批判を拒む作者は、「書きたいものを我慢して読者の為に頑張っているのにふざけるな!」と宣言する勇気があるか?
お久し振りです!シサマです。
実は私、昨日の10月3日で「小説家になろう」サイトでの初投稿から1周年を迎えました!
この1年間、父親の病死を経験しながらもコンスタントな活動を継続出来、尚且つ全く努力や根性を感じさせない「マイペースで楽しそうな、自分を底辺だとは思っていない底辺作家キャラ」を確立出来た背景には、私のニッチな情熱に熱く付き合って下さった皆様の存在があった事は、紛れもない事実ですよね。
1年間、本当にありがとうございます!
今後とも、この「唯我独尊」エッセイを始めとした私の作品に触れていただけると、この上ない幸せですね。
……さて今回は、作者と読者の関係性について、かなりディープな考察を行いたいと思いますので、普段このエッセイでユーザー様へのリスペクトを込めて使用していた、「作者様」、「読者様」の敬称である「……様」を省略させていただく事にしました。
それでは早速行きましょう!
今年、2020年を象徴する出来事と言えば、紛れも無く新型コロナウイルスによる災難ですよね。
一度覗くと愛憎連なる時間泥棒(笑)である「小説家になろう」サイトにとっては、コロナ騒動によるステイホーム習慣が一時期プラスに働いていたとも言えます。
とは言え、一方でこの騒動が長引き、仕事や生活の不安が募るにつれて、ユーザーの心境にもマイナスの影響が隠せなくなって来た様に思われますね。
その顕著な一例が、これまでは誹謗中傷レベルのものにのみ断罪が下されていた「批判的な感想」への、一部作者側からの全面的な拒否姿勢。
それと同時に、これまで感想欄やレビューでのみ発露されて来た、「爆発寸前の読者の怒り」が、エッセイやその他のジャンルで作品として公開される様になった事。
……いや、厳密にはこれらの作品はこれまでも普通に存在はしていたのですが、その大半はテンプレ作品の氾濫や短編からのリセマラ問題、或いはポイントクレクレ行動への批判の流れであり、批判の矛先が現象から特定の人間へと変わりつつある懸念は、今年ならではのものであると感じますね。
この問題を考察する前に、まずは私個人のスタンスを明らかにしたいと思います。
私個人としては、まずは作品の内容云々を超えた作者への誹謗中傷レベルの批判に対しては、やはり認める訳には行きません。
例えば私が、女子高生と歳の離れた男性を主役にした恋愛小説を書いたとして、「いい歳したオッサンがこんな小説を書くのはキモいんだよ!」みたいな事を読者から言われても、その読者が私を27歳にまで若返らせてくれて、尚且つ合コン会場に無料で招待してくれるまでは絶対に謝罪しません(笑)。
しかし、その読者が作品を読んで、「ちょっと優しくされただけで、イケメンでも金持ちでも無いオッサンに女子高生が惚れるなんて、リアリティが無さ過ぎてキモいな」などと言った場合、ストーリーを改めるつもりなど無くとも、キモさがロマンを上回らない程度に(笑)表現の改善に努めるでしょう。
この批判は、女子高生が主役の恋愛小説を普段愛読している読者から見てもキモいと訴えているのであり、即ち作者の私に男としての人生とプライドを問うているのです。
この批判にブチ切れたり、感想をブロックしてしまうのは、まず男として恥ずべき行為だと思います。
「なろう読者」は、リアリティなんて関係無いロマンに生きたいんだから、そんな批判するなら読まなくていいよ……と言いたい人もいるでしょう。
しかしながら、これは重要な事なのですが、同じ様な内容の作品でも、批判される作品と批判されない作品が、何故か現実として存在するのです。
テンプレ的な内容でランキングの上位にいる作品の中には、誹謗中傷スレスレの厳しい批判が感想欄を賑わしているものもありますが、厳しい批判をしている読者のブックマークと評価した作品を調べてみると、その読者はテンプレ嫌いどころか、テンプレ踏襲で歴代ランキング上位の、似た様な作品を沢山ブックマークしているのです。
批判する当該作品は、「好みの内容のはずだと思ったのに許せない」部分があったのですね。
だからこそ、伝えたい事があるのですね。
……お前ら言葉が悪過ぎるだろですけどね(笑)。
どんな扱いを受けるかは分からないものの、無料で自分の作品を日本中にアピール出来る作者の立場と、無料でラノベ読み放題だけど、楽しく読んでいたらいきなり打ち切りになったり、後半まで読んでからとんだ喰わせもの作品だったりする場合も有り得る読者の立場に、優劣なんてありませんよ。
それが私のスタンスです。
このエッセイで私が度々述べている様に、私個人は自分の書きたいものを書きたい頻度、書きたい文字数で投稿しているので、読者からの誹謗中傷、PVやブックマーク、ポイント等は特に気にしていません。
連載作品は毎日、朝・昼・晩・就寝前の4回、数字を確認していますが、意地でも特に気にしていません(笑)。
新人底辺作家だった頃の習慣が、ベテラン底辺作家になっても続いているだけです。
しかし、「小説家になろう」サイトで、とりわけ連載小説を書いている作者の中には、作家としての勉強の為、多くの人に読んで貰う為、或いはランキングを制して書籍化の目標を果たす為に、自分の書きたいものを我慢して人気ジャンルに挑戦している方が多くいる様ですね。
誹謗中傷レベルでは無い、ちょいウザなアドバイスや、内容と矛盾点に対する批判にも深く傷付いて創作意欲が萎んでしまったり、逆に激昂して感想欄の閉鎖、ブロックユーザー認定を実行してしまう作者は、ある意味読者の事を考え過ぎていたが故の批判拒否に陥っているのではないでしょうか?
そんな作者は、批判を拒否する姿勢を明確に打ち出す為に、「書きたいものを我慢して読者の為に頑張っているのにふざけるな!」と宣言する勇気があるでしょうか?
この、一見逆ギレに見える行為を敢えてやってみようと考える作者は殆どいないとは思いますが、もし作者からこの宣言を聞けば、批判していた読者は一瞬黙ると思いますよ。
人気ジャンルの作品にアドバイスや批判を執拗に行う読者は、テンプレに乗っ取ったざまぁ、異世界転生、チーレム、無双、悪役令嬢、婚約破棄等が大好きで、似た様な作品であっても沢山読みたいと思っている、ある意味最も熱心な読者です。
彼等がアドバイスや批判を行うのは、作品のクオリティを自分好みに近付ける為であり、そんな要望を押し付けられる背景には、様々な思惑で作者が読者に擦り寄り過ぎている現実が無いとは言い切れません。
そんな彼等が、やがて誹謗中傷を行うまでに凶暴化するには理由があるのです。
新人作家の作品の文章が下手とか、ちょっと人気作品のパクリっぽいとか、その程度の理由では作者の誹謗中傷を行う程の怒りは生まないですよ。
作者は一度立ち止まって考えてみて下さい。
内容が似ていても批判されない作品と、批判されてしまう自分の作品は、何処が違うのかを。
誹謗中傷されない作者と自分の振る舞いは、何処が違うのかを。
本気であらゆる批判を拒否したい作者は、人気ジャンルからの一時撤退を読者に宣言する事を考えてみてもいいのではないでしょうか?
批判を排除するか、読者を排除するかは、あなたの姿勢と作品にかかっているのです。




