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【挿絵400枚】2055~ステータス0の亡者  作者: 烈火
第2章 圧政者 チャラ民
15/83

☆メインストーリー2-2「1つ目の試練」※挿絵有

~仮想空間・天空城への架け橋


視界に光が差し込み思わず目をこする。

先程まで洞窟のように暗かったのに。


この仮想空間という場所は随分と忙しい。


やっと目が見えるようになると悪態をつこうとした俺の口が手のひらを返した。


挿絵(By みてみん)


淘汰「わわ、すげえなここ」


空が上下に広がっている。


そして目の前に一本の道。

いや橋と言っていいのか幅2Mの直線の道があった。


奥には巨大なお城が見える。

よくある天空城という奴だろうか?


5分前にいた光景とあまりにギャップが酷く信じられない。


しかし絶海の塔から逃げてきた証拠はある。

足元にある円盤状の床がそれを示していた。


まさかとそうするとここは最上階という事か。

雷鳴が鳴り響く絶海の塔。

登った先には天空の世界がお出迎え。


織姫「何、独り言を言ってるのよ?」


どうやら心の中で呟いていた言葉。

それが漏れていたようで顔が熱くなった。


深呼吸をし気持ちを落ち着かせる。


織姫「とりあえず進みましょ。

割とあそこまで行くのに時間がかかりそう。

あんたもドタバタ続きで分からない事ばかり。

回線が戻るかは分からない。

不安でしょうから道中話し相手になってあげてもいいわよ」


すごく偉そうな口ぶりだ。

だが確かに"自分が記憶を失っている"と気づいてから1日経っていない。

頭を整理したい。



歩き始めて織姫の開口一番がこれだ。


織姫「無能よね?」


淘汰「え?」


俺は急に来た切り口に変な声を出した。


織姫「私達よ。

5年間仮想空間の為の準備をしてこの様でしょ?

その徒労を見ていないとはいえあんたも呆れない?」


遠隔サポートをしていたじいさんとAIも含まれるだろう。

今は高度にいるせいか通信が遮断されている。


しかもそんな状態で未知の敵ばかり……。

だがそれに対し文句を言うのは違うと思う。


淘汰「まあ仕方ないんじゃないか?

どんなに万全に準備をしたって、電脳生命体。

GMだっけか?あんた達でも間違えるんだろうし」


織姫「ん?」


織姫は俺の方を振り返った。

変なことを聞いたような顔だ。


今の時点で少し感じたことがあった。


淘汰「電脳王、彦星だよ。

あいつ俺に恨みがあるのか知らんけどさ。

俺ごとユーラシア大陸を消そうとしたろ?

でも感情に任せ過ぎじゃないか?

俺が眠っている間いろんな方法で殺せたはずだ。

AIにしては、あまりにも非合理的だ」


織姫「電脳生命体GMはAIとは違うのよ。

独自の進化を遂げ人間に近づこうとしたAIなの。

恨みを持てば感情的にもなる。

あなたを執拗に苦しめる為000(ゼロ)に精神的拷問を命令。

復活した途端に絶望を与えるために最大限の力を使った。

電脳王彦星あいつもほぼ死にかけらしいの。

だからあんたへ復讐の為全ての力を使ったら電脳生命体の王を次に譲るらしいわ」


淘汰「よっぽど恨まれているんだな」


織姫「まぁあんたって好みが分かれる性格してたし。

待って、この先を通せんぼするやつがいる」


俺らは立ち止まった。

やけにぽちが吠えているのにも気付いた。


話に気を取られていた。

いつの間にかそこまで至る道に3匹パンダがいたのだ。


またか。

と思ったが今回はいつもと違う。


挿絵(By みてみん)


銅色、銀色、金色となった全身パンダの奴らが待っていた。

すぐ近くを銅色のパンダが立ちふさがっている。


なんかダンス踊ってるんだけどこのパンダ。

だんだん近付く銅色のパンダを半目で見つめた。


幅2Mの空間で戦うのはリスクが大きい。

だとしたらこいつを落っことす方が早いか?


だが何も言わずにぽちが突っ込んでいった!


織姫「ぽち!

まったくもう。

言うこと聞かないわね。

一応相手のステータスも同じ要領で見えるわ。

敵のステータスを表示って心の中で言ってみて」


やっぱゲームに近い感覚なのな。


織姫の指示通り心の中で呟いてみた。


挿絵(By みてみん)


エルダーパンダ(銅)

Lv999

HP:999,999/999,999

MP:1/1

ATK:1 DEF:999,999

INT:1 DEX:1 LUCK:1 SPD:1 OVERALL:1

特殊ステータス MENTAL:1


は?


淘汰「待て待て待て。

これ詰んでるんじゃね?

俺よりもこいつのがステータスバグってんじゃねえか!

おい、戻れぽち!」


奥で奮闘するぽち。

ダメージを10ほどしか与えられない。

いや、あの防御力に対してそのダメージはすごいけどさ。


しかし特殊ステータスのMENTAL1ってなんだよ?

硬いわりに心弱えなおい。


織姫「HPが異様に高い。

固定ダメージ対策までされてるわね。

ほらよくいるやたら硬いやつじゃない?

HPが1桁のやつ。

経験値ざっくざくのすぐ逃げるやつよ、ええとメタル……?」


淘汰「は?メタル?

大昔のゲームの話か?

知らんけどさどうやって倒すんだよこれ!」


織姫「まさかジェネハラ?

ジェネレーションギャップを口実に嫌がらせのつもり?

それは置いて、あんたちゃんと相手のステータス見てないでしょ?」


淘汰「いや見たけどさ。

メンタルとかってRPGにそんなステータスねえだろ」


ぽちは勇敢にガシガシ引っ掻いて攻撃するが、HP100万近くある相手にこちらのメンタルの方が心が折れそうだ。

しかも余裕なのか相変わらずまだ踊ってやがる。

どうしようもねえなこれ。


悩んでいると織姫が無言で敵に向かい歩き出した。


何か策でもあるのか?


織姫の歩みが止まり、銅パンダの目の前に立つ。

そして一言。


織姫「きっも、何そのダンス?」


パンダの動きがぴたりと止んだ。


言葉が染み始めたのか震え始める。

そして口を開いて大声を出した。


銅パンダ「ぴえん!!ぴえーーーん!」


高い子供のような声を出しながら逃げ去っていく。


織姫「ステータスが異常に高い奴は必ず何か抜け道があるわ。

本当に強い奴は総合戦闘値OVERALLの値で決まるの。

逆に全ステータスが低くてもOVERALLが高ければ他で埋めるだけの戦闘能力がある。

2050年彦星と戦った過去の淘汰。

ステータスALL1だったから対策に追加されたらしいわ」


淘汰「じゃあさっきのパンダ、OVERALL1だったのは」


織姫「それだけ弱いってことよ。

あんな敵初めてだけど、脆弱性を打てば倒せると思った」


挿絵(By みてみん)


こいつ抜けているような印象を持っていたが結構ちゃんと考えているようだ。


あんな短い言葉であの最強パンダを追い払うとはなあ。


この仮想空間は一筋縄にはいかないようだ。

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