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TCGコレクターのイラストアドな異世界生活!?~異世界に飛ばされたけど、推しカードの見た目や性能で召喚されたので、特に問題はありません~  作者: 虎柄トラ
第1章 樹海ミスト編

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第24話 俺、異世界でお忍びで出かける

「アッシュこの弓も買うよ!」 


「あらあら!それが欲しいなんて変わった子ね、あなた。それはサービスでつけてあげるわ」


「マジか、ありがとうな!それじゃー、またあとで!」


「今日の夜10時までだからね」


 アッシュに別れの挨拶をいうと俺はエリンと共に店を出た。帰りの道中、冒険者御用達の道具屋で各種ポーションを買ったり、嗜好品を売っている店ではリリアーヌへのプレゼントなどを買っていった。


 宿屋の部屋から見た時計台がある広場で休憩しようと彼女から提案があり、俺はその広場にあるベンチに座ると彼女は屋台に向かっていった。


「はい、お疲れ様。アスティナ今日はありがとうね!」


「俺の方こそ、ありがとうな!すげぇ楽しかったよ、いろんな人にも会えたし」


 甘い香りがする飲み物を手渡された、それを覗くと気泡のようなものが見えた。俺はもしやと思いそれを飲んでみた。


「やっぱりこれ!炭酸じゃないか!これリンゴジュースで割ってるのか、すっげーうまいな!」


「でしょ?どうしてもこれは飲ませてあげたかったのよね」


「本当に今日はありがとうな!リリアーヌのプレゼントも用意できたことだし」


「リリアーヌちゃん、すごく喜んでくれると思うわ」 


「あー、そうなってくれることを願うよ」


 リリアーヌにも喜んで欲しいがもう1人同じように喜んで欲しい人がいるんだけどと危うく口に出しそうになった。ただ一番の問題はエリンに気づかれずにどうやってあの店に向かうかであった。


「はぁー、うまかった!って、もう18時か・・・そろそろ我が家に帰るか!」


「本当にあの宿屋大好きよね、あなた。まぁわたしもだけど」


「とはいっても、目の前なんだけどな!」


「そうね、それじゃー。帰りましょうか、わたしたちの家に」


 俺らは宿屋に帰るとカテリーヌさんからそれぞれの鍵を渡してもらい部屋に戻った。戻ったのだが、案の定彼女は普通に俺の部屋に入ってきた。


 預かっているというかほぼ俺の荷物をストレージから出すと彼女はそこから寝間着などを選ぶとタンスに仕舞っていった。これはまた1人で風呂に入らせないようにするためのあれだなと思ったが俺はなにも言わず、ただその仕舞われていく様子を見ていた。


「よし、これでいいわ。それじゃー、ご飯食べにいきましょうか?」


「あー、俺このあとストレージの中を整理するから、だから先にエリンだけでご飯食べておいてくれ」


「それぐらいなら、わたし待ってるから別にいいわよ?」


「・・・・本当に時間がかかりそうだから、先に食べておいてくれ。遅くなったらリリアーヌも心配するだろ?」


「どうせならプレゼントを持って一緒に降りて行った方がいいんじゃないの?」


 なにも言い返せないなこれはと思っていたとき俺はある魔法を思い出し、ショップを開き購入した。この2種類の魔法があればアッシュの店にいって帰ってくる時間ぐらいかせげるのでは思ったからである。


 その2種類とはハイドとデコイであり、ハイドとは他者から視認されにくくなる、ただ走ったりすると効果が切れるらしく、徒歩なのが難点ではある。


 次にデコイ、これは自分の分身を作ることができるようだ。簡単な行動も指示できるようなので、画面を操作している感じにすれば多少誤魔化せるのではないか。


 ただこのためだけに金貨60枚は高いのか安いのかもう俺には分からない。普通に考えたら高いはずだがこの状況から脱することが出来るのであれば安いのではないだろうか。自分のミッションを確認した俺は早速行動に出ることにした。


「それならエリン、リリアーヌにご飯少し遅れるって伝えてきてくれないか?」


「そうね、わかったわ・・・。ちょっと行ってくるわね」


「おー、任せたぞ!」


 俺は耳をすまして彼女が階段を降りていくのを確認した瞬間にストレージからカードを取り出すとすぐに発動した。


「デコイ、ハイド・・・。えーっと、これ指示って説明するのむずくね・・・。あー、俺の動作を真似しろ!」


 そういうと俺がストレージでやっていた動作を真似するかのように動き出した。ただ何度か同じ場所を壊れた玩具のように連打していることがあったがまぁそれは仕方がないと諦めることにした。それにしても分身とはいえアスティナが目の前にいることにちょっとドキドキした。


「あとはこのハイドがちゃんと発動しているかどうかだな。これだって鏡に普通に映ってるし・・・だけど、もう引き返すことは出来ない!一発勝負だがやるしかない!!」


 俺は覚悟を決めると自分の部屋のドアを静かに開けて外に出た。

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