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私の創作ルーツは、80年代ユニバーサル社製の海外ドラマ。ラノベやアニメではありませんでした


 皆様今晩は!お久し振りの『唯我独尊』です。


 最近の私は、ハリウッド映画ばりの追突事故を喰らったり、人様のエッセイの感想欄に噛み付いたりと大荒れでしたが、前者はともかく後者は荒らしや加害者として認知される事になるので、反省して批判的な感想を控える事にしました。

 

 絶対書かないとは約束出来ません。

 ですが、私には誇れる仲間達が沢山います。

 

 その誇れる仲間達が、敢えて私を支えてくれている理由を、今一度思い出す必要があると気付きました。



 さて、今回は私の創作ルーツのお話です。

 

 かつてエッセイで、私のラノベのルーツは高千穂遥さんの『ダーティペア』や『クラッシャージョウ』シリーズであると述べました。

 

 これらの作品が生まれた70年代末から80年代にかけては、文学の世界もエンタメ化が進み、現代のラノベのルーツとも言える作品が数多く出版されます。

 

 中でも『ダーティペア』シリーズは、女性キャラの一人称を採用し、モノローグ的で短い地の文と女性キャラのセクシーな側面の強調、そして破天荒な世界観に於ける人の命の軽さが、むしろ作品のテンポと娯楽性を増すという、まさに「なろう小説」のルーツとも言える作品でした。


 まだ未読の方は、是非とも一読をおすすめします。

 『ダーティペアの大冒険』は40年前の作品ですが、全く古さは感じさせませんよ。



 しかしながら、改めて今読み返してみると、私がこの「小説家になろう」サイトで執筆している作品からは、これらのラノベ作品からの影響は余り感じ取れませんでした。

 私自身が大学で文学を学んだ事もあり、もっと古い純文学からの影響を、格好付けて取り入れているのかな……と探ってみましたが、こちらも全然影響されていませんでしたね。


 はっきり言って、私の文章は小説からの影響を殆ど受けておらず、子どもの頃から大好きでよく読んでいた、音楽雑誌やサッカー雑誌からの影響の方が強い事が分かったのです!


 音楽雑誌のディスクレビューや、サッカー雑誌の戦術分析に妙な親近感を覚え、これは読む人を選ぶわ〜!と自身の作品を客観視し、「小説家になろう」サイトに来た頃はそれなりに持っていた書籍化の夢や野望は完全に消えました(笑)。無理だろこれ(笑)。

 

 今後私の作品で、「なろう小説」っぽいテーマやタイトルを掲げたものが出てくる事もあるかと思います。

 その際は自身の幅を拡げる挑戦の意味もあり、100%の力と熱意は込めさせていただきますが、多分期待に応える作風ではないと思いますので、読む時は覚悟して下さいね!



 ここまで考察してみて、それでは私の作品の文章以外の点、つまりストーリーや世界観に影響を与えたものは何なのだろう?と考えた時、私の作品の根底に流れるぶっとい大河(笑)の様なものの存在に気が付きました。


 ①マフィアやドラッグの存在を描き、ドラッグ依存の背景にある貧困や差別の問題も、いちいち取り上げている


 ②個人だけではなく、組織や企業ぐるみの悪を追い詰め、事件解決を単純なハッピーエンドにはしない


 ③女神様や権力者など、強大な力を有する象徴であるはずのキャラクターが、目の前の現実に手を出せないジレンマが描かれている


 ……いやあ、出るわ出るわ(笑)。

 俺、本当にこんなの好きだよな〜!と呆れますね。(←実は誇りに思っている)


 しかしその一方で、これだけのこだわりがあっても、


 ④社会派作品や文芸作品への意欲は持たず、ヒューマンドラマ寄りのアクションという「娯楽作品」を標榜している


 というオマケも付いています。


 マフィアやドラッグは、バトルシーンと絡める事が出来るアクションジャンルと相性がいい点は周知の事実ですが、無責任なハッピーエンドが多いハリウッド大作映画とは、また少し違う視点での娯楽を目指しているんですよね。


 私の作品のルーツは、海外ドラマ。

 それも、80年代のアメリカ・ユニバーサル社製のテレビドラマにあったのです!


 

 アメリカ・ユニバーサル社のテレビドラマは、70年代から『刑事コロンボ』や『大草原の小さな家』などで、日本のお茶の間にも浸透していました。

 

 私がテレビを一番よく観た10代前半の時期、BSもCSもない地上波オンリーで、しかも放送局の数が限られる北海道でも放送していた海外ドラマは、必然的に実績のあるユニバーサル社のテレビドラマばかりだったのです。


 この時代のユニバーサル社製ドラマは、今やDVDの様なパッケージ商品や動画サイト内でもありふれており、80年代が特別にバブリーな時代であったという現実からも、若い世代の方から見ると『古臭さ』や『ダサさ』は否めません。


 とは言え、情報化が進むにつれて人間の心を支配していく絶望や諦観が入り込む前の時代の作品には、殺菌されていない人間の熱さの様なものが残っており、真面目に感動する事もギャグとして突っ込みまくる事も出来る、懐の深さがあると感じるんですよね。



 私の創作のルーツである、ユニバーサル社製ドラマは4つあります。


 まずは、『ナイトライダー』。


 この作品は、所謂「なろうテンプレ」にかなり近い作品で、犯罪者に瀕死の重傷を負わされる不幸を、財団から贈られた人工知能付きのチート車(笑)、ナイト2000と、ワイルドイケメンに生まれ変わる整形手術で帳消しにした主人公が、悪を倒しながら出合う美女からモテまくるという、極めて単純な勧善懲悪アクションドラマでした。


 正義感は強いが傍若無人という、「ほぼなろう主人公」のマイケルを補う様に、ナイト2000に搭載された人工知能「キット」は賢く紳士的で、両者の掛け合いが本作の最大の見せ場です。

 

 この作品からは、主人公の魅力を引き出す為に、敢えて主人公より魅力的な脇役を同伴させる事を学びましたね。


 続いては、『特攻野郎Aチーム』。


 軍部の裏切りに遭い、テロリストの汚名を着せられたいち小隊が、地下に潜伏しながら賞金稼ぎとして人助けを行い、軍部の悪事を暴くために活躍するアクションドラマです。


 しかしながら、本作はしっかりと立っているAチームのキャラクターが非常にコミカルである為、殺伐とした部分は全くありません。

 Aチームの目的自体が、一部の軍上層部のみをターゲットに復讐する事なので、戦車やヘリコプター、銃弾が乱舞する戦闘でも一切死者が出ないという、家族で安心して観る事が出来る作品に仕上がっているんですよね(笑)。

 

 この作品からは、リアリティーにこだわる余りに人間の死を描く事が、必ずしも作品の説得力を高めるとは限らない事を学びました。


 続いては、『刑事ハンター』。


 ロス市警のリック・ハンターは、刑事でありながらマフィアの親族を持つ変わり種。


 その生い立ちから周囲に偏見を持たれ、信用を得られない孤独なアウトローぶりから、過激な捜査で疎まれる事もしばしば。


 そんな彼の相棒に、自身の甘さが災いして愛する人を失った美人刑事、ディーディー・マッコールが合流し、互いに甘さを捨てた両者の激しくもイカした掛け合いから、痛快なアクションで悪党を始末するドラマです。


 このドラマの魅力は、刑事ドラマとしては珍しい完全な男女同格ぶりで、ハンターとマッコールの間には常に、恋愛感情を超越した友情が描かれていていました。

 それ故に、6シーズンに渡ってハンターの相棒を務めたマッコールが降板してしまうと、僅か1シーズンで放送が打ち切りになってしまった悲劇の作品と言えるでしょう。


 この作品からは、日本語吹替え版でハンターの声をあてた声優・堀勝之祐さんの凄まじい実力(日常会話の全てを勝之祐さんの声真似で再現出来る程にコピーしまくりました)と、作品のストーリーの為には、男女間で恋愛よりも大事なものを描かなくてはいけないという極意を知る事が出来ました。


 最後に紹介するのは、『マイアミ・バイス』。


 私がこの世で最も好きなテレビドラマであり、私の創作に最も影響を与えた作品と言えるでしょう。


 マイアミ・デート郡警察署の麻薬潜入捜査官、通称「マイアミ・バイス」は、犯罪者からの押収品であるドラッグ、高級車、ブランド衣装を身に纏い、犯罪者になりきる事で命懸けの潜入捜査に挑みます。


 当然、彼らにも家庭やプライベートはあり、仕事との両立で悩みや憤りを抱えながらも、熱い正義感と仲間との信頼だけを拠り所に日々を生き抜く、お洒落なファッションや音楽からは想像出来ない硬派なドラマですよ!


 それでいて、刑事ドラマならではのアクションやリアルな銃撃戦、絶妙のタイミングで盛り込まれる爽快感やユーモアなど、筆舌に尽くし難い魅力に溢れています。


 熱血イケメンでありながらワルの魅力も併せ持つ、主人公ソニー・クロケットを演じるドン・ジョンソンにも注目して欲しいですね。


 また、このドラマはアメリカと旧ソ連の冷戦時代に作られていた為、共産主義憎しの姿勢を貫き過ぎる事が災いして、時に危うい自治や社会の歪みを生むアメリカへの風刺なども盛り込まれています。


 『マイアミ・バイス』の製作総指揮を担当し、『コラテラル』や『パブリック・エネミーズ』で映画監督としても知られるマイケル・マン氏が語る、「大衆に受けるエンターテインメントには、時に左翼的なスパイスも必要だ」という姿勢には、私もとても深く影響を受けましたね!



 小説や詩、エッセイなどを書くという行為には、当然ながら文章表現のセンスや経験が問われるので、やはり最低限の読書は必要であると思います。


 しかし、映像文化が無かった時代に、新しいものを生み出そうとした映像作家達が参考にしたものも、当然書物であったのですよね。


 それならば、あらゆる映像文化が成熟している現代に、文芸の土台が文芸だけであるのは余りにも勿体ないと感じます。


 文章力よりも重要視されるものが明確に存在するWeb文芸の世界では、より柔軟に自身の知識や経験を活かして行く事が重要になるでしょう。


 

 


 

 

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― 新着の感想 ―
[良い点] かすかに覚えてる作品が多くて、そしてかなり詳しい情報量! そしてそして読みやすい! めっちゃ読みごたえがありました! [気になる点] ランキング入りおめでとうございますっ でも、もうすでに…
[良い点] ナイトライダーは見ましたね。 シサマさんの場合は、創作ルーツが、 洋物ドラマだと言われれば、 なるほどと、納得できる説得力がありますね。
2020/11/26 14:28 退会済み
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