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魔道皇子、精霊の愛し子になる  作者: サトム
三章 魔道王子、守るために戦う
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魔道皇子、冒険者ギルドに行く

・このお話はフィクションでファンタジーです。

 隠れ家のアラステアの部屋には、この家にかけられている魔道の陣が描かれていた。守りが固い場所に設置するのが一番だと効率を重視した本人が決めたのだが、ヴァージル曰く「透明のインクで普段は見えないとはいえ、魔道陣が天井から壁、床に描かれている部屋で落ち着くお前の神経がすげぇよ」とため息を吐いていたが。


 意識しなければ魔道陣は見えないし、結界を張っているから陣からの魔力は感じられないのだから壁紙の模様だと思ってしまえば気にならないのだ、と言い訳しながらジークを部屋へと入れた。


「自室の掃除は各自でやること。キッチンは好きに使っていいし、保冷庫の物も名前を書いたもの以外は自由に食べていいよ。食事は作れる人が作ったり、買ってくることも多いかな。一階の掃除は冒険者ギルドを引退した信用のおける人に週一でお願いしてるから、自分の物は自室の管理が基本だね。あとの細かいことはゆっくりすり合わせていこう」


 話をしながら一滴だけジークの血液をもらって防犯の魔道に魔力を馴染ませる。魔道陣を楽しそうに見ていた精霊たちの姿は、猫が空中に視線を巡らせる姿そのものでアラステアは機嫌よく笑った。


「一階の応接室までならジークの権限で入れることができるけど、プライベートエリアや二階は私の許可がないとはじかれるから気を付けてね。申し訳ないけどお付き合いする人ができても、なかなか許可はできないから、その時は別の家を借りてほしい」


 魔道陣を少し書き換えながらヴァージルと同じことを説明すると、手元をのぞき込んでいたジークが驚きで水色の目を見開いた。そして案外近くにあったジークの顔が、少し不機嫌そうに歪められる。


「俺はお前がいるからいい」


 短髪で男らしい精悍な顔で気負いなくさらりと告げられ、いい男っていうのはセリフまで格好いいのかと感動した。多少鼓動が早くなったのはご愛敬だと無視をしたが。


「はい、これで登録完了。一応レスタたちも登録する?」


 本当なら結界に阻まれるか、それでも無理やり侵入すれば警音がなるはずなのに、涼しい顔で入り込んできた精霊たちに聞くと「大丈夫だよ~」と軽い返事が返ってくる。


「それならレスタもロイもこの家を覚えておいてね。私のプライベートな家だから、好きに使っていいから。それとなにかトラブルがあったらここに隠れること。私がかならず助けに行くから」


 そう教えるとレスタが見上げてきた。


「うれしいな。千早は庇護する存在だったが、アラステアは私を助けてくれるのだな」

「もちろんだよ! 全力で守るからね!」


 にこにこしている獅子にジークの男前のセリフも吹き飛び、テンション高く抱き着いているアラステアを、ジークの肩の上に乗ったロイがやれやれと呆れたように見守っていた。


「それじゃあ、冒険者ギルドに行こうか。エーレクロン王国からの護衛代も入金していると思うから確認しよう。それから必要な家具と服を見にいこう」


 一通りレスタを()でてから何事もなかったように立ち上がると、これからの予定を立てて家を出る。レスタもロイも付き合ってくれるらしく、二人と二匹で歩きながら冒険者ギルドへと向かった。

 徒歩圏内に中規模の商店街と冒険者ギルドのある立地に、ジークと精霊たちは興味深そうにあたりを見回す。顔なじみの商人や食事処の女将などが、精霊に驚きつつも手をあげたり振ったりしたので、アラステアはにこやかに笑いながら片手をあげて答えていた。


「帝都内に冒険者ギルドは六つあって、今行くところは一番東端にあるんだ。だからこそギルドの活動も活発で、害獣退治の依頼が比較的多いね。私やヴァージルは収穫依頼を受けることはまれだから、あそこのギルド以外はあまり行ったことがないんだよ」

「収穫依頼?」


 ロイが不思議そうに聞いてきたので、アラステアは簡単に説明した。


「定期的に魔物の素材を集めてくる依頼だね。専門にしていれば、それだけで食べていける程度に稼げるよ。作業討伐と揶揄されることもあるけど、彼らが収穫してくれるから私たちは不足なく必要なものを手に入れることができるんだ」

「へ~」

「ちなみに私たちが受ける依頼は討伐依頼だよ。人の住む地域に近づきすぎた魔物や、一度でも人を襲ったことのある魔物を駆除することが多いかな。あとは魔物の巣窟の森での採取依頼とか、繁殖しすぎないように間引いたり、珍しい依頼だと希少種の観察とかもあったね」


 希少種の観察はその珍しさからかなり信用度の高い冒険者に依頼される。今まではアラステアをヴァージルという、ある意味公的に信用のおける者だと認定されているが、新しくジークが入ったのでその手の依頼は減るだろう。

 精霊たちは不用意に言いふらしたりはしないだろうが、自由なレスタたちにあまり制約はかけたくないというのが本音なのでちょうどよかった。


「ってことは、アラステアたちが狩る魔物は人を襲う危険な生き物ってことなんだね。これまではヴィー君と二人で討伐してたってこと?」


 雑談のつもりだったが、ロイはいろいろと考えていたらしい。まじめな質問が返ってきてアラステアはジークの肩の上にいる精霊を見た。


「そうだけど……ロイが嫌なら無理に付き合わなくていいからね」


 今まで冒険者家業を知らなかった精霊が嫌がるなら家で待っていてもかまわないと言うと、ネズミの精霊は片足を何度か踏み鳴らして憤慨した。


「違うよ! 逆だから。そんな危険な魔物と戦うなら、必ず僕かレスタがついて行くからね! ねぇ、レスタ」


 小さな精霊の言葉に。アラステアの隣を歩く金の獅子が機嫌よくしっぽを振る。


「ロイや私は契約者を大切にする精霊だからな。過保護なのはあきらめてほしい」


 レスタの青い目と視線が合うと、あたたかなまなざしに捕らわれるような錯覚を覚える。前世から変わらぬ慈愛に金色の目を溶かして笑ったアラステアの姿を、周囲にいた人々が魅了されたように見守っていた。




◇◇◇




 室内の喧騒を漏らさぬように重さのある扉を押し開ける。

 少しでも開けば、漏れ聞こえるのは人々の話声と金属が触れ合うような独特な騒音。なるほど、これだけうるさければ周囲の建物と隣接いていない理由もわかるというもの。

 どれだけ大きな商家でも一区画すべてを敷地とすることはできないのだが、冒険者ギルドは例外なのだ。建物の四方を通路に接している石造りの堅牢な建物と高い塀は、内部の物騒さを隠す役割をしっかりこなしていた。


「あ、アラステアさん! おかえりなさい!」


 内部に踏み込んですぐにカウンターにいたギルド職員が声を上げたので、その場にいた多くの冒険者や職員が入り口を見た。


「ああ、ただいま。元気そうでよかったよ。ゆっくり話したいけど、まずはギルド長に話をしないと。いる?」


 最初に声を上げた小柄な女性職員ではなく、真面目そうな眼鏡をかけた中堅どころの男性職員にこのギルドと統括する男の所在を確認する。その間、周囲の冒険者は一緒にいるジークやレスタを興味深そうに見ていたが、わざわざ声をかけてくる者はいなかった。


「アラステアさん、無事に帰国されてなによりです。ギルド長なら上にいますよ。応接室に行きますか?」


 一階の窓口を取り仕切っている男性だからか、ある程度事情に精通しているのだろう。貴族が依頼をするとか、極秘の指名依頼などに使われる応接室を勧められた。何度か入ったことはあるが、盗聴、透視、魔道禁止と情報漏洩に対してガチガチに守りが固められていてかなり引いた記憶がある。ここまで隠されるような重要な案件を冒険者ギルドで話すのか、とちょっぴり闇をのぞき込んだ気分になった。


「ん~、それほど重要案件じゃないからここでいいよ。なんなら伝言でもいいんだけど」


 精霊たちをパーティーに入れるために紹介するだけなのだが、帰国してから自分たちのさまざまな話が出回っているらしい。今のところ精霊に対する偏見や悪感情は見当たらないが、こういうことはさっさとこちらの事実を公表するに限る。


「私と契約した精霊を紹介しようと思って。今度から彼らも一緒に依頼を受けることになるけど、今のところは従魔登録しているから……」

「あ、ギルド長が今すぐ降りてくると……」

「アラステア! 戻ったか!」


 耳飾りについている連絡用の魔導から返事が来たらしく、アラステアの言葉を男性職員が遮った。さらに彼の言葉を遮るように足音荒く吹き抜けの二階から階段を駆け下りてきた厳つい男が名を呼ぶ。


「クレイグギルド長、ただいま戻りました」


 身長以外はすべてアラステアの二倍はある体躯の男が鋭いグレーの目でレスタとジークを見た後、アラステアを見下ろして顔の動きで二階を示す。


「ここじゃ詳しい話を聞けねぇ。上に行くぞ」

「なにも隠してないんだけど」

「それとは別件だ」


 それ、でレスタを見たので精霊の話ではないらしい。さっぱり心当たりがないと小さく首をかしげると、ごつい手が頭をわし掴みにした。


「お前、国に帰ってくる前になにをした?」


 語尾に「あぁん?」とつけてきそうな勢いに、そういえば魔王復活を阻止したんだっけとようやく思い出した。精霊の対処で忙しくて完全に忘れていた。


「一応ヴァージルの野郎が報告に来やがったが、詳しい話はお前から聞けと言って逃げやがるし、本部からは詳細な情報はまだかとうるさく言われるし、お前はさっぱり顔を出さないから困ってたんだよ」


 そういえばそんなこともあったなぁと遠い過去のように思い出していると、荒事専門の冒険者たちを統括する男が威圧をかけながら連行していく。たしかにあわや世界の大惨事となるところだった事件の報告を忘れていた己にも落ち度があると、おとなしくクレイグギルド長の後をついて行った。

 応接室ではなくギルド長の執務室に通されると、時間がもったいないとばかりにさっそく話を聞かれる。


「で? 魔王復活は本当だったのか」


 最初の質問がこれだということは、レストラーダ聖王国側の混乱はまだ続いているらしい。さすがのレラリアも一世代以上にわたる国の歪みを、そう簡単に正すことはできなかったようだ。そうだとすれば、正確な情報を持っている当事者に聞くのが一番早いだろう。


「魔王の復活というより封印されていた汚染された瘴気があふれ出たって感じだったよ。ただ中心地にいた連中は軒並み人の形を保てていなかったけどね」

「なぜ封印が解かれたのか知っているか?」

「直接見ていないので詳細は不明だよ。ただ教皇や枢機卿が多数、犠牲になったみたいだね」


 レラリアは彼らが封印を解いていたと言っていたが、アラステアが直接見たわけではない不確かな情報を渡すわけにはいかない。封印の中心地で出た犠牲者が教皇や枢機卿といった国政に係わっていた人間だと知れば、おのずと推察されるだろう。

 続けて質問しようとしたクレイグに落ち着くように言ってから、アラステアは最初にされた聖王国の依頼から順を追って話すと、すべてを聞き終えたギルド長はいくつか質問してきた。


「その再封印は大丈夫なのか?」


 ずいぶんふわっとした質問だが、彼の言いたいことは判るのでアラステアはレスタに視線を向ける。


「私とレラリアの封印をまとめたのがレスタだよ。本人に聞いてみれば?」


 そこまで言ってからレスタたちを紹介するのを忘れていたことに気が付いた。


「あ、彼が最愛のパートナーで私の精霊のレスタだよ。それと二級冒険者のジークと彼の精霊のロイ。ジークは元エーレクロン王国の騎士で、今はヴァージルの同僚ね。めちゃくちゃ強いし素敵な人だけど、冒険者ギルドにはあげないから」


 明かされた同行者たちの正体にグレイグの眉間のしわがさらに深く刻まれる。文句もありそうだが、今は事実確認が最優先だと黙ったままの厳つい男に、ゆらりとしっぽを揺らしたレスタがねぎらうように穏やかに声をかけた。


「初めまして。アラステアと契約している精霊レスタだ。レラリアとアラステアの結界を使って封印したのは私だよ。私が存在する限りは封印が解けることはないが、聖道、魔道、精霊でかけた本人以上の力を持った存在が魔道で設定した鍵を手に入れたら解くことができるな」

「うわっ、それって事実上永遠に解けないってことじゃん」


 テーブルの上でロイが腹を抱えて笑っていたが、その姿に本当に危機が去ったのだと理解したらしいギルド長が安堵して体の力を抜きながらロイに質問する。


「そこまで解けないものか?」


 何事もさまざまな角度から確認する姿勢は素晴らしいが、魔道の専門家であり年単位で付き合いのあるアラステアではなく、今日初めて会った精霊に聞くのはどういうことなのだろう。

 なんとなく釈然としない対応だと唇を尖らせるアラステアをレスタが慰めつつ、ロイがようやく笑いを収めてグレイグを見上げた。


「レラリアちゃん以上の聖道力があって、アラステア以上の複雑な魔道陣を描けて、レスタ以上に聖道陣にも魔道陣にも精通している精霊がいるなら解除は可能かもね」


 なんとなくその可能性がとんでもないことだとは判ったのだろう。メモ帳に何事かを綿密に書き記すと、改めて冒険者ギルド長という威厳を漂わせて顔を上げた。


(あわ)ただしくて申し訳ない。俺はこのギルドを統括しているグレイグだ。アラステアとはなにも知らないこいつがギルドに来た時からの付き合いだが、なぜかこいつ限定の窓口扱いされてるよ」


 一介の冒険者だが皇族に籍を置いているからギルド長が対応しているのだと思っていたが、まさか冒険者ギルドの専属窓口になっているのは知らなかった。元一級冒険者で社会的地位もある人物なのにいいのだろうか。


「二級冒険者のジークだ。アラステアと個人で契約している専属護衛でもある。元エーレクロン王国の青騎士団に所属していた」


 それまで黙って見守っていたジークがようやく口を開いた。低いが張りのある声は端的に必要事項だけを伝えたが、それ以上踏み込ませないような空気にアラステアは首を傾げる。


「僕はジークと契約している精霊ロイだよ。よろしくね、ギルドのおっちゃん」


 小さな手を挙げて挨拶をした小さなネズミは、黒い目を大男に向けてからレスタの頭の上に登った。


「で。精霊を連れてきたという連絡は回ってきているが、お前の連れている精霊とはあの(・・)精霊なのか?」

あの(・・)精霊とはどの(・・)精霊なのかな?」


 元一級冒険者である男は時折言葉が足りないのだ。にこにこと笑いながら問い返す魔道師の一級冒険者に、壮年の男は自分の持つ精霊の知識を指折りながら語った。


「まずは人語を話し、人とは異なる姿をしていて、魔道とは異なる力を行使する……俺が知っているのはこの程度だな。あとは最後に正式に精霊が確認されているのが三百年前だったか? 沈みかけた皇族の船から人々を助け出した精霊がいたとか」


 最後の情報はアラステアも知らなかったが、そういわれて思いつく精霊を知っているので正確な情報なのだろう。それと同時にグレイグの精霊の認識は、現在のシャムロック魔道帝国民の認識と同じだと判った。


「ほとんど当たっているけど、少し追加しようかな。精霊は彼らが気に入った人間と契約を結ぶことがあるよ。契約を結ぶと絆が生まれるけど、だからといって従魔のように従順に助けてくれる訳じゃないんだよね」

「それは帝国が認定したということでいいのか?」

「まだ皇太子殿下と協議中。今の話は帝国での認定ではなくて、精霊の生態としての話だね」

「なるほど」


 一番重要な話が終わったので運ばれてきたお茶を飲みながらグレイグがなにかを書いていたが、最後にペンを置いてから固かった雰囲気を解いた。


「まだいくつか確認しなきゃならないことがあるだろうが、当分国を出ることはないんだろう? それなら今日はもういい。精霊の件も本部と話し合いが必要だが、それもこの国の指針が決まらなきゃどうにもならんしな。当分は従魔扱いになるとは思うが、依頼に同行するのはかまわんぞ」

「それでよろしく。あと護衛の個人指名依頼はまだ断ってほしい。討伐依頼は危険級で手に負えないものがあれば呼び出しを」


 お茶を飲み干して立ち上がると、アラステアは少し申し訳なさそうに眉を下げてでかい男を見上げる。


「精霊に関しては、もうしばらく待ってほしい。エーレクロン王国の周辺国では事実無根の誹謗中傷が蔓延しているから気を付けて」


 大陸中にネットワークを持つ冒険者ギルドだからこそ、精霊のさまざまな噂を聞くことがあるだろう。実際彼らと知り合えば偏見だとすぐにわかるだろうが、この国にいる精霊の数が少なすぎて噂だけが独り歩きしないように釘をさすと、グレイグは片手を上げながら判っていると返事をした。


【世界の裏話・冒険者ギルド】


作者「今日は冒険者ギルドのお話です」

千早「異世界の代名詞だよね!」

作者「(テンション高いなw)宗教とは異なるどこの国にも所属しない組織です。それでも便利なので、各国はその存在を許しています」

千早「魔物を倒すだけなら騎士でもできるでしょ? 国が自分たちに都合よく動かない組織を許容していますね?」

作者「本当なら自国の騎士で対応したいんでしょうけど、人に害をなす魔物一匹のために国中に騎士を派遣することは非効率だし、なにより国の有事にまで魔物退治をやっている余裕がないということが冒険者ギルドを容認している理由だね」

千早「それなら純粋に人数を増やせばいいんじゃないの?」

作者「有事以外での人件費と、騎士に収穫依頼はこなせないという二つの理由から、冒険者ギルドは徐々に受け入れられていきました」

千早「なるほど」

作者「それと冒険者ギルド特有のネットワークは、最初にギルドを立ち上げた創立メンバーの一人『孤高の大魔導士』が組んだ術式で、ギルドの登録などもどのような仕組みで保存されているのかは、ギルド最大の機密となっています」

千早「現代なら高速インターネットって感じだもんね」

作者「ときどき個人情報が洩れるあたりも似てますね(苦笑)」

千早「それにしても凄い技術だね。『孤高の大魔術師』って人、もしかして転生者だったりして」

作者「その辺りは詳細は伝わっていませんが、まぁ、魔女曰く『孤高の大魔導士』はただのコミュ障だったって話だけど」

千早「……もしまた記憶を持って生まれ変わったら、その話を聞くたびに転げまわって恥ずかしくなる名前だね」

作者「……もしかして千早が『精霊王に愛されし愛し子』と呼ばれているのを気にしてる?」

千早「っ!! 今日はおしまい!」

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