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【挿絵400枚】2055~ステータス0の亡者  作者: 烈火
第4章 異形者 レイブン
43/83

☆メインストーリー4-4 無限回廊B1F「光vs闇」※挿絵有

※仮想空間においての会話は

名前「会話文」の特殊表記となります。

詳細はあらすじにて

~仮想空間・無限回廊B1F


これで三度目となる仮想空間へのダイブ。

黒髪の少年、淘汰は船酔いのようにグラグラする頭を支えながら立ち上がる。


マップ表記がなされここが無限回廊の最上層であることが示された。


周囲を見渡すと石でできた壁と床。

暗がりにそびえ立つ人工物のような柱。

それを照らす蝋燭の火。

蔓延(はびこ)るモンスター達。


そこはゲームでいうまさにダンジョンと呼べる場所であった。


挿絵(By みてみん)


遅れてアバターが視界に表示される。

ちび女の織姫。

クリーム色をした犬ぽち。


人間と電脳生命体ではLv表記が変わり電脳生命体の場合はGMLvという特殊表記となる。

違いとしては人間より10倍の能力がある為、彼らのレベルは単純計算でLv150である。


前回の仮想空間のダイブ時はGMLv4であり電脳王 彦星を倒した際に跳ね上がって成長したようだ。


同じタイミングにダイブした彼らもその風景に身構えた。

織姫の声が文字と共に表示される。


織姫「とうとう着いたわね。

無限回廊」


淘汰「どうやらここでは5F事にボスが存在し雑魚敵のレベルが階層ごと比例して3ずつ上がる。

最下層で敵はLv300。

戦闘における総合値は10,000を超えてくるらしい。

ぽちの総合値は現在9,500だから厳しい」


織姫「ステータスカンストパンダや圧政者、電脳王よりかはマシよ。

金パンダとか総合値999,999だったじゃない」


カンストパンダか懐かしいな。

圧政者のいた天空城への道に立ち塞がった金銀銅色のLv999エルダーパンダ達だ。


しかしこの世界のインフレは激しい。


後に聞いた情報ではあるが天裁のLvは3,000代であり総合値は300万だという。


圧政者と呼ばれたチャラ民はLv5,300であることからさらに高いと思われる。


今考えればよく圧政者を倒す事が出来た。

もしその戦力を知っていれば怯んでまともに戦えなかったかもしれない。


戦いの中で聞いたが彦星は体力値が数十億単位と呼ばれていたので俺や織姫、ぽちは如何にちっぽけな存在か。


挿絵(By みてみん)


だがなんだかんだ俺達は強大な敵に対して正攻法で戦わずにトリッキーなやり方で乗り越えてきた。


そこに至るまで000(ゼロ)の力を何度も借りてきたな。


そういえば一度000とコネクトが取れるか試すために天使の輪を触れるようにスミスに頼まれていた。


助けを求める時俺のアバターについた天使の輪によって彼女と話す事ができた。


スミス『やはり無理か?』


試した直後間を置かずに来た質問に俺は頷く。

聞いた話だと仮想空間に意思はあるようだがフェンリルの力でアバターそのものを封じられているようだ。


仮想空間の適性がない一部の人間が仮想空間において植物状態となっている現象。

それと似ているとスミスは仮説を立てていた。


さてそんな俺たちの話し声に反応したのか天裁が近くの部屋からにこやかに俺たちを迎えた。


挿絵(By みてみん)


天裁「彦星戦以来ですね。

淘汰さん。

あの戦い方は過去のあなたを思い出す程素晴らしかった」


両腕を振るい興奮する彼に俺は苦笑いで返事を返した。


彼の話している事は先日のことだろう。

【憑依】の力。

それを用い天裁と融合した俺達は彦星を倒した。


正直あの戦いの記憶は殆どない。

直後に気を失ったのもあるが何か物事を考える余裕すらもなかった。


織姫「ただあの後彦星を直接消滅したか確認できなかったから生命反応は無いとはいえ本当に倒せたか信じられないのよね。

どこか燃え尽きず化けて出てきそう」


淘汰「あいつは満足したんじゃないかな。

最期に見た顔は穏やかだった」


戦いの内容は殆ど頭から消えてはいた。

しかし天裁に憑依して放った極熱閃魔法。

それにより吹き飛ばされた彼の表情は頭に焼き付いている。


その言葉に織姫は悲しげな表情を浮かべた。


織姫「確かに電脳王はやり過ぎてた。

でももっと彼と話せる機会さえあれば結果は少し変わっていたと思うの」


確かに彼の仲間である電脳狐。

金閣と銀閣に向けた眼差しは不思議な柔らかさがあった。

だからこそ俺も少しもやもやした気持ちが残っている。


その光景を見た天裁は静かにそして厳しく言葉を紡いだ。


天裁「過去の選択を反省するのは大切ですが後悔は未来の選択を曇らせます。

前を向きましょう」


背を向けて歩みを進める天裁。

織姫は少し俯いていたが気付けに自分の頬を叩くとぽちと一緒に歩みを進めた。


俺も足を動かすと秘密チャットでスミスの声がこちらに届いた。


スミス『取り返しのつかない選択の後悔。

人間には過去を悔い変えたいと願う者もいる。

お前さんはどう思う?』


淘汰「俺は元の日常を取り戻したい。

だから悔いはないよ」


スミス『そうか』


たった3文字で返ってきた言葉には言い表せないほど複雑な気持ちが込められているように感じた。



~無限回廊B4F



ぽち「ガウガウ!」


無限回廊に現れるザコ敵の数々。

見た事ある敵、スライムもいた。

天裁と出会った海底洞窟にいたヤツらとそっくりだ。


何度も遭遇をしているが俺らは何もせずに順調に進んでいた。


ぽちの能力の一つ【先制】が役立っている。


挿絵(By みてみん)


戦闘が始まると発動するタックル。

"先制攻撃+必中+クリティカル100%"という雑魚狩りに関しては鬼のような性能だ。


たまに奇襲を掛けられるがぽちの二つ目の能力【硬化】によって"初撃のダメージを無効化"することも出来る。


これらに関しては流石の天裁も目を見張っていた。


天裁「雑魚敵の処理で無駄な魔力を使う事になると思いポーション用意しましたがこれでは全く使う暇もないですね。

というか私ですら攻撃する間もない」


スミス『どうじゃ!

わしが改良したぽちver2.0は!

天裁君後でわしに飲み屋代奢ってくれても構わんのだよ?

いや後で通信越しでもいいから飲まん?』


天裁「私は下戸です。

アルコールは苦手でして」


織姫「ぽち強くなり過ぎてるわね。

いつも【硬化】の力で盾がわりに使ってたのにこれなら多少カルーアミルク飲んでてもバレないわね」


淘汰「今は酒だめだぞ」


ため息をついて早速グダグダとしてる彼らを見つめる。

さっきまでの真面目な雰囲気は飛び、とりあえずぽちに処理を任せて階層を進む。


同レベルの相手だとしてもぽち単体で安定して強いと言えるのでこの調子なら階層B50Fまでは問題はなさそうだ。

とても心強い。



~無限回廊 B25F ボスの間


天裁「不思議だ。

5の倍数ごとに存在するボスに一度も出くわしていない」


目の前には大きな台座があり本来そこにボスらしき存在がいる。

天裁の言う通りボスに5回は会ってもおかしくないがボスフロアには誰もいない。


それが先程からサクサクと階層を進めることができている大きな要因であった。


スミス『気づいたか天裁。

無限回廊において次のフロアに繋がるワープゾーンの解析をした』


ノア『そしたら先客がいるみたいだ』


淘汰「それがレイブンって訳か?」


現実世界からこちらにアナウンスをかけてくるスミスとノア。

彼らに対しそう疑問を投げかけると目の前から声がした。


ダンケルハイト「そりゃあ違ぇな。

おっさん達さ」


挿絵(By みてみん)


女性の声だが男性の喋り方をする茶髪の女性。

なんかこんがらがってきた。

その横には仮面をつけた男、Mr.Bがいた。


織姫「あなたはダンケルハイト!?

それにMr.Bまで!」


知り合いか?

と俺は織姫の方を向くと彼女が説明をしてくれた。


織姫「チャラ民の実姉よ。

本来なら彦星による強制的な仮想空間への収容で植物状態になってたはず」


天裁「どうやらMr.Bを助けてくれたようですね」


ニコリと笑い彼らに近付く天裁。

背後にまわした手には光が集まっているのが見えた。


警戒をしているのか?

チャラ民の姉とはいえ怪しそうだ。


俺も疑いの目を彼らに向ける。

すると何も言わずに突然ぽちが突っ込んでいった。


淘汰「おい、ぽち!」


だがおかげで疑いの答えはすぐに分かった。


ダンケルハイト「なるほどバレてたか。

暗黒のえーとなんとか!……詠唱省略!

闇魔法【ディバインブレス】!」


放たれた巨大な闇の炎。

そこへぽちが【硬化】を使い肩代わりした。


爆風の中激しく武器がぶつかる音が響いた。

煙が薄れていくと台座の中央に人影が見える。


Mr.Bの剣を天裁が光を纏った手で掴み競り合っていた。


天裁「さすがぽちさん優秀ですね。

やはりあなた達は黒でしたか。

【エルダーGM】上位電脳生命体。

植物状態の人間がGMに転生しフェンリルに力を貸していると聞いています。

そこからMr.Bは彼の手にかかってる事は容易に考えうる事でした」


ダンケルハイト「じゃあ話は早いよな?

奈落に引きずり堕ちよ……以下略

闇魔法!【アビスフロア】!」


天裁の足元に紫の霧が渦を巻き【slow foot+ 30 minutes】

という表記が出る。


スミス『これは状態異常の鈍足強じゃ!

30分の持続表記がなされておる。

その間一歩も動くことができん!』


淘汰「天裁!」


俺は思わず走り寄ろうとした。

天裁は背を向けながら俺らに怒鳴る。


挿絵(By みてみん)


天裁「ここは私に任せて下さい!

足でまといとなるのなら足止めくらいはさせてみせましょう!

先生……いやレイブンさんと早く合流してください!」


織姫「さっさと行くのよ淘汰!

憑依の力は負担が大き過ぎるからダイブ中一回しか使う事ができない。

私達がいても悔しいけど何もできないわ」


ぽちが次のフロアのゲートに走っていく中俺は織姫に裾を引かれる。


ダンケルハイト「おっと行かせるか!

断罪の……以下省略、えーと闇まほ……」


天裁「熱閃魔法!

【ディストラクションフィンガー】!」


ダンケルハイトが詠唱を始めた途端だ。

凄まじいスピードで魔法を唱えた天裁が指からレーザーを放ち妨害した。


天裁「早く行って下さい!」


光を放った人差し指を振り俺たちに前を進めと指示を出した。


淘汰「絶対に後で合流するぞ!」


最後まで俺は彼の姿を横目で見ながらワープゾーンに入る。

薄れていく視界の中で天裁の笑みを見た。


天裁「光魔法【セイクリッドケージ】!」


淘汰達が消えるのを確認すると天裁は光の魔法でワープゾーンに向かい光の檻を作った。


天裁「この先に行くのなら

30分以内に私を倒して檻を解除するしかない。

足のハンデがある分今なら勝機はあるでしょう」


ダンケルハイト「余裕なものだなぁ。

Mr.Bの実力は知ってんだろ?

そこに俺もおまけについてやがる。

敵ながら心配をするぜ」


天裁「余裕な姿勢はどちらで

私は【厄災軍師】ですよ?」



~無限回廊B100F


無限回廊の先に存在する【地獄】と呼ばれる門。

それを背にした少年の姿をした黒犬。

彼は部下との視界を共有していた。


フェンリル「どうやらMr.Bとダンケルハイトの奇襲が予定通り実行されたようだ」


津田「天裁もやりますね。

二人がかりをやるとは」


フェンリル「ん?津田?

お前は今までどこにいたの?

3ヶ月ずっと行方不明だったよね?」


挿絵(By みてみん)


津田「はい?

ずっとフェンリル様のお傍にいましたよ?」


やっと存在に気付かれた青髪ロングの青年津田。

彼はショックの色が隠せなかった。

そこに虎の電脳生命体、56が姿を表した。


56「フェンリル様だれと話してるんだ?

とりあえず近くで散歩してたりゃモグラを見つけたにゃ!褒めて!」


フェンリル「いや、お前下層にいるレイブンの始末はどうした?」


その言葉に56は口を大きく開いた。


56「忘れてた……いにゃ、忘れてた。

だってモグラが可愛いから!」


フェンリル「バカ猫!

さっさとレイブンを殺れ!

じゃないと淘汰達と合流してしまう!

って居ない?」


56はもぐらを地面に置いたまま今度は近くにいた鳥を追い回していた。


その様子に津田は呆れかえった。


津田「さすが初期型の【No(ナンバリング).GM】56。

命令以下の事も出来ないとは……。

フェンリル様!

私に淘汰達の妨害を任せて下さい!

50Fまでの上層階には私の仕掛けた罠が多くあります!」


フェンリル「?」


視線が全く合わないが何か音がしたのを感じさせるような反応。

何度も体験した津田は把握していた。


津田「わ、分かりましたよ!

こちらで勝手にやりますよだ!

見てろよ淘汰とかいうやつら。

カード魔法の恐ろしさを見せてやるぞ!」


青年は熱意を燃やし己の胸を叩いたがそれすらも気付かれず一人芝居のような滑稽さが目立つのを感じた。


56「フェンリル様!蝶々さんもいたぞ!

捕まえるぞ!

優しくだにゃ、優しく捕まえにゃば!」


挿絵(By みてみん)


フェンリル「もういい加減にしろクソ猫!

さっさとここから下層へ這い上がってレイブンを倒しに行けって!

ああもう血圧が上がる!」

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