第23話 俺、異世界で商品を予約する
「イクストリアありがとうね。また来るわ~!」
「ありがとうございました。イクストリアさん!!」
「はいよ、次来る時は、酒の1つぐらい持ってきなよ」
俺たちはイクストリアに礼をいうと彼女の本屋をあとにした。彼女は今度来る時は酒を持ってこいといっていたがエリンと昔からの知り合いといっていた時点でなんとなく分かってはいたが、かなりのご年配なんだろうかと思ったが口に出すのはやめておいた。
「それにしても、あなたのお陰で荷物を気にしないで買い物できるようになったから、助かるわ!」
「せっかくの能力なんだから、使わないと損だしな。それにこれなら盗まれる心配もないし」
「それに靴もそっちに履き替えたのね。戦闘用だけどそっちでいいの?」
「戦闘用だからこそ、履きなれておかないとな!それにあの靴は履くのが勿体なくてな・・・」
「ふぅ~ん、それだけ喜んでくれているのならわたしもリリアーヌも嬉しいけど、たまには履いてよね?」
会話をしながら町を歩いていると次に行く予定だった武具屋に到着した。剣とか斧とか槍、それに盾、鎧他にもいろいろあるんだろうと考えるだけで入店したくてウズウズしてしまった。
そしていざファンタジーの定番のお店に突撃すると・・・そこには男の夢があった。
「おおー!ザ・ファンタジー!!」
「はいはい、またアスティナの例のやつがはじまったわね」
「店員さ~ん!これとかあれとか試してみてもいいの?」
「あらん?可愛いお客さんね、好きなだけどうぞ!」
武器防具に無我夢中だったため気づかなかったがここの店員さんはしゃべり方はお姉さんはだが外見はマッチョなお兄さんだった・・・。
「おっ・・・、ありがとう!おにぃ・・・おねぇさん?」
「あら・・あらあらあら!わたしアッシュっていうのよ!よろしくね可愛いお客さん♪」
「よろしくな~!俺はアスティナっていうんだ!」
またキャラが濃い人と知り合いになった俺は軽く挨拶をすると目的の武器、防具を手にとって装備したりなど堪能しまくった。ただどれもアスティナには相性が悪いようで剣を振ってみたり、弓を引いてみたりとしてみたがろくにちゃんと扱えなかった。
防具に関しても装備できるものが少ないというかほぼ無く、盾を装備すると重さで腕が上がらず、鎧を着ようものなら一歩も動けなかった。
「これはひどいな・・・、エリンそっちはなにかあったか?」
「・・・・・・・・・・・・・・綺麗」
「なぁアッシュあの胸当て、あれだけケースに入ってるけどなんで?」
「あれはね!ミスリルの胸当てといって、希少なミスリル鉱で制作させている胸当てなのよ。あの胸当て・・・金貨300枚よ」
「・・・・・・・・・・・・・・・マジか・・・・・・」
「えぇ、マジよ!それにあれは1点モノで他にはないしね」
このとき彼女にあげるプレゼントが確定した。俺は彼女に聞こえないようにアッシュに予約しておいてくれと頼んだ。本当に買うのかと聞かれたがあとで買いに来るからと再度お願いをすると、彼はミスリルの胸当てが入っているケースに予約済みの札を置いてくれた。
「ありがとうな!アッシュ」
「いいのよ!ただし、予約期間は今日の夜10時だからね?」
「分かってるって!それとちょっと気になってたんだが、あの奥にあるタルに入ってる商品は?」
「あれはね!投げ売り品といって、売れない商品をあんな感じで安く売りだしてるのよ」
「期間中に売れなかったら商人ギルドが買い取ってくれるんじゃなかったっけ?」
「アスティナよく知ってるわね。でもあれは商人ギルドを通さずに冒険者から買い取った品だから、それも出来ないのよね・・・」
冒険者から買い取った品というのを聞いた途端、俺は投げ売り品に直行した。大体こういうところには高レアリティが放置されているのが相場だといろんなゲームやアニメの知識で知っていた。ただそんなことが実際にあるのかは半信半疑ではあった。
俺は投げ売り品にある商品を手あたり次第に手に持ってはタルに戻す動作を繰り返しているとある弓がヒットした。木で出来たその弓は見た目もボロボロで弓弦もゆるんでいるし、どこからどう見ても使いものにならなさそうなモノであった。
ただその弓の鑑定結果は聖弓ユグドラシルテキストには、世界樹を用いて作られた弓。管理者のみが使うことが出来る。そして最後にレアリティだが俺の真っ赤なドレスと同じ神級だった。
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