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彼は男爵家の後継者に成りたいだけだった  伯爵? 公爵? 無理無理無理!   続編も始まったよ  作者: お冨
第十章 新しい生活

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王宮への報告

 グレーン・スミス代官、王都へ出てきました。

 一足先にデアモント公爵邸へ移ったマークから、元気にやっていると手紙が来た。

 公爵家の高級使用人の一人が届けてくれて、返事を持ち帰るので待つと、それはそれは丁寧な言葉使いで申し出てくれた。


 公爵家ともなると、私信を出すだけで使者を馬車に乗せなきゃならないんだね。本人が訪問するなら、馬車のグレードが爆上がりして、護衛の騎馬が随行する必要があるんだね。

『そんなわけで、当分、出歩くのは諦めます。公爵邸の敷地だけでも十分な広さがあるので、運動不足の心配はありません。エザール叔父さんの屋敷よりずっと広いと言えば納得してもらえると思います』


 なんてこったい。エザール兄貴が婿入りしたデイネルス侯爵邸で少しは慣れたと思ってたけど、公爵家はその上を行くらしい。


「ご安心を、閣下。今は公爵家の流儀を説明している段階でしょう。知らずに行動すれば礼儀知らずと(そし)られますし、相手から無礼を働かれても気付かないようでは軽く見られてしまいます」

 我が家の代官をしてくれているグレーン卿がにこやかに説明してくれた。さすがスミス公爵家出身。

 マークもグレーン卿みたいに、高貴なオーラをまとうようになるのかな。


「心配しなくても、お忍びで出歩けますよ。その間は家の権威を振りかざさないというのが、暗黙の了解です」

 言われてみれば、デアモント公爵、ご自身で馬に乗って、ちょくちょくランドール伯爵邸に来てたんだっけ。あれお忍びだったんだ。ちっとも忍んでなかったけどさ。

 王都は基本、騎乗禁止だけど、公爵閣下相手じゃ誰も制止できないよなぁ。


「マーク卿への返信と一緒に、公爵家(あて)の訪問の先触れを使者へ預けられますよ。閣下は養父扱いですから親族枠、訪問許可申請と許可の通知を省略できます。先触れだけで訪問可能。むしろわざわざ訪問許可を求めると、隔意があると宣言することになりますから」


「………………」


「大丈夫ですよ、テイラム殿がいれば、そのあたりのアドバイスが貰えます。今は私が王都に出て来てますから、代わりを務めているだけです」


 ちっとも安心できないんですけど。ややこしい礼儀作法なんて俺には無理だよ。全部兄貴に丸投げ出来たら良いんだけど、マークを見捨てたりできないからな。

 うん、マークが頑張っているのに、俺が弱音を吐くわけにはいかないか。頑張ろう。





 

 ランドール伯爵領の代官、グレーン・スミス騎士爵を連れて王城に登城する。

 今日はランドール伯爵としての報告会だ。軍服じゃないのが落ち着かない。貴族の正装って、服に着られている感覚が離れない。


 王城への呼び出しっていうのは、良くも悪くも特別扱いだ。

 普通は領政の報告書とともに、領民から集めた国税を納めて終わり。災害があって国に援助を求めたり、脱税が発覚したりすると呼び出されることになる。


 我が伯爵領の場合は、良い方。神の恩寵の運河、通称海峡に面していて国際貿易港があるし、デパ地下ダンジョンの存在が大きい。


「王宮へ、ですか」

「はい。国王執務室へ出頭願います」


 行政府がある王城。その奥の王宮は、国王執務室と大臣や軍の総司令官の執務室がある国の中枢だ。

 そこへ呼ばれるって、よっぽどですよね。

 今日はミリア同伴じゃないから、聖女関連ってわけでもないですよね。


 グレーン卿に顔を向ける。領政は全部丸投げしてるから、グレーン卿に頼るしかない。


「行きましようか」

 晴れやかな笑顔を返された。


 頼むよ、本当に。


 









 これから王宮で一波乱。オスカー君の波乱万丈の人生、お楽しみいただけてますか。


 お星さまとブックマーク、ありがとうございます。頑張ります。

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