

こいつはフェンリルの最強の用心棒。

あっしは何度もこいつに負けた!」


壁際で膝をついた織姫がぽちの方へよろよろと歩む。

俺も気付けば壁際に押されていた。


俺はダメージはすり抜ける体質だ。

なので体が動かされたということは多分この爆風によるダメージは皆には発生していないと思われる。


織姫「なんでぽちにダメージが通るのよ!?」


56「1億の固定ダメージだから?

固定って湖底の事?

あーそう言えば今日のご飯なんだっけ?

忘れたにゃ」


いや知らねえ。


隣で立ち上がる神谷の父は膝を着いて彼女について説明した。


課金「この電脳生命体はナンバリングGMと呼ばれる初期型GMの56号機。

奇跡的な乱数で生まれた戦闘力だけ見たら彦星に並ぶ超戦闘型のGMです。

ただ初期型により頭の出来が悪く電脳王に至れなかったジャンクとも呼ばれてます」


淘汰「確かにぽちに通じる電波さというか話の通じなさを感じる」


吹き飛ばされたぽちに関しては完全にダウンしてしまっている。

織姫が蘇生アイテムを使い処置をしていた。

電脳生命体は戦闘不能を放置すると死んでしまう為緊急となる。


その中天裁が突然立ち上がり熱閃魔法を56に放とうとした。


レイブン「やめろ天裁!」


56「【びりびり】!」


バカみたいなネーミングセンスの魔法だが天裁の超高速詠唱を超え放たれた雷は爆音と共に彼を貫く。


その瞬間俺にテキストメッセージが届く。

天裁からの物か?


"オートメッセージ

異形化は憑依で制御"


これは?


不意に背後の課金が俺らの後ろにあるワープに向かって何かを投げつけた。


課金「数魔法【ブリキのうさぎ】!」


56「にゃ!?」


本能のまま56はおもちゃの兎を追いかけて走っていき89Fへ向かっていった。

そして目をギョロりとさせレイブンに走り寄っていった。


前の方からかすれた声が聞こえる。


レイブン「あの……野郎」


俺はそちらに目を合わせると言葉を失った。

レイブンの肌が紫に染まり、眼球が黒くなり肌が裂ける音ともに羽が生えたのだ。


課金「制御するんだ!

落ち着け、大丈夫!

……っ!」


挿絵(By みてみん)


押さえ込もうとした神谷の父を離しまるで悪魔のような怒号を再び上げるとその羽で空を飛び始めた。


レイブン「オマエタチ、ココニ、イロ。

ヒトリデ、タタカウ。

モウ、ジガガ、タモテナイ」


声として成り立つかすら分からないほど濁った声だ。

仮想空間の使用で視界に表示される言葉ですら上手く適応ができていなかった。


淘汰「レイブン!

気を確かにするんだ!

天裁は俺が蘇生させる!

皆で行けば大丈夫だ!」


仮想空間において他者を一日に蘇生させられる回数はレベル+1回。

レベル0の俺ができる蘇生は一回のみだ。

俺はそれを行使しようと天裁の方に駆けた。


レイブン「アウウ……」


悪魔の姿となった彼女は次の階層へと飛んでいってしまった。

戦闘不能となった天裁へ向かおうとすると彼はまだ意識が残っていた。


天裁「淘汰、さん。

わざと攻撃を受けたのは、私の作戦です。

先程の……メッセージ、読みましたか?」


俺は頷くと現実世界の方からスミスが声をかけてきた。


スミス『わしもあの内容と同じ考えじゃ。

【異形化】したレイブンが意識を保ち戦うにはお前さんの【憑依】の力が必要だ』


スミス達にも同じメッセージが届いていたようだ。

背後から声がする。

その先には少し狼狽した織姫がいた。


織姫「多分あの様子じゃ本人は制御はできない。

淘汰に先に行かせてレイブンの異形化を抑えてから私達が向かう形よね?

じいさんと課金の話は聞こえたわよ。

"【異形化】の暴走に対して

淘汰は【亡者】の力でダメージを受けないから巻き込まれない"

って」


俺は周囲を見渡した。

なんとか這い上がったぽちと織姫。

床につく神谷の父、課金。

そしてボロボロとなった天裁。


ノア『薄々気づいていたかもしれないけれど君だけならダメージをすり抜ける能力で階層自体は難なく進むことは出来るんだ。

だけど予期せぬ非常事態を防ぐ点と君一人が100Fに行っても戦う事ができない点。

心を司る力を持つフェンリルと直接対峙した際の危険性。

それを加味して先に進ませなかった』


確かにこの体は亡者という特殊なアバター。

幽霊の如くダメージを受けずダメージを与えられない。

だが現段階では100Fに向かったレイブンがいる。

むしろ暴走した彼女が駆けつけたここにいる仲間を攻撃してしまったら元も子もない。


なら残った手段は一つだけ。


挿絵(By みてみん)


淘汰「俺が先に行くよ、必ず道を切り開く」


織姫「あんたばかり嫌な役目をさせてごめんなさい。

ここは私が蘇生をするから先に行って。

先生がダメな時は生徒の出番だから」


俺は大きく頷くと思いっきり足を踏み込みB100Fへ向かい走りはじめた。



無限回廊・B96F


俺はたった一人でひたすら走っていた。


周囲には雑魚敵といったモンスターらしきものは一体も見当たらない。

場の状況を例えるとしたら


焼け野原だ。


辺り一面中焦げたような焼き跡や未だに燃えている箇所がいくつもあり、【異形化】したレイブンによるものと思われる。


誤って炎に触れてしまったが痛み等はなく0ダメージの表記と共に体をすり抜けていった。


【亡者】の力。

それは攻撃を受けないという特殊な能力だ。

ダメージ発生時あらゆる物をすり抜ける。

逆に言えば相手を攻撃する事も出来ない。

ステータス0。


灼熱の業火の中だがこの能力が功を奏した。



~無限回廊・B100F


挿絵(By みてみん)


ダンケルハイト「56が回廊のB70Fまで勝手に逆進行。

依然として歩みを止めてねぇ」


フェンリル「分かってる。

そしてレイブンが単独で我らに向かっていることもな。

淘汰との決戦が近いか。

ヒョロガキ、この世界線の貴様がどれだけか。

あの世界に絶望した犬に見せてみろ」


水晶の球に入った000を眺めながら少年は部下の報告を得た。

そしてその時が来たかのように剣を取り出すとその球を破壊した。


フェンリル「我は上位電脳生命体。

【エルダーGM】の長フェンリル!

汝の魂を喰らいここにて【逆憑依】を完成させる!」


意識を失ったままの彼女から虹の光を取り出すとフェンリルはそのまま吸収した。


Mr.B「……」


主から魂が抜ける瞬間を見た執事はそのまま倒れてしまった。


魂を喰らった少年は姿が変わり始め、黒髪に000と同じ服装と髪型。

そして左右非対称の瞳の色をした少女へと変貌を遂げた。


挿絵(By みてみん)


フェンリル・ゼロ「彼女の想いが伝わるよ、愛する者への。

我がそれを直接ぶち壊してやる」


黒髪の少女は000と同じ声で嘲笑を交えた高笑いをした。

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