表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/74

第21話 いざダンジョンへ

ピチョン…


ピチョン…


 一辺の明かりも無い空間に、水滴の音が静かに響く。


ズズズズッ…


ズズズズッ…


 水滴の音に混じり、何かが引きずられるような音がする。

 暫くして、その音がピタリと止んだ。



グオオオォォォン!!!!!



 暗闇の空間を引き裂くような音が辺りに木霊する。

 その振動は暗闇の奥の奥まで響き、生物という生物を震え上がらせる。


ズズズズッ…


ズズズズッ…


 その音は更なる暗闇の奥へと消えていった。







※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※










 現在、俺たちは馬車に揺られてダンジョンを目指している。

 王都で宿を取るのは後回しにしておいた。別荘があるしね。


「まだつかないの?」


 ミウがミサキに聞く。


「……もう少し。ほら、見えてきた」


 ミサキが指差す方向のかなり先に、いかにもダンジョンの入り口らしきものがポッカリと空いていた。

 その入り口付近には、掘っ立て小屋のようなものが見える。

 ひょっとして入場料でも取られるのだろうか?


「……すでに位置が知られているダンジョンに入るには、ギルドの許可が必要」


 なるほど、入場を管理する人間がいる訳ね。

 危険もあるだろうから、それも当然か。


「ユニ助、少し横道に逸れてくれ」


 俺はユニ助に指示を出す。

 指示通りに馬車が横道に逸れていく。

 周りに人がいないことを確認し、馬車を止める。


「ゲート!」


 俺たちは馬車とともに別荘へと向かった。





 馬車を別荘に預け、再びダンジョン入り口近くに降り立つ。

 俺たちはそのまま掘っ立て小屋へと向かった。


「許可証はありますか?」


 年配のダンジョン管理人が、ダンジョンに入る為の許可証を要求してくる。

 俺はギルドの依頼証明を見せる。


「はい、確認致しました。ビースト討伐ですね。ダンジョンの2・3階層で事足りますので、あまり深く潜らないで下さいね」


 許可が出たようなので、早速ダンジョンへと向かう。


「このダンジョンって何階層まであるんだ?」


 俺の素朴な疑問にミサキが答える。


「……分かっていない。人がたどり着いたのは32階層まで」


 ダンジョンの中では魔物は自然発生し、冒険者の中にはその素材専門で生計を立てている人もいるとのこと。

 発見されたダンジョンには、自然とその人たちが集まり、約2・3年で踏破される。

 だが、中には未だに最奥までたどり着けていないダンジョンもあるわけで、それらのダンジョンは難関として人々に知られている。

 その内の一つがこのガザの洞窟である。

 ただし、難関というのは、あくまでダンジョン踏破を狙った場合であり、低い階層には、どのダンジョンもそれなりの魔物しかいない。

 これが、低ランクでもダンジョンに入れる理由である。

 しかし、低ランクが入れる階層を制限されている訳ではない。そこは自己責任である。

 もっとも俺はそんな無茶をするつもりはないが…。


「カナタ、入るよ〜」


 ミウが俺に早く来いと催促する。

 見ると、ミサキもすでに入ろうとしている所だ。

 俺は小走りに2人に追いついた。


「……ライト」


 ライトの呪文があたりを照らす。

 以前入ったゴブリンの洞窟よりも、通路が格段に広かった。

 これがダンジョンか。

 多少憧れのあったダンジョン攻略に胸の高鳴りを覚える。

 だが油断は禁物、俺は心の中で気合を入れなおす。


「よし、行こう」


 俺たちは中へと進んでいった。






 早速目の前に魔物が登場、ダークスライム2匹だ。

 こちらが身構えるよりも先に、いきなり襲いかかってきた。


「キュ〜!」


 複数の氷の塊がスライムを襲う。

 最近覚えたらしい、アイスシュートだ。

 見事2匹のスライムに命中、氷漬けにする。

 そこへすかさず俺が剣を叩きつける。

 スライムは、氷とともに粉々になった。



 ミウの呪文の威力が格段に上がっている。

 自然現象についての現代知識を教えているのが効いているみたいだ。

 ミウは頭が良く、何よりも知識に貪欲で、次々と知識を吸収している。

 あと数年もすれば、偉大なもふもふ魔法使いが出来上がるのではないだろうか?



 倒したスライムがいた場所に、何やら小瓶が落ちていた。



  スライムゼリー


    HP10%回復



 どういう仕組みかわからないが、ダンジョンの魔物はたまにアイテムを落とすとのこと。

 スライムゼリーか……。

 食えるのか? これ。


「……大丈夫。何事もチャレンジ」


 まあ効果は分かっているし、使えるものはありがたく貰っておこう。

 さて、先に進むか。                           「






 ……こうしてカナタたちは、洞窟の奥へと進んでいった。 カナタたちの冒険は、今始まったばかりだ。

  <完>


























 




 」


 ミサキさん、勝手に連載を打ち切らないで下さい。

 第一どこからそんなギャグを覚えてきたんだよ!


「……内緒」


「まだ続くよ〜♪」








すいません。まだ続きます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ