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TCGコレクターのイラストアドな異世界生活!?~異世界に飛ばされたけど、推しカードの見た目や性能で召喚されたので、特に問題はありません~  作者: 虎柄トラ
第2章 アルトグラム王国編

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第122話 俺、異世界で有翼人のお守りをもらう

 その後、縄でガッチリ両手足を固定されたランクロットを土嚢を運ぶかのように肩に乗せギルド方面に運ぶおっさんの後ろ姿を遠目から見ていた。


 鑑定不可であったこと、それに逮捕者をスムーズに運ぶその挙動がもうすでにこの町にいるS級冒険者と同ランクまたはそれ以上の人物なのだろう。


 おっさんを鑑定することは結局できず・・・名前も分からずじまいであった、名前を聞かなかった俺も悪いのだが傍から見てもレイランとの仲がとても良さそうに思えたので、あとで彼女に聞けばいいかと思ったのがマズかった。


 なぜなら、あの後レイランに彼の名前を聞いてみると彼女は「・・・・・・あの人の名前・・・名前?・・・・・・」とボソボソ呟きながら、眼球を右上、左上に動かし記憶を掘り起こそうとしていた。


 だが、結局思い出すこともなくというか最初から聞いてすらいないのではと思えるほどにおっさんに無関心だった。  


 おっさんのことは王都から帰ってきたときにでも直接本人に聞けば良いか、どうせこの北門を通ることになるんだしな。


 レイランは犯罪者を捕まえたことにより、自分の仕事が完了したのかさっきまでの様相ががらりと変化しまた眠たそうにしている。


 俺は通常に戻った姉弟子のレイランにセルーンからどんな訓練を受けたのか質問をした。


「そういや、さっきエリンから聞いたんだけどさ、レイランもセルーンからあの実践訓練やったのか?・・・それも3年間・・・」


「・・・う~ん・・・3年間・・・・・・やった・・・移動を覚えた・・・アスティナもやった?」


「俺は言っても2週間しかやってないけどな、それも一日3時間ほどだから、レイランと比べるとまだまだヒヨッコだけどな」


「・・・・・・そぉ・・・でも、セルーンの訓練をやっただけでエライ・・・レイランはそう思う・・・よしよし」


 俺の話を聞いたレイランはセルーンの実践訓練を受けたこと自体を頭を撫でながら褒めてくれた。


 それから話は切り替わり、俺たちが王都に出向くため北門に来たことをレイランに説明をした。


 話を聞いたレイランは頭を左右に振りながら、また眼球を左右に動かしては何かを思い出そうとしている様子。


 そして揺れている彼女の頭がピタッと止まると、不意に自分の背後に生えている羽根を一枚掴むと・・・それを一気に引っこ抜いた。


 彼女の行動に驚き戸惑っていると彼女はその引きちぎった純白の羽根を右手に持つと、俺に手を前に出すように言ってきた。


 俺は彼女に言われるがまま両手で受け皿を作るとレイランはそこに自分がちぎった羽根を置くと俺にこう言った。


「・・・これ、あげる・・・おまじない・・・・・・アスティナの旅路・・・お祈りする・・・」


「ありがとうな・・・レイラン!」


「・・・うん・・・いってらっしゃい・・・・・・レイラン寝る・・・違う、う~ん・・・監視する!」


「レイラン・・・全然隠せてないぞ・・・まぁそれじゃちょっくら行ってくるよ!!」


「うん・・・あ~、それとシスティは悪くないよ・・・・・・赤いけど悪くない・・・いい子・・・」


 レイランはシスティのことも気づいていた・・・ただ水晶だけで判断はしていないように思えた。


 水晶だけで判断をしているのであれば、ランクロットのように捕まっていただろう・・・それに赤いけど悪くないという彼女の言葉を聞くと、俺の鑑定よりも人物を調べるのが得意な能力を持っているのだろう。


 彼女から有翼人特有のお守りを受け取った俺はそう言うと彼女と別れ、北門を通り抜け王都を目指し歩みを進める。


 エリンはレイランと何か会話をしているのかちょっと遅れてあとをついてきた。


 遅れて北門を通り抜けてきたエリンは小走りで俺たちに追いつくと、彼女が遅れてきた理由を俺が聞く前に自分から話し始めた。


「アスティナァ!ちょっと聞いてよぉ~、レイランったらわたしには羽根をくれないのよぉ・・・ひどくない?」


「・・・いや、エリンよ・・・つい20分ほど前に自分が言った台詞を思い出してみ?」


「・・・・・・えっと・・・なにを話したかしら・・・覚えてないわね」


「おいおいおいおいおい、仕方ないな・・・なにを話したか教えてやろうか、えっとだな・・・レイランの羽根を勝手にむしり取ったって言ってたぞ」


「あぁ・・・わたしそんなこと言ってたわ。なるほどね・・・それじゃ、あの子がくれるわけないわね」


 エリンは自分が言ったことをやっと思い出したのか、ミストに帰ってきたときにはレイランにそのことでまずは謝らないといけないと言っていた。


 彼女の懺悔はまた次回聞くことにしよう、それよりもまずはサクッと王都アルレインに行って用事を済ませてこないとな。

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