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【挿絵400枚】2055~ステータス0の亡者  作者: 烈火
第2章 圧政者 チャラ民
14/83

☆メインストーリー 2-1 「Lv0」※挿絵有

~仮想空間・絶海の塔


強い船酔いの感覚で目を覚ます。

しかし数秒程で多少ましになってきた。


周囲は暗がりだった。


淘汰「う、うう。

仮想空間酔いした」


すると不思議な事に視界に文字が光った。

自分の名前と発した言葉だ。


状況が掴めない。

立ち上がろうと必死に手探り。

丁度いい位置に岩の様なものがあった。

重心をそれに掛ける。


挿絵(By みてみん)


織姫「何すんのよ!」


腹に強烈な一撃が入った、ように感じた。


淘汰「わっ!」


0という赤い数字が光り出す。

その光にもビビってしまった。


悲鳴に反応したのか、ノイズ混じりの声が届いた。

主はじいさんとサポートAI。

現実世界でモニタリングしているメンツ。


スミス『その声は那藤少年!

どうした、敵か!?』


織姫「女の敵であるのは確かね。

髪を鷲掴みにするなんてバカじゃないの?

でもおかしいわね。

戦闘地帯なのにダメージが入らないわ」


辛辣に言われたがまぁ確かに仕方ない。


目が慣れてきて状況が分かってきた。

どうやら先程触れた物体は織姫の頭だったらしい。


反射的に攻撃を受けたが痛みはない。

触れた感覚や音はあったのに。


ぽちもそれに反応しているのか、さっきから吠えまくっている。


ホログラムにサポーター組。

現実世界に残ったスミスとノアが映る。

両者共にその奇妙な現象に固まっている。


やはり奇妙と感じているのは、皆も同じようだ。


ノア『あれおかしい。

事前に調べた情報と合致しないよ?

織姫の言う通り当たれば、ダメージ1は最低でも入るのに』


スミス『流石にダメージ表記0というのは異常じゃけ。

各々ステータスの確認をしてくれ。

何か状態異常にかかっているかもしれぬ』


織姫「分かったわ」


状況が掴めぬまま話が勝手に進んでいく。

視界に表示された会話文。

そして織姫やぽちの上に表記されたLv1の表記。


織姫「私のLvは1

状態異常なし、体力値100%、魔力値100%

戦闘数値5、年齢20」


スミス『年齢以外は通常じゃの』


織姫「耄碌じじい」


スミス『なんじゃと!戯けぃ!

ぽちもLv1、状態異常等異常なし。

戦闘数値は1000か。

推定してた戦闘数値より低いが妥当か』


通信越しで喧嘩するなんて余程仲良いな。

戦闘数値とかいうのは、アニメで見たような既視感を抱く。

まぁ何も事前情報は無い。

だがぽちはなんだか頼もしそうだ。


研究所を襲ってきた強敵のパンダに対してもかなり善戦してたもんな。


Lvかぁ。

なんかこれってRPGみたいだな!


俺は何にも役に立ててない。

けど努力すりゃ活躍できるかもしれない!


ノア『淘汰、聞いてる?

頭の中でLv表記をするって言ってみて』


住研究所のサポートAIノアの声がする。


よし俺の番か、心の中で呟けばいいのか?


Lv表記をする。


すると視界から数字の羅列が現れた。

現実ではありえない現象にテンションが上がった。

しかし


挿絵(By みてみん)


織姫「Lv0、状態異常00、体力値0、魔力値0、戦闘数値0、コミュ力0」


ノア『何でもかんでもネタ挟まないの!

でも明らかにバグってるよね?

次のレベルに必要な経験値すら0。

いや、見間違いを信じたいんだけど』


確かにその異常値を見た瞬間、体が一気に冷えた。

例えるならばネットでブラクラを食らったような。


そういえばこの体。

仮想空間における現アバター。


それは俺から記憶を奪った000(ゼロ)という女から譲り受けた物だ。

確か復帰する代わりに多少の制限がかかると言っていた。


待て。

体力値、HPらしき値。

それが0とか既に死んでるじゃねえか。


その時だ。

背中に何か触れる感覚がした。


織姫「何惚けてるのよ」


淘汰「あー、わり。

んでえーと俺のステータスだっけ?」


織姫「いや敵」


織姫は咄嗟に横に跳ねた。

不思議な現象が発生する。


後頭部からすり抜ける感覚と共に、顔から何かが飛んでいく。


地面に刺さったものは笹だ!

頭を貫通したのか!些細な事じゃねぇぞ!


こんな状況で駄洒落でふざけてる場合じゃないか。


やはり痛み等は特にない。

何が起きてるんだ。


振り向くと今度はぽちが吹っ飛んできた!


ぶつかると思った。


だが体をすり抜け視界から消える。

現実世界ではありえない現象ばかりだ。

頭が痛い。


しかしそれだけで済む程この世界は甘くないようだ。


俺は視線を上げると悲鳴をあげた。

そこには変なポーズを取る奴ら。


パンダ頭の人間が沢山いたのだ!


急に手を引く感覚がする。


挿絵(By みてみん)


織姫「あれ?掴めた。

さっきからすり抜けまくってるのに。

まぁいいわ、とりあえず逃げる!」


俺達はぽちを先頭に流れのまま走った。

後ろから追う音はするが足は遅いようだ。


目の前にある出口を抜ける。

するとなんと崖が待ち構えていた!


アニメ並みの踏み止まりをする。

一呼吸の間に波の音が響く。

真下は海か?


別方向を織姫は指さした。

外階段だ。


目の前の織姫とぽちが走り出す。


どうやら引かれた手は抜けていた。

ドドドと地鳴りが近付いてくる。

あのパンダ人間の群れであろう。


はぐれないように織姫達を追いかける。


階段を駆け上がるうちに、視界に表記されていた文字に気が付く。

ここは絶海の塔という場所らしい。


雷が光り、唯一の救いは雨が無いこと。


そんな最悪なコンディションの中、岩の螺旋階段を駆け上がる。


本当に俺らは仮想空間にいるのか?

あまりにリアルだが非現実的な物理法則。

しかも状況が状況で逆に信じたくない。


息切れをしながら、見た目の割に体力がある2人を追う。


グルグル登るうちに目が回ってきた。


視線が落ち始めた時だ。


淘汰「わわっ!」


急カーブが見えた。

本当にここは危険だ!


1,2歩ズレていたら落ちていた。

下が暗くて見えない。


カーブの先は塔の内部に繋がっているようだ。


飛び込むように侵入する。


今の状態を確認するのに見回そうとすると


ゴゴゴゴ!


という振動と共に地面が揺れる!


織姫「どうやらエレベーター的な奴ね。

奥に操作パネルみたいな機械があるわよ!」


俺らは浮いた床、その上に立っているようだ。

他の地面から切り離され50cm程浮いている。


織姫は返事を待たずにキーボードらしい物を叩きまくる。


今更というタイミングで現実世界組の声がする。


スミス『き……えているか?

通信が……』


ぷつんという音がした。


ヤバい、と思ったタイミングで更に不運。


意外とあのパンダ達が足が早かったのだ!

わらわらパンダ人間が入ってきた!


奴らをよく見ると笹を持って投げようとしてやがる!


万事休すだ。


その時急に視界が暗くなった。


目の前に何かが見える。

それは1つの首輪だった。


そして真っ赤な文字が現れた。


GGM『あの時の思いはどこ?』


視界が切り替わり、目の前に誰かが倒れていた。


挿絵(By みてみん)


焼けた建物の炎と血で髪が赤く染まる少女。

それは000(ゼロ)と面影があった。


手元にあるのは首輪。

その目の前で鳴く犬。


遠吠えが聞こえる。

返事のない嘆きが何度も響く。


光る首輪を無意識に掴む。

不思議な現象が起きた。


犬の声がまるで人間のような声に変わっていく。


ぽち「おいヒョロガキ!」


俺はその声にハッとした。

意識が戻り、目の前には笹を構えた無数のパンダ人間。


ぽち「我は主人に命令されないと1%の力しか出せん!

何でもいい!

はよ命令しやがれや!ヒョロガキァ!!」


淘汰「お、おう!

えーと!火炎放射!」


突然の出来事に驚き、素っ頓狂な命令をしてしまった。


織姫「何馬鹿なことを言って……あ」


すぐに反応した織姫の声が止まった。

なんとぽちは本当に火炎を口から吐き出した!


挿絵(By みてみん)


パンダ人間達に1,000を超えるダメージ表記が出る。

それでも奴らは生きてるようだ。


しかしぽちも粘り強く炎を吐き、足止めをする。


その時間が功を奏したのか。

地面の床が輝き始めた。


織姫が起動に成功したのか。


織姫「えーと。

100mを恐ろしい速さで駆け上がるらしいの。

何が言いたいかというと……」


絶叫マシン並の速さで足元が動き出した!

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