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第67話 後始末

 さてと、ギルドからしばらく歩いて門まで着いた。するといつもの門番さんがいて、俺に話しかけてくる。


「おや、ユーマ様、昨日大仕事をしたばかりだというのに、今日も仕事ですかね?」


「そうですね。実は大侵攻のせいで魔物が森に増えすぎてしまっていて。今からそれの後始末に行くところですね。多分もう少ししたら、ギルドからも大勢来ると思いますよ」


「ユーマ様はみなさんと一緒に行かないんですか?」


「俺は一人行動ですね。俺の持っているスキルをあまり人に見られたくないですからね。まぁ俺のわがままですよ。では行ってきますね」


 そう門番さんに告げ、俺は門を出ていく。

 さてと、いつも通りゴルド森林までひとっ走りしますかね。


「いくか」


 俺はその場から全速力で走り出す。

 なにか後ろの方で驚いていたような声が聞こえた気がするが気にしない。


「うひょー、やっぱり風が気持ちいいな!」


 門から全速力で走り出し数分後、無事ゴルド森林に到着した。

 早く着きすぎて、内心散歩感覚だな。


「よし、到着だ。じゃあ早速狩りますかねぇ」


 あ、やべ。グレンさんにどれくらい減らせばいいか聞いてくるの忘れた。うーん、まぁいいか、とりあえず時間ぎりぎりまで片っ端から狩ってくるか。狩りすぎて注意されるということは多分ないだろうからな。


「よし、いくか」


 そうして俺はゴルド森林の中に入っていく。

 するとすぐに今まで見たことない魔物の姿が、


「ん? なんだあいつは」


 外見は前にグレースさんが倒したゴブリンと似ている。 

 しかし大きな角が生えていたり、若干ゴブリンより体が大きかったりと違いはあるな。念のために鑑定してみるとするか。{鑑定}


ホブゴブリンlevel28

力  43

体力 45

素早さ38

幸運 32

{スキル}棒術level1

{称号} なし


 ほう、思っていたより強いな。さすがは平均魔物Cランク以上といったところだろうか。まぁしかし、強いといってもオーク程度。警戒には値しないな。


「気配遮断を使うまでもないだろう。いくか」


 俺はデーモンリッパーを手に持ち、そこそこのスピードでホブゴブリンの背後まで移動し、首に一撃。ホブゴブリンも背後に俺が移動したことに気付き、振りむこうとしたものの、首が地面に落ちるほうが早く、そのまま絶命していった。


「ふむ、やはりこれくらいじゃまともに戦いにならないな」


 まぁ俺の戦闘スタイル的に、戦いになる前に終わらせるのがベストなのでそれに越したことはないのだが。しかし、この程度の敵じゃ経験値もあまり貰えないだろうな。まぁそこは数でカバーするとしようか。

 俺は倒したホブゴブリンをアイテムボックスに入れ、


「よし、狩り再開だ。どんどんやるぞ」


 そして、その後数時間の間、俺はひたすら魔物を狩り続けた。途中までは数を数えながら狩っていたものの、それも100を超えると面倒になり、そこからは何も考えずにひたすら狩っていた。その結果、


「ん? そろそろいい時間になってきたかね。撤退するとするか」


 おそらくだが、いま俺のアイテムボックスの中には今日狩った分だけで、200そこそこの数の魔物の死体が転がっている。まぁこれだけ狩れば十分じゃないだろうか。もし足りなくても、また明日狩りに来ればいいだけの話だ。


「よし、そろそろフロックスに帰るとするか、いやその前に」


 ステータスの確認をしておくとするか。ふふ、サイクロプスを倒した分と、今日のこの魔物乱獲の成果がどんなもんか楽しみだな。


「よし、ステータスオープン」


佐藤悠馬level154

HP1050/1050   

Mp680/680

力  450

体力 450

素早さ270

幸運 850

{スキル}

経験値20倍

スキル経験値20倍

鑑定level10

気配遮断level9

気配察知level2

短剣術level7

魔力操作level4

火魔法level3

水魔法level1

風魔法level1

回復魔法level4

毒抵抗level5

麻痺抵抗level1

料理level1

アイテムボックスlevel5

話術level3

{称号}

異世界転移者

引きこもり

ラビッツハンター

駆け出し魔法使い

駆け出し料理人

むっつりスケベ

首狩り

天然たらし

街の救世主


「はは、やばいな。一気に30以上もlevelが上がるなんて初めてじゃないか。さすがサイクロプスとおまけで今日の乱獲といったところだろうか。さて、能力の上昇は、力と体力が両方400を超えてきたか。力はもう少しでサイクロイプスに並ぶな、そして体力はすでにサイクロプスと同等だ。あんな化け物と同じような力か。嬉しいような悲しいような……まぁいい、次は素早さ、これもかなり上がってきたな。幸運は……うんやばいな。次にスキルだが、いろいろ上がっているようだが、注目は気配遮断が9になっているところだな。正直8から9になって何が変わったのかよくわからんが、まぁ上がる事はいいことだろう。最後に称号になんか恥ずかしいのが増えている」


 おっとまずいまずい、森の中なのに興奮しすぎてしまったな。しかし、ここまで強くなっているとは、想像以上だったな。まぁもっと強い人や魔物もこの世界にはいるかもしれないんだ。ここで満足せず、どんどんlevelを上げていこう。


 さてと、ステータスの確認も済んだことだし、帰るとしますか。

 俺は森の出口に向かい歩き始めた。そして数分後、


「よーし、出れた出れた。じゃあいつも通りフロックスまで走って帰るとしますかね」


 そう思い森から少しだけ離れ、走り出そうとした瞬間、


「はーい、そこのクソガキ止まれ」


 はぁ、気分よく帰れると思っていたのに、邪魔が入ってしまった。少しだけイラっとしながら走るのをやめる。


「よしそこで止まれ、それで金目のもんは全ておいてきな。そうすれば命は助けてやるかもしれねえぞ」


 こいつら、どうせ金なんか出しても助ける気なんかないくせにな。


「はぁ、隠れているおっさんたちも出てきたらどうですか? 多分4~5人はいるはずですよ」


 俺がそう言うと、周りから4人の男が現れる。うーん、気配察知やっぱり便利なスキルだな。


「へぇ、このガキやっぱりゴルド森林に入るだけあってやるねぇ」


「ああ、けど俺たち黒狼にとっちゃ子供も同然だぜ。なんぜ俺たちはAランクの冒険者も倒したことがあるんだからなぁ」


 うむ、好き勝手言ってくれますなぁ。そして最初に俺に話かけてきた、おそらくこの盗賊共の頭らしき男が再度話しかけてくる。


「おい小僧、俺たちの話を聞いていただろう? なら自分はどう行動すればいいかわかるよな?」


 うーん、まぁ一応鑑定してみるとするか。そう思い頭らしき男に{鑑定}


グサロフlevel53

力  98

体力 89

素早さ65

幸運 44

{スキル}剣術level2 棒術level2 

     気配察知level2 気配隠蔽level4

{称号} 盗賊


 ほぉ、中々強いじゃないですか。グレンさんには及ばないまでも、グレースさんなどよりは圧倒的に強そうだ。たしかこいつら黒狼っていったっけ。割と有名なのだろうか。


「おい、どうしたガキ、びびって黙っちまってるのか?」


 まぁいい、こいつらが盗賊なら俺も遠慮しないでも済むからな。俺はアイテムボックスから大剣を取り出し、


「あ、何してんだお前、もしかして俺たちと戦うつ」


「ふん!!」


 俺は取り出した大剣をグサロフという男に向かい投擲する。一応こいつらは有名な盗賊かもしれないので、今回ばかりは頭は狙わず、体を狙うことにする。そして油断していたグサロフに俺の放った大剣がよけれるはずもなく、


「ガフッ!」


 大剣は見事、体を貫通してグサロフは絶命した。


「よし、ストライク」

 

 すると周りの盗賊達は何が起きたか、理解できない顔をして呆然としている。おいおい、お前ら有名な盗賊なんじゃないのかよ。頭がやられたくらいで隙だらけになってどうするよ。そう考えながらも俺は、


「ふん! ふん! ふん!」


 どんどん大剣を盗賊達に投擲していく。それらはすべて命中し、盗賊の数を減らしていく。そして残る盗賊が一人になったとき、


「ひぃいいいいい! すみません、すみません!命だけは助け」


「無理だ」


 最後の一人にも同じように大剣を投擲、見事命中し、絶命した。


「ふぅ、ゴミ掃除終了っと、さて後始末するかね」


 俺は投擲に使った大剣をアイテムボックスの中に戻し、その後盗賊達の死体も同じようにアイテムボックスに中にいれていく。


「よし、終わりっと。しかしこいつらラルド達より格上だろうに、ギルドではなんの情報もなかったな。もしかしたら最近ここらに現れたのかもしれない」


 まぁフロックスに着いてから考えればいいか。とりあえず後始末も済んだんだ。今度こそ帰るとしよう。


 俺はフロックスに向け、全速力で走り出した。







最後まで読んでいただきありがとうございます。

それから評価やブクマなどいつもありがとうございます。

これからもこの調子で頑張っていくのでよろしくお願いします!

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