考え方を改めました。ポイントクレクレは、やりたい人はやればいい
今回は、気になる人は気になる、気にならない人は全く気にならない、「ポイントクレクレ問題」について考察したいと思います。
「ポイントクレクレ」とは、作品の後書き等で、作者様が評価ポイントの投入を読者様にお願いする行為の事で、ポイント数がランキング入りや書籍化に通じる「小説家になろう」サイトのシステム上、感想の催促より批判の対象になり易い行為ですね。
私個人の認識としては、ランキング上位進出から書籍化を目指す作者様はポイントクレクレに抵抗が無く、ランキングや書籍化への欲の少ない、趣味で作品を書いている作者様はポイントクレクレを、「恥ずかしい行為」であると考えて自重している様に見えます。
では、その現状を踏まえた上で、敢えてポイントクレクレを「糾弾しに来る」ユーザー様の心境は、どの様なものなのでしょうか?
「いい作品だと思っていたのに、読後感を白けさせるポイントクレクレに失望した。本文の終わり方と余韻を考えて、毎回ポイントクレクレするのはやめて欲しい」
「初めは問題視していなかったが、最近更新が遅れて1話あたりの内容も薄くなってきたのに、本文に負けないくらいの文字数で宣伝やポイントクレクレをやっているのでがっかりした」
恐らく、この2点だけだと思います。
ポイントクレクレは、少しくらいやった程度で糾弾される行為では無いですよ。
さて、かく言う私自身は、趣味で作品を書いている身ですので、ポイントクレクレは「恥ずかしい行為」であると認識しています。
しかしながら、「糾弾されるべき行為」とまでは考えておりませんので、今後「なろう」受けを狙った作品を書き、それなりにポイントを獲得出来た場合、更なる欲が出てポイントクレクレをやってしまうかも知れませんね(笑)。
私が「なろう」に来て約10ヶ月、これまでの活動期間の中で、ポイントクレクレに当該する行為を行った事が、2回だけあります。
1回目は、私の処女作『バンドー』が、ブクマ1、総合ポイント8のまま何ヶ月も経過した時で、「感想、評価、批判等、お寄せいただけると幸いです」という表現を用いました。
結果、全く効果無し。
これは、ポイントクレクレに効果が無かったという結論ではなく、『バンドー』の1話あたりの文字数が余りにも多過ぎた為、読者様が後書きまで辿り着く前にお帰りになられたと言う認識で間違いないと思います(笑)。
2回目は、既に完結済みの作品、『ねこキューブ、たぬキューブ』のクライマックスに於いて、心身ともに充実していた私が毎日投稿を実現し、内容的にも評価されるだけのものを書いているという自信があった為、「いつ評価するの?(←死語)」的なノリでポイントクレクレを敢行した時でした。
結果、全く効果無し。
これは、死語によるポイントクレクレが逆効果だったという結論ではなく、少数の固定読者様から既にポイントをいただいていた為に、するべき事はポイントクレクレ以前にPVアップ作戦であったという認識で間違いないと思います(笑)。
この様に、ポイントクレクレ作戦は作者様のキャラクターや作品によっては効果が期待出来ず、失敗した後には後悔の念も残ります。
それ以降、私個人としてはポイントクレクレを行わない事に決めました。
しかしながら、ポイントクレクレ自体を否定はしません!
何故ならば、ポイントクレクレした方が良かったのかと迷うケースが、「なろう」での活動に於いて多々見られるからです。
先日、私の作品に丁寧な誤字報告をしてくれた読後様が、実はポイントを入れ忘れていたと報告してくれました(笑)。
これはつまり、誤字報告で改めて作品を読まなければ、評価するつもりだった作品の評価を忘れてしまう可能性があると言う事になりますよね。
また、ユーザー様の中には、登録をしていて感想は書いても評価やブクマをしない主義の方がおられます。
これらはユーザー様のマイページを調べればすぐに分かる事ではありますが、「なろう」で活動を始めたばかりのユーザー様であれば、「ポジティブな感想が貰えたのに、まだ0ポイントだ……。忘れてるのかも知れないし、ランキング上位の作者みたいに、ポイントクレクレした方がいいか……?」と考えても不思議はありません。
あくまで私個人の意見なのですが、新規ユーザー様のモチベーションも考えて、ポジティブな感想を書いたユーザー様は、少しでもポイントを入れるか、ブクマをしてあげて欲しいと思います。
ポジティブな感想は、職場で誉められたという経験。
ポイントやブクマは、言わば給料みたいなものだと思うんですよ。
ポイントやブクマが無くても優れた作品を生み出せる作者様というものは、精神が高いレベルで安定している方であり、その後の作品の質が万一低下した場合、読者様に愚痴をこぼすまでもなく自己嫌悪とともに、「なろう」から去って行く事でしょう。
その様な場面は、出来るならば見たくはありませんね。
素晴らしい作品を書いてくれたお礼に、愚痴のひとつくらいぶちまける権利を与えてあげたいと思いますよ。
私の処女作『バンドー』は、今でこそブクマ22、総合160ポイントとなり、レビューを2回もいただく等、底辺作品としてはかなり恵まれた作品となりましたが、評価されない時期が続いた時、総合の8ポイントが如何に心の支えとなったか、言葉に出来ません。
0じゃない。
読んで貰えれば評価されるかも知れない。
この想いは、ランキング上位や書籍化を狙う作者様だけのものではありませんからね。
とは言うものの、ポイントクレクレ容認派になった私でも、許しがたいポイントクレクレのパターンがあります。
それは最近増加中の、「面白かったら★5つ、つまらなかったら★1つ、正直な評価をお願いします」タイプのクレクレですね。
つまらなかったら★0ですよ(笑)。
「なろう」の評価システムは、マイナス評価の項目は無いですから、このクレクレははっきり詐欺行為だと思います。
私の作品が、ポイントクレクレ作品のせいでランキングから転げ落ちた恨み等がある訳では無いので(笑)、この問題を無視する事も出来るのですが、つまらなくてもポイントを要求するという行為は、所謂アンチな読者様の力を借りてでもランキングを駆け上がり、書籍化を目指すという事になりますよね。
これはポイントを見ながら書籍後の売り上げを予測し、書籍化の目安となるデータを仕入れている出版社も騙す詐欺行為と言えるでしょう。
最近、「なろう」発の作品の売り上げが伸び悩み、1〜2巻での打ち切りが増えたり、コロナパニックもあって書籍化自体が難しい、「なろう」発のプロ作家様にとって、困難な時期を迎えています。
それ故に、作品を評価していない読者様の評価も取り入れた末のランキング制覇や書籍化、というやり方が広まる理由も分かりますが、そのやり方が少しずつ作者様自身や「小説家になろう」サイトそのものを苦しめる事に繋がり、現実として、既にその兆候が現れ始めていると警戒しなくてはいけないと思いますね。
結論……ポイントクレクレは、やりたい人はやってもいい。
やりたくない人は、失敗すると自己嫌悪になるからやらなくていい。
ポイントクレクレを招く要因を減らす為に、評価する気持ちがある読者様はポジティブな感想だけではなく、ポイントかブクマを入れてあげて欲しい。
読者様も出版社も騙す、詐欺の様な行為は、「小説家になろう」サイト全体の為にも、やらないで欲しい。
……以上です!




