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【挿絵400枚】2055~ステータス0の亡者  作者: 烈火
第3章 没落軍師 天裁
26/83

☆メインストーリー3-1 「那老」※挿絵有

~現実世界・小型飛行機スミス号


眩しい光に目を覚ました。


「おお、戻ったぞ!」


通信越しでない久しく聞くじいさんの声。

周りから湧く声に耳を塞ぎながら体を起こした。


「あんまり大声出すからビビったわよ」


ドアを開けて入ってくる女。

辺りを見回すとベッドの上だった。

すぐに起き上がる。


見回すと3人の人物と1匹の犬が迎えていた。


挿絵(By みてみん)


じいさん。元工学博士【スミス】

背の低い女。電脳生命体の【織姫】

短い髪の子供。住研究所のサポートAI【ノア】

犬。アンドロイド犬【ぽち】


そして俺の名前は那藤 太郎。

名前を一部を取り【淘汰】と呼ばれている。


よし記憶に関しては支障はないな。


俺は以前とある事があり16歳以降の5年間。

その間の記憶を失っている。


改竄された日常を送っていて気付けば地球に俺以外の人間がいないという状況。


電脳生命体の王彦星によって、人類は仮想空間に閉じ込められたそうだ。


俺ら5人は元の日常を取り戻す為手を取りあった。


スミスじいさんが話しかけてくる。


「ぽちは前回の闘いでかなり疲労してるからしばらくメンテナンスしとくわ」


機械に繋がれている犬。

先程まで仮想空間で大きな戦いがあった。


挿絵(By みてみん)


(あかいろ)騎士団】と呼ばれる4000万人の構成員を持つ仮想空間組織。


その騎士団長であり親友であった【チャラ民】との戦い。

そこで合体して共に戦ったのが犬のぽちだ。


「まぁお疲れ様!

とりあえず皆ジュースとかどう?

淘汰には特性の栄養剤ね!」


不意にコップを渡された。

ノアだ、こちらにニコリと笑いかける。


見た目は人間に近い見た目。

しかし中身はAIでスミスが作ったアンドロイドらしい。


「ありがと」


俺は透明な水を受け取り飲む。

味はない。


どうやら俺は飯を受け付けない体らしい。

仮想空間でも豪華な飯を戻しそうになる位だった。


じいさんが指さして説明をした。


「それはわしが淘汰、那藤少年の為に開発した一日の栄養素を詰めた水じゃけ。

たが一度に何杯も摂取するのは健康にちと悪い。

出来るだけコップで区分けして飲むようにな」


「助かるよ」


「ダイエットにも効くの?」


じいさんとの会話に割り込む女、織姫。

彼女は彦星と同じ【電脳生命体GM】だ。


しかし人類を滅ぼした【彦星】と違い、彼女は人類とGMの共存を夢見ている。


成分表を見ながらじいさんが解説をした。


「あくどくはないがコップ1杯500kcalある。

お腹は満たされんし大量に飲めば太る」


「何それ!欠陥品じゃない!?」


「なんじゃと!?

拒食症に困る者を減らせる大発明かもじゃぞ!

今は試す人類が淘汰しか残っとらんが」


体を持たない電脳生命体やAIの為の体を作ったり、自らを兵器に改造したり、こんな発明したり随所で凄いことしてるよ。

このじいさん。


髭をさすりながらスミスは全員を見回した。


「さて、茶番は置こう。

仮想空間から皆欠けることなく戻れた。

しかも仮想空間最強に近い、猩騎士団団長も何とか振り切ることが出来た。

お陰で様々な統計データを入手できぞい。

さらに淘汰に備わっていた能力【亡者】の力の発見。

他にも得られたものは多い」


その言葉をノアが引き継いだ。


「実は淘汰より先に騎士団長チャラ民が目を覚ましたんだ。

これは機密情報をハッキングした内容だけど

騎士団の方針を協議するようになったらしい。

しばらくGMへの攻撃を保留するって

多分あの戦いで感化されるものがあったみたいなんだ」


戦いの中で団長の彼を退いたとはいえ、彼は恐ろしい執念を見せた。


最後まで立ち上がり覚悟を問いてきた。


現状を変える気はあるのか?と


そしてその覚悟を認めた圧政者は満足そうに倒れた。


しっかりと覚えている。

あれが良い方に向かったのかな。


スミスじいさんが腕を組んでとある人物の名前を出した。


「実はお前さんの旧友で騎士団幹部の【じゃも】

奴が掛け合ってくれてな」


挿絵(By みてみん)


「あいつも元々はGMを根絶させる考えじゃったが考えが変わって両者の平和を望んでいるそうじゃけ」


なるほど。

って


「あれ?

俺そんなに意識戻らなかったのか?」


「丸々3日ね。

老衰かって思うくらい穏やかだったわ」


いや死人扱いするなよ。


そこにじいさんが補足した。


「お前さんは生まれつき瞬間的な集中力がずば抜けてるのだろう。

その分極度に疲れやすい。

まぁあの戦いで一度もタイミングを外さずようやった」


騎士団長戦で食らえば致命傷。


一度も攻撃を受けてはいけない緊張の中、何とか生き延びた。

正直今思い出すと震えが走る。


じいさんは話を続けた。


「さて実は戦いが終わり敵陣にいるお前さん達を送還させてくれた男の正体が分かった。

【Mr.B】だ」


挿絵(By みてみん)


記憶が欠けた淘汰以外は面識はあるじゃろう。

これに関しては不明瞭な点がある。

しばらく彼とコンタクトを取って信用に値するか鑑みる予定じゃけ。

まぁその間淘汰、織姫は休めい。

一応遊び場にレトロゲームを用意した」


「ボクもやりたい!」


ノアが元気よく返事をした。

織姫も含め意外とワクワクした様子だ。

レトロゲームっていうとテレビゲームだろうか?


「ノア。

機体の防衛と操縦にリソースを割くことを忘れずにな。

わしは仮想空間で一服してくる。

機内でタバコ吸うと面倒じゃからの」


「おじじまたタバコ?」


「機械で出来とるから関係ないわい。

おじじじゃなくてスミスじゃけ戯けぃ」


織姫の毒に背を向けて立ち去る。


~仮想空間・マイルーム


酒が大量に置かれた床に大きめなテーブル。

奥に座る一人の男が見えた。


スミス「待たせたな。

罠かもしれんのによく来たもんじゃけ」


赤髪のアバターとなったスミスはテーブルに座り男に話しかける。


パンダの姿のアバターだ。


挿絵(By みてみん)


那老「正体は互いに分かってるだろ。

アバターを外せ」


表示された名前は那老(なろう)という見慣れぬものだった。

しかし粋な名前を付けたな。


名前のロジックは一瞬で分かった。


スミス「わしの姿は分かっとるのに外せと言うならお前さんは顔を見せたいのか?」


現実世界と変わらぬ容姿を見せると相手側もアバターを解いた。


成程やはり奴か。


スミス「随分老けた顔じゃの。

時間軸で見たらここまでやってくるのに余程苦戦したと思われる」


那老「母譲りの頭を持つお前には適わん。

残されたあの難解な機械を解読するのにどれだけ時間がかかったか。

お前こそ時間軸を好き放題飛びやがって。

しかし随分とまぁたるんだものだ。

酒にタバコ、俺は両方嫌いだ」


スミス「好きな奴がやる娯楽じゃ、押し付けるな馬鹿たれぃ」


胸ポケットからタバコを取り出し煽るように吸う。

ってかそれが目的であった。


那老「ゆっくり杯など交わす気はない。

だがあまり出過ぎた真似はするな。

俺はこの世界線は納得できない」


テーブルの上に肘を置く男性。

長く伸びた黒髪に細い銀縁の眼鏡。

眉間にシワが寄るのが見える。


スミス「戯け頑固おやじ。

お前さんがわしの為に世界を軽視するならわしは世界の為にこの身を軽視するわい」


その言葉が男の逆鱗に触れた。


挿絵(By みてみん)


テーブルに肘が叩き落とされヒビがスミスの手元まで届く。


那老「ふざけるな親不孝者…!」


スミス「やるか?」


腕を組むスミス。

それを見た男は立ち上がると睨みつけた。


那老「全面戦争だ。

彦星等もろもろの厄介が片付いたらな。

この世界線の俺の期待出来ん判断を待つ。

お前が生まれん世界など認めん!」


彼は壁に蹴りを入れ粉々に砕くと恐ろしい速さで外へと姿を消した。


スミス「乱暴クソおやじめ」


残された爺さんは2つ目のタバコに火をつけた。

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