親友
綺麗な赤に染められた空にはカラスが並んで飛んでいる。
その黒さにふと思いつく事があって目線を下に落とすと僕たちの影がある。
二つ並んだ影はどちらもスカートが揺れていて。
この可愛いひらひらが、僕の苦悩の原因だ。
高校生活のスタートからこんなに大変な思いをするとは、初めてこのひらひらに足を通したときは少しも考えていなかった。
でも僕の心はもう痛くない。
「夕貴さん、怒ってるの?」
「君がそう思うのならそうかもしれないな」
素っ気無く言う彼女は頬を膨らましている。これほど分かりやすい意思表示もなかなか無いと思うよ。
「アッハッハ!」
「ふ、ふざけるな!」
僕が花音さんの笑い方を真似すると、彼女はさらに怒って僕にヘッドロックをかけてきた。
大きなおっぱいが当たって気になる。
でも、今の僕はそんな嬉し恥ずかしハプニングが小さい事に思えるほどに幸せだ。
僕の高校生活はこれからスタートするんだ!
「ヘッドロックを受けて満面の笑みを浮かべている!? 女装趣味の上にドMなのか!」
早速あらぬ疑いが掛けられたけどそんなのもう大丈夫だ。
「僕の心の繊細さを理解して!」
「なら君は女心を勉強するといい!」
――僕達は親友だから。
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