「小説家になろう」の活動で最も面白い瞬間は、「謎の逆お気に入りユーザー」が増える事
今回は、ここまで意識が行く様になれば、もうあなたは十分に「小説家になろう」サイトを楽しんでいると断言出来る、「お気に入りユーザー」、「逆お気に入りユーザー」に関して考察したいと思います。
私達ユーザーが誰かをお気に入りユーザー様に登録すると、自分のホームページの最下段に「お気に入りユーザー一覧と設定変更」という項目が姿を現し、その上段にはお気に入りユーザー様の新作や連載更新、最新の活動報告等がアップされます。
これは便利ですよね!
そして自分の知らない所で、ユーザー様の誰かが自分をお気に入りユーザーに登録してくれると、ホームページ最下段にある「逆お気に入りユーザー一覧」の項目が現れます。
これは作者としての自分のファンとも言える存在ですので、嬉しいですよね!
とは言うものの、この「お気に入りユーザー」、「逆お気に入りユーザー」登録に関しては、正直特に意識していないユーザー様も沢山いると思います。
所謂「読み専」と呼ばれる読者型ユーザー様は、複数作品のお気に入りがあり、感性的にぴったり来る作者様以外にお気に入りユーザー登録を使う事は稀でしょう。
また、自分の作品を書く為にユーザー登録をしたばかりだったりして、創作に手一杯故に他人の作品を読む暇の無い作者型ユーザー様にとっても、お気に入りユーザー登録は余り縁の無い話だと言えますね。
つまり、この「お気に入りユーザー登録」を活用するユーザー様というのは、作者側にも読者側にも立てるユーザー様であると考えられ、それは即ち、この「小説家になろう」サイトを大いに活用して楽しんでいるユーザー様であると考えられるのです。
私達ユーザーが、他のユーザー様をお気に入りに登録するきっかけは多々あります。
まず、最も共感して貰えるきっかけのひとつは、読んだ作品が面白く、続いて読んでみた他の作品も面白かった事。
この作者様はハズレが無い、この作者様のテンポと文体が自分に合っている……等と感じた場合、いちいち全作品をブックマークしたりする手間の省ける「お気に入りユーザー登録」はとても便利です。
そして、その他の共感して貰えるきっかけとしては、初めて投稿した自分の作品に、最初のポイントと感想を残してくれたユーザー様をお気に入り登録した事。
作者様であれば誰もが分かってくれると思いますが、期待と不安の中、初めて自分の作品を投稿した後、少数のPVがあるだけで何のポイントも感想も来ない日々はやるせないですよね。
作家という人種は、いくら上っ面で謙遜して見せても、自分の作品はそれなりに読まれて評価されると思ってやがりますからね(笑)!
そんな中、待ちわびた感想。
その感想がポジティブなものであり、更に期待値としてのポイントが入っていた事が分かった時、作家という人種は初めて、「このユーザー様のブックマークや著作は色々と参考になるかも知れない」と考えるのです。
ちなみに、ポジティブな感想を貰っても、ポイントが★2つ以下だったりするとお気に入り登録はしない模様です……(笑)。
作家たるもの、自分の作品を安売りしないプライドの高さはあって良いと思いますね。
「小説家になろう」から何作品も書籍化を実現したプロ作家様の中には、クレーマーの様な読者様を避ける目的で感想欄を放置したり、感想欄そのものを閉じたりしながら、プロであり続ける目的の為に新作候補を複数連載しながら、見込みの無い作品は切り捨てていく……というやり方を採用している方もいます。
ライトノベル作家は、プロになるだけなら1作品の魅力だけでも十分ですが、「ライトノベル作家がプロであり続ける為には、プロになった事で得たプライドは捨てなければならない」と、「小説家になろう」で活動していてハッキリと分かりますよ。
もしあなたが真剣にプロ作家を目指しているのであれば、作品のレベルに見合わない程のプライドを捨ててしまうのではなく、むしろアマチュア時代に「味」として読者様に認知させておく必要があると思いますね。
話が横道に逸れましたが(←実は逸れたとは思っていない)、その他のきっかけとしては、感想欄のやり取り等でそのユーザー様の人柄や価値観に惹かれた事や、ふとした時に自分の作品を満点評価してくれていたり、ブックマークしてくれていたと気付いた事などが挙げられるでしょう。
この、「お気に入りユーザー」、「逆お気に入りユーザー」の存在があると、今までは自分の作品を書く事ばかり考えていた作者様も、他の作者様の作品を読みに行ったり、ポイントや感想を入れるという行動が自然なものとなって行きます。
こうした動きが盛んになるにつれて、「相互お気に入りユーザー」の輪が広がり、「小説家になろう」に於ける自分の作品の創作以外の楽しみ方もまた、広がって行くんですよね。
「仲間内でポイントを入れ合ってランキングに入れようぜ!」みたいな邪心(笑)は、最初は誰も持っていないのです。
さて、昨年の秋に「小説家になろう」サイトへとやって来た私も、活動を始めて半年経ちました。
この半年間、正直言って辛い事は何も無く楽しい事ばかりでしたが、その中でも特に楽しい事は、「謎の逆お気に入りユーザー様」が増えていく現象でしたね!
この、「謎の逆お気に入りユーザー様」とは、このエッセイで紹介してきたきっかけとは関係無く、ある日突然お気に入り登録をしてくれた、交流も接触も無いユーザー様の事を指しています。
つい先日、逆お気に入りユーザーの数が増えている事に気付いた私がホームページを確認すると、そこには見た事も聞いた事も無いユーザー様の名前がありました。
私が作品を評価したりブックマークしたユーザー様ではありません。
そのユーザー様のマイページに飛び、ブックマークや評価の履歴を覗き見するハレンチ行為を行った結果(←行うな)、私の作品にもブックマークや評価はありません。
私の作品に感想をくれた訳ではなく、お気に入りユーザー様との繋がりで私の活動報告にコメントをくれた訳でもなく、他のユーザー様の作品の感想欄で私と似た感性の意見を書き込んだ形跡も見られない……まさに接点が見付からない、「謎の逆お気に入りユーザー様」です。
こうした「謎の逆お気に入りユーザー様」は、ユーザー登録してから日が浅く、ブックマーク作品やお気に入りユーザーの登録数も、0からせいぜい2〜3件。
しかしながら、短編、連載を問わずに精力的に作品を書いている作者様でした。
謎の逆お気に入りユーザー様は、私に読者としてポイントや感想を期待している訳ではないと思うんですよ。
しかし、作品や活動報告、周辺人脈をフル活用して自らの創作活動に役立つ人間かも知れないと評価された……と考えた時、何とも興味深く、何故か誇らしい気持ちになった事を覚えています。
この「小説家になろう」サイトに登録すると、ユーザー様の作品や執筆活動だけではなく、作者様、読者様の言動全てが登録される事になりますよね。
言うなれば、活動報告と返信コメント、感想と感想の返信、それら全てが作品という事になってしまうのです。
当事者様からすれば怒りの炎上案件であっても、他のユーザー様からは傑作アクションコメディーと認知されるかも知れません。
謎の逆お気に入りユーザー様からは、「参考にしたいから、お前の成功も失敗も色々見てみたい。細かい事を気にせずやりたい事をやれ」と言われている様な気がします。
「小説家になろう」サイトでの活動をより楽しく充実させる為に、皆様も「お気に入りユーザー登録」に関心を持ち、ある日突然現れる「謎の逆お気に入りユーザー様」に注目してみては如何でしょうか?




