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第63話 激突

よし、いい朝だ。


今日はいよいよゴルド森林に行くことになる。

気合い入れていかないとな。


ベッドから起き上がり軽くストレッチ。

体に異常はなし。


「よし、行くとするか」


俺は扉を開け1階に向け歩いていく。

1階に着くといつものように声がかかる、


「よっユーマ。こっちだこっち。飯食べようぜ」


イグルだ。昨日はいつもより早く出たみたいだが、今日はいつも通りのようだな。


「ああ、おはようイグル」


そう言いイグルの正面の席に座る。

いつも通りの光景だ。


「でだユーマ! おめえ今日ゴルド森林行くんだろ?」


「おそらくそうなるだろうな。まぁいつも通りにさっさと片づけてここに帰ってくるさ。」


俺がそういうとイグルは少し笑いながら、


「は! ゴルド森林でサイクロプスと戦うってのにおめえはいつも通りなんだな。逆に頼もしいぜ。まぁ俺から言えることはほとんどねえけどよ、死ぬなよ」


「ああ、分かってるさ」


そんな事を話しているうちにサリーが朝食を持ってこちらに来る。

うむ、今日も大変美味しそうだ。


「ユーマさんイグルさんおはようございます! 今日の朝ごはんです」


その後、最高の朝ごはんをイグルと二人で速攻で腹に納め、


「よっしゃ! じゃあユーマ俺は先に依頼でも行ってくるからよ」


「ああ、俺ももう少ししたら行くとするよ」


そう言い俺とイグルは別れ、イグルは先にジニアを出ていった。


さて、俺も行くとするかな。

そう思いジニアを出て行こうと思った瞬間、


「ユ。ユーマさん」


サリーに声をかけられる。


「ユーマさん、その、気を付けて行ってきてくださいね」


「ああ、分かってるさ」


俺がそういうとサリーは一瞬笑顔になったものの、またすぐ沈んで顔になってしまう。だめだな、サリーには笑顔でいてほしい。


「サリー」


「は、はい。なんでしょうか」


俺はサリーを安心させるため少し笑みを浮かべながら、


「今日行くところはさ、結構大変なとこなんだ」


「はい……」


「それでさ、多分帰ってきたら相当腹が減ってると思う。だから今日もサリーの作った夕飯楽しみにしてるからさ。よろしくな」


俺がそういうとサリーはやっと本来の笑顔を浮かべ、


「は、はい! いつも通り、いえ私の作れる最高の夕飯を作って待ってます! だからユーマさんも無事に帰ってきてくださいね!」


「ああ、分かった。必ず戻る。じゃあ行ってくるよ」


そうして最後に軽くサリーの頭を撫でて俺はジニアから出ていく。


よし、ギルドに行くとするか。

その後ギルドに数分で着き、扉を開け中に入る。


ふむ、今日は結構人が多いな。

まぁいい、俺はメルさんの元へと向かう。


「こんにちはメルさん。分かっているとは思いますが、ゴルド森林の調査の結果を聞きにきました。」


「来たわねユーマ君。じゃあ早速調査の結果から言うわね。今現在ゴルド森林には一体の上位種がいるわ。知っているとは思うけどサイクロプスって魔物がね。」


やはり、サイクロプスか。

しかし幸いな事にほかの場所のように複数いることはなく、一体だけのようだ。

これはかなりの朗報だな。


「そうですか、一体だけ。それならなんとかなりそうですね」


「油断しちゃだめよ。サイクロプスって言ったらSランク冒険者でも手こずる魔物よ。一応Aランクだけどその強さは限りなくSランクに近い。小さな村や街なんかはこの魔物一匹で滅ぼされたって報告もあるくらいよ」


「大丈夫です。油断なんか元からしてませんよ。俺のもてる全力で処分します」


「それならいいわ。じゃあユーマ君、気を付けて行ってきてね。危なくなったらすぐ帰ってくるのよ。たとえ逃げ帰ってきたとしても誰もあなたを責めたりはしないからね」


「分かりました。では行ってきます」


そうメルさんに言い俺はギルドを出るべく出口に向かう。

すると周りの冒険者から、


「首狩りー、気合い入れてけよ!」


「とっととサイクロプスの首もぎ取ってきちまえいな!」


「危なくなったらすぐ帰って来いよ! おめえがいなくなってこの街くらい俺たちだけで守ってやるからよ!」


そう周りの冒険者が俺に向かい言ってくる。

は!この人達、少し前まで俺の事を怖がっていたはずに調子のいいもんだな。

しかし悪い気は不思議としない。

俺は周りの人達に、


「必ず、サイクロプスを仕留めて帰ってくる」


そう宣言してやると、


「「「おおおおおおおおおおおおおおおおおお」」」


ギルド内はめちゃくちゃ盛り上がっていた。


その後ギルドを出て、街の出口の門へと向かう。

数分で門まで着き、いつもの門番さんが、


「ユーマ様、噂は聞きました。気を付けていってらっしゃいませ」


「心配ありがとうございます。では行ってきますね」


門番さんと少し握手をして別れる。


さて、いよいよゴルド森林だ。

地図は見る限りここらへんだな。

よし、いつも通り行くとしますかね!


そして俺はいつも通り走ってゴルド森林へ向かっていく。

そして数十分後、


「ここか、オーガス森林やストン森林と比べると格段に広いな」


これはサイクロプスを見つけるまで時間かかりそうだ。

そう思いながら俺はゴルド森林の中へと足を踏み入れる。


それから数分、早速一匹目の魔物を発見した。


「あれは、オークか? いや少しだけ色が違うな」


俺の目の前にいたのはオークともオークキングとも色が違うオークだった。

大きさはオークを少し大きくしたくらいだ。

よし、とりあえず鑑定してみるとするか。

{鑑定}


ハイオークlevel37

力  87 

体力 76 

素早さ34 

幸運 23

{スキル}なし

{称号} なし


ふむ、丁度オークとオークキングの半々くらいの戦闘力だな。

そういえば前にグレースさんがハイオークの事を言ってたような気がするな。

まぁいい、とりあえず目の前にいるんだ。狩るか。


「サイクロプス前の準備運動だ」


アイテムボックスからテーモンリッパーを取り出し、気配遮断を使い。


「いくか」


一瞬でハイオークの背後に回り、首に向かい一撃。

するとハイオークの首は何の抵抗もなく俺の足元に転がり落ちた。


「よし、今日も絶好調だ」


さて、じゃあサイクロプス探しを続行しますかね。

そう思い森のさらに奥へと歩いていく。

そして数分後、意外にも簡単にサイクロプスは見つかった。

見つかったのだが、


「はは、こいつがサイクロプスか。なんて迫力だよ……」


巨人、簡単に見た目を説明するとこうなるだろう。

顔は大きな口に目が一つ大きな物がついている。

身長は軽く4メートルを超えている。

そして体はまるで筋肉の鎧でも着ているかのようだ。


確信する。今俺の前にいる生物は今まで戦った何よりも強い。

オークキングなど比べ物にならない。次元が違いすぎる。

これが、Sランクに限りなく近いとされる魔物か……


ふぅ、今更焦っても仕方ないな

とりあえず{鑑定}


サイクロプスlevel132

力  480

体力 450

素早さ138

幸運 98

{スキル} 雄たけびlevel3 威圧level4

{称号}  なし


ふむ、スキルに特に変わった物はない。

ただ、単純に強い。力、体力などはlevelが上がった俺でもまったく及ばない。

だが素早さは俺の方が上だ。

一撃で倒せなかった場合は、マルブタのようにヒット&アウェイで戦えばいい。


大丈夫だ、俺なら倒せる。

そう自分に言い聞かせ心を落ち着かせること数分、


デーモンリッパーを取り出し、気配遮断を使い、

よし、行くか。


まずは様子見……なんて事は当然ない。

最初から急所の首狙いだ。


「いくぞ」


サイクロプスの首めがけて走り出す。

そして首の高さまで跳躍し、


「死ね!」


魔力を込めたデーモンリッパーで首を切りつける!

手ごたえありだ!しかし、


「ガァアアアアアア!」


ち、こいつ、皮膚が硬すぎるぞ!

オークキングの比じゃない。

魔力を込めた一撃で首の半分も切れていないなんて……

俺がそんな事を考えていると、


「ガアアアアアア!」


サイクロプスはその長い手で辺り一面を殴り始めた。

こいつ、俺の姿が見えないからって無差別攻撃か!

しかし、なんて威力だよ。こいつの拳が偶然当たった大木を見てみると、中心から折れてしまっている。こんなの普通に人間が一撃でも食らえばミンチ確定だろう。


こんな状況で首を狙い空中に出ることはできないな。

確実に自殺行為だ。

まずは、足から崩してやる。


幸いな事にサイプロプスの攻撃は一撃一撃は強いが、その分あまりスピードがない。今の俺なら十分に見切れる速さだ。


よし、いくぞ。

俺はサイクロプスの攻撃を掻い潜り懐に入っていく。

そしてサイクロプスの巨大な足を全力で斬りつける!


「ガアアアアアアア!」


サイクロプスは痛みを感じ少しだけ動きが鈍る、だがすぐ元に戻り、また辺りを無差別に攻撃しだす。


くそ、こうなったら何度でも斬りつけてやる!

俺はその後数分の間、サイクロプスの足のほぼ同じ個所を斬り続けた。

その結果、


「ガァァアァ」


来た、サイクロプスが膝を折り、無差別攻撃が止まった。

チャンスだ!

俺はそう思いサイクロプスの首まで跳躍し、


「今度こそ、死ね!」


サイクロプスの首を最大の力で切り裂く!

今度こそ決まった!そう思った瞬間、


「ぐぁぁあああああ」


サイクロプスの横殴りの一撃が空中で動けない俺に当たってしまう。

その威力はすさまじく、俺はボールのような勢いで吹き飛ばされていった。


「ぐぅ!!」


大木に激突することでやっと吹き飛ばされた俺の体は止まった。

俺はまともに動かない体を無理やり動かし、MPポーションで回復。

そして自分の体にヒールをかけ続けた。


「ふぅ、ようやくまともに動けるくらいには回復したか」


しかし、なんて威力だ。

回復魔法が使えたからいいものの、普通のやつは完全にお陀仏だ。

これがSランクに限りなく近いAランクの力か。


「よし、十分に回復することができた。急いで元の場所に戻ろう。逃げられでもしたら面倒だ」


そして俺はサイクロプスと戦っていた場所に戻っていく。

すると、


「なるほどな、あれはお前の最後の力だったってわけか」


俺の目の前にはすでに虫の息のサイクロプスが横たわっていた。

おそらくだが、ここまま放っておけばあと数分で死ぬだろう。

しかし、


「止めくらいはさしてやるさ」


俺はデーモンリッパーに魔力を込め、


「じゃあな」


全力の一撃でサイクロプスの首を断ち切った。








最後まで読んでいただきありがとうございます。

それから評価やブクマなどいつもありがとうございます。

これからもこの調子で頑張っていくのでよろしくお願いします!

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