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【原点回帰の創作論】最も効果的なタイトルとは?


 皆様こんにちは!


 現時点に於て、目標の100000文字まで残り8000文字程度となりました。


 まあ、私をよく知るユーザー様であれば、私が100000文字を書くのにさほど苦労しない人間である事を知っているとは思いますが(笑)、最近になって評価が上がってしまった本エッセイも、残す所あと2〜3回になってしまいましたね……。


 しかしながら、私は一般的な「なろう作家」様とは正反対に、完結が近付くと気力充実してペースが上がる作者であります!

 本エッセイは、年度末に合わせて3月中に完結させますので、応援宜しくお願いします!



 ……さて、最近の本エッセイ『唯我独尊なろう道!』は、当初の創作論や自己スタイルの紹介から、熱い魂を素手で掴んで投げ飛ばすみたいな内容に変貌しておりました。

 

 熱狂的シサマニア(←いるのか?)の方にはそれで良かったのかも知れませんが、ここはやはり一度原点に回帰して、シンプルな創作論を述べたいと思います。


 4月からは暫く小説と詩に専念する私としては、遺品整理みたいな気持ちなんでしょうね〜。


 

 今回の考察は、これまでに十分語り尽くされていた「作品のタイトル」についてです!


 現在の「小説家になろう」サイトでは、長年に及ぶトレンド分析やユーザーのランキング対策の結果、ファンタジーや恋愛のジャンルに於て、あらすじの役割も兼ねた長文のタイトルを採用する事が一般的になりました。


 また、それ以外のジャンルでも、あらすじとまでは行かないものの、原題+副題の様な形を取り、タイトル中にセールスポイントとなるキラーワードが盛り込まれています。


 例えば本エッセイのタイトルも、『唯我独尊なろう道!〜他人の意見は真面目に聞いた上で切り捨てます〜』となっており、原題+副題の形の中に「聞く耳は持っているけど頑固者」という自己アピールと、読む側の覚悟を仄めかす一節が盛り込まれているのですね。


 私の代表作『バンドー』を始め、「小説家になろう」サイトの中には簡潔なタイトルの作品も多数存在していますが、既に大半のユーザー様は「その長文タイトルに意味があり、センスが良ければ特に文句は言わない」という境地に到達しておられるでしょう。



 しかし私は最近、初動段階からPVとブックマークを稼ぐ、この「あらすじ長文タイトル」の存在こそが、その作品の不幸な未来と直結してしまっているのではないか?と考える様になったのです。


 前作のPV6600(←かなり具体的)から、PV200000にジャンプアップした!

 ランキング上位に一定期間滞在出来た!

 書籍化を実現した!


 ……という作品であれば、例え評価やブックマークが少なくとも、例えランキングから陥落しても、例え書籍の続刊が打ち切られてしまったとしても、「いや、このタイトルじゃなければそこまで行けなかったよ」と、ポジティブな心境に至る事が出来るでしょう。


 しかしながら、読者のスタンスというものは実に様々です。


 「なろう」にログインせず、当然ポイントやブックマークも入れず、偶然見掛けた簡潔なタイトルの作品を「長文タイトルにも媚びていないし、作者に骨がありそうだ。作品の出来もまあまあだな」と、定期的に検索して読まれている方って、存在しているんですよね。


 その様な読者にとっては、「自分の作品を読んで貰いたい!」という作者の苦汁の選択である長文タイトルへの変更が、そのタイトルセンスによって裏切り行為と映ってしまう可能性があり、長文タイトルに変更して逆に失敗する例が時折報告されています。



 では、ここで改めて、「あらすじ長文タイトル」の利点を挙げてみましょう!


 ①ワンクリックの手間を省いて、ランキングや新着コーナーにタイトルだけが掲載されていても、内容をアピール出来る。


 これは周知の事実ですね。

 この点を踏まえながら敢えて批判の来る長文タイトルは、そのタイトルの中身自体が20000回くらい読んだ事のある内容だからでしょう(笑)。


 とは言うものの、「20000回くらい読んだ事あるぞ!」と批判するユーザー様より、「20001回目か、楽しみだな〜!」と既にSATORIを拓かれているユーザー様の方が多分多いので(笑)、心配は要りません。


 ②あらすじ長文タイトルは、ブックマーク獲得の最短距離である。


 これはランキング上位や書籍化の常連の作者は100%理解しているでしょうね!

 ブックマークが単なるしおりでは無く、2ポイントが加算される評価点である事は、例えタイトル詐欺を行っても10000人の読者を獲得すれば目的の半分くらいは達成されます。


 更に、長文で覚えにくいタイトルにすれば、ファンであれアンチであれ、ブックマークするか低評価をするかしないと、その作品の存在を手元で確認出来なくなります。

 ブックマーク代わりに悪態をつく感想を入れ、何度も罵倒に訪れるという賛同しかねる「毒者手法」は、感想欄の閉鎖で簡単に回避出来ます。


 更に更に、あらすじ長文タイトルの中に「なろう」定番のキラーワードを散りばめれば、私の様な性格の悪い俺ユーザー様(←偉大なる敬称付き)が記憶力を便りに作品を検索しようとしても、同じ様なタイトルが検索にズラ〜っと並んでしまうのです。検索不可能ですね。



 ……こんな事を書いていると、まるで全ての作者があらすじ長文タイトルを悪用しているかの様に見えるかも知れませんが、そんな事はありません。

 

 元来、自身の作品を読んで貰う事が目標であり、ランキング上位に居座る事や書籍化への執念を余り持っていない作者は、ある程度のPVや評価を確立した後で、自身の望む簡潔なタイトルに変更している例を多数見ていますからね。

 彼等にとっても、簡潔なタイトルにする事へのメリットがあるからなのです。


 私が今回言いたかった事は、ここからですよ。



 ここで私の代表作であり、作品の人気としては余りにも風格が漂う底辺である(笑)『バンドー』を例に出しましょう。


 この作品は大災害後に再編された2099年の地球が舞台で、ニュージーランドに住む日系の農業青年、レイジ・バンドーが、人生修行と幼馴染みを探す為にヨーロッパに渡る所で(超長い)第1話が終わります。

 

 そして、剣術や魔法の存在に驚きながらバンドーは賞金稼ぎの剣士となって仲間と旅を続け、政治・経済・社会の歪みを知りながらより良い世界を模索する……という作品。


 この作品は、単なるバンドーの成長物語では無く、アクションファンタジー風の味付けがなされてはいますが、近未来世界の全てを描こうとしています。

 従って、バンドーが主人公でさえあれば、後は何の制約も課さないタイトルが必要だったのです。


 ある程度のPVや評価を確立した作者が、ランキングや書籍化の執念を持たずに自身の作品のタイトルを短くする理由も、ここにありますね。


 タイトルに縛られず、自分の思い描いたストーリーやキャラクターを描き切りたいからですよ。



 あらすじ長文タイトルは、「追放や婚約破棄から自身の道を見付け、強大な力や仲間の存在に支えられながら、自分を追放(婚約破棄)した相手側に復讐する、或いは相手側が没落する」……などという内容が読み取れるものが一般的です。


 連載開始から暫くは、タイトル回収に向けて脇目も振らずに邁進し、その結果読者からの支持も一気にピークを迎える事に。


 しかし、タイトルを回収した途端、あるいはタイトル回収間際になって物語のペースが極端にダウンしたり、タイトルでは知らされていなかった新展開に読者が付いて行く事が出来ず、ランキングで低迷したり更新が止まったりする事が多いですよね。


 スタートダッシュに特化したタイトルのせいで、作品の世界を拡げる事が出来なくなるのです。


 既にプロとして活動している作者の場合、新刊を出す為に書籍化出来る所まで盛り上げて、書籍化したらさっさと新作に切り替える……という、余り賛同したくない手法を取る方もおられるでしょう。

 

 彼等にとって小説は仕事の為の道具であり、自身の生活費を稼ぐ代わりに作品やキャラクターは餓死するのです。


 出版不況の現在、プロのライトノベル作家として、その生き方はやむを得ない側面もあるかも知れませんので、そこを糾弾はしません。


 しかし、私達の大半はアマチュア作家であり、最初からランキング上位での書籍化にターゲットを絞っていないのであれば、途中でタイトルを短くしてでも自身のストーリーやキャラクターを描き切る挑戦をしてみても良いのではないでしょうか?


 

 私の考える最も効果的なタイトルは、「原題+副題の形のタイトルから、作品のスケールを拡げるタイミングで副題を取り去ったもの」です。


 例えば、事故や病気で獣の様な醜い見た目となり、差別と偏見に苦しんだ主人公が人間に復讐して目的を失った後、自然界でのサバイバルに生き甲斐を求める、ホラーやアクション要素のあるヒューマンドラマ。


 『人獣(じんじゅう)たちの夜明け前〜俺たちは獣じゃない、人間だ!だが、憎い奴らに復讐を終えた俺たちの居場所はもう、人間界には存在しなかった〜』


 ……という作品があったとします。

 

 何となく恐いもの見たさなタイトルですが、差別も復讐もエグそうだと注目を集める事は可能でしょう。


 そして、人間たちへの復讐を終えた時点で、この副題を取り去るのです。


 『人獣たちの夜明け前』


 ……どうでしょう。

 獣の様に傷付けられたとは言え、人間の心を持った者たちが自然界で生きる覚悟が伝わりませんか?

 

 それでいてここからは、作者と作品に何の制約もありません。


 あなたの物語を、好きなだけ書いて下さい!

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― 新着の感想 ―
[良い点] なるほど、これは新たなタイトル論! 面白いっ ていうか、この作品読んでみたいっ(*´ω`*)
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