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第三者

寝て起きたら凄い見ていただけててびっくり……!

本当にありがたい事です

「っつー訳でまずは浅野が気を使った説なんだが……」


改めて話を切り出す。


まずは浅野が消しゴムをこっそり落としたという可能性を検証していこうと思うんだが……




「「うーん……」」


思わずハモってしまう。

俺はその状況に思わず笑いがこぼれそうになった。



しかし揃って唸るくらいには、あまり想像できない光景だ。


何故かと言うと…まぁその、あんま直接的な言い方はあれなんだが……


「尊ちゃん、いい子だけど多分そんなに頭回んないと思うんだよねー」


美鈴は苦笑いを浮かべながら淡々と言いやがった。



いや、もうちょいオブラートに包めよ。

俺も思わないでもなかったが口には出さなかった。

まぁ事実かもしれないが、忌憚の無い意見ってヤツかもしれないが。


人にあまり悪口は言わないようにしよう!



「まぁそうだな」

とは言いつつ話を進めるために同意する。


頭の程度とかはさておき、他にも不自然な点はあるのだ。



「ていうか、もしそこまで気が配れるんなら誠くんへの追及を止めればいいだけの話だしね」

「それな」


まさに今美鈴が言った通りである。

そもそも浅野が気を使ったというなら言い訳の道具を渡さずとも、適当な所で納得してればいいだけの話だ。

わざわざそんな遠回りなことをする意味がない。



ただ絶対ないとは言い切れるのか?

もしかしたら浅野の頭脳が勉強の甲斐もあってか覚醒して


(この状況は……そういうことか!だったらここは適当に納得しても不自然だ……

よし、ここはあたしが生島にこっそり消しゴムを与えて言い訳の道具として活用してもらおう!

あたしは適度に疑いつつ頃合いを見て質問攻めをやめればいい!)


的な名探偵ばりの思考をわずか数十秒で導き出したのかもしれない。



……いや、さすがにねーわ。

浅野の頭のレベルどうこうではない。

そんな未来予知レベルの作戦は常人なら思いつきもしないだろう。

無論俺も無理である。


それこそ美鈴ぐらいでなきゃ……




そんなことを思っていたら美鈴が俺の眼前まで迫っていることに気付く。


反射的に身を引く。

すると美鈴は頬を膨らませて自分も一歩下がる。

ちょっと考え事をしていた隙に何をしようとしてんだお前。

俺は一刻も早く妙な空気を変えるために話を進める。



「まぁとにかく、浅野は無関係だって考えていいんだよな?」


「いいと思うよ。一応次あった時には確認しておくけど」



そして最終的に三つあった選択肢は残り一つに絞られる。



②第三者が何らかの理由で俺を助けた。



思わず頭を抱えそうになる。これはこれで中々に飛躍した発想だ。

何故?という考察はともかく、そもそもどうしてここまでタイミングがいいのかが腑に落ちない。


偶然困っていそうな俺を助けた?いや、その方法が消しゴムと言うのも回りくどい話だ。

それこそ浅野と同じ話で手っ取り早く直接証言してくれればいいだけである。



正直、妄想と言われても否定は全くできない。

あれだけ否定した偶然説も、正直今のパターンと比べたら可能性としては前者の方が高いだろう。


ただ、今回はあくまで第三者が居たら?という前提で考察していこうと思う。

最悪のパターンを想定して筋道を立てておくのが現状の最適解だ。


早速だが、考えを進めると俺は身震いしそうになる。

こんなサポートをベストタイミングでこなせる事が偶然でないのが一番まずいのだ。


だってそうなると……



この消しゴムを渡した人間は俺の一部始終の動向を知っている可能性が高いことになる。

それにとどまらず、もしかしたら俺と美鈴の関係にも……


しかもそんな人間が恐らく同じファミレスの店内にまで居たんだ。


勿論それで助かったのも事実だし、ただの杞憂の可能性も大いにあるだろう。




しかし万が一そんなストーカーじみた人間がいるのなら放置するわけにもいくまい。


俺と美鈴は改めて状況を整理し、それが可能そうな人物の条件を考える。




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