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第60話 殲滅

よし、これでいいな。


リサの店を出て数分後、俺は街の門まで来ていた。

ちゃんと店で買った指輪はすでに装備済みだ。

アイテムボックスの中にポーションもかなりある、準備万端だ。

行くか!そう思いとりあえずいつもの門番さんに挨拶をする、


「こんにちは、通らせてもらいますね」


俺がそう声をかけると門番さんは真剣な顔で、


「ユーマ様、昨日の領主様の話聞きました。やはり思った通りユーマ様は大侵攻を止めるために戦っていらっしゃったのですね。ありがとうございます」


「いえいえ、俺自身この街がなくなってしまうと困るので自分のためですよ」


「理由がどうあれ街を救うために戦っているということは事実ですよ。私達街の人々はみなユーマ様に感謝しております」


そこまで言われるとさすがに少し照れくさいな。


「まぁ感謝はありがたく受け取っておくことにします。では俺はこれからストン森林へ向かいますので。まぁ多分日が落ちるまでには戻ると思います」


「そうですか、どうかお気をつけていってらっしゃいませ」


そういい門番さんは俺に頭を上げたので俺も軽く頭を下げる。

そして門を抜けフロックスのから出る。

さて、ここからストン森林までどれくらいかかるだろうか。

とりあえずは、


「走っていきますかね」


俺はその場から消えたように走り去っていく。

やばいな、オーガス森林から帰る時は、マルブタを背負っていたのであまり感じなかったが、また早くなっている。

これならすぐ着くことができるだろう、俺の予想通り数分後には、


「よし、ストン森林到着だ」


無事ストン森林に着くことができた。

コカトリスの依頼以降来ていなかったので無事着いてよかったよかった。

さて、では早速、


「ゴリトリスを探すか! と言いたいところだが」


まずはコカトリスを探してデーモンリッパーの魔力上乗せを試すか。

そう思い俺はストン森林の中に入っていく、

そして数分後、


「お、いたいた。コカトリスだ。思ったより早く見つかったな。それか大侵攻の影響で数が多くなっているのだろうか」


まぁいい、とりあえずは実験だ。

アイテムボックスの中からデーモンリッパーを取り出し、気配遮断を使い、


「いくか」


一気にコカトリスの背後まで近寄り、デーモンリッパーに魔力を込める。前と同じで少しだけ刀身が伸びたような感覚になる。よしいくぞ!


「しっ!」


コカトリスの首めがけデーモンリッパーを振りぬく。

その一撃はコカトリスの首を簡単に切断し、悲鳴を上げることなく絶命した。


さて、問題はここからだ!

そう意識した瞬間、一気に俺の視界が揺らぎだす。

しかし前回に使った時ほどひどくはない、前回に使ったときは立っているのもつらい状態だったが、今は立って歩けるくらいだ。


おっと、MPの確認をしないとな。

そう思いステータスを開き残りMPを確認する。すると4分の一程度は残っていた。


「いいぞ! 前に使ったときはMPがほとんどなくなっていた、しかし今回はまだ気配遮断を2分程度使えるくらいは残っている、これなら実践でも十分使える」


おっと、ついつい興奮してMPを回復するのを忘れていた。

アイテムボックスの中からMPポーションを取り出しがぶ飲みする。


「さて、実験は成功だな。これならゴリトリスとの闘いでも十分使える」


よし、早速ゴリトリスを探しにいくとするか。

たしかメルさんの話だと3体だったな。

ゴリトリスを探しにストン森林の奥へと進んでいく、


探索を初めて数十分後、

ゴリトリスらしき魔物を発見することができた。できたのだが、


「あ、あれがゴリトリス……実際に見てみるとあれはやばいな……」


体の特徴は比較的コカトリスと似通っている。

しかし、体の大きさがコカトリスの2倍近くあり、それに加えて足などがはち切れそうなほどの筋肉でおおわれている!

正直かなり不気味だ……


「と、とりあえず鑑定してみるか」


ゴリトリスlevel76

力  142

体力 156

素早さ183

幸運 120

{スキル}毒level4 格闘術level2 

     威圧level2

{称号} なし


やばい、想像していた以上の強さだ。

すべての能力がバランスよく高い、特に素早さなどは俺と比べてもほとんど差はない。やはり最初の一撃で仕留めるのが一番だなこいつは。

そしてスキル、毒のlevelもコカトリスの2倍だ。

あと鳥の癖になんで格闘術なんてスキル持ってんだよこいつは!!


さて、少し興奮してしまったがとりあえずこいつ倒すか。

作戦だが、まぁ単純に気配遮断で背後に回り一撃を食らわすしかないだろう。

俺の戦い方って基本それしかないからな。戦いになる前に倒す。


アイテムボックスから武器を取り出し、気配遮断を使い、


「いくぞ、ゴリトリス」


ゴリトリスの背後に向けて一気に駆け出す。

背後まで行っても気づいた様子はない。

いける! デーモンリッパーに魔力を込め、

きまってくれよ!


魔力を込めた一撃がゴリトリスの首に直撃する!

これは完全に決まった。

次の瞬間ゴリトリスの首は地面に転がった。


そしてゴリトリスの首を失った体はゆっくり倒れ込んだ。


「ふぅ、よし、まずは一匹目だ」


とりあえず倒したゴリトリスの体をアイテムボックスに入れ、その場に腰を下ろす。


「やっぱりいくら上位種って言っても、無防備な状態に必殺の一撃を首に叩き込めば耐えられないようだ。今更ながらやはり気配遮断はチートスキルだと実感するな」


とりあえず減ったMPを回復させるか。

再びMPポーションをがぶ飲みする。


「よし、MPも満タンになったし早速2体目を探すとするか」


再び森の奥へ進んでいく。

ちなみに何匹かコカトリスと遭遇したので適当に倒してきている。

しかし、オークの時と比べて数が思ったより多くないな。

そして数十分歩いた結果大きな広場のような場所にでた。

しかしそこには、


「おいおい、これはさすがに無理だろう」


そこにはゴリトリス2匹と数十匹のコカトリスが集まっていた。


「さすがに気配遮断を使ったとしてもこの数はちょっときつくないかね……仕方ない、まだ日が落ちるまでかなり時間はある。この場にしばらくとどまり、離れたやつから順番に始末していくとするか」


そしてその作戦から数時間、

作戦どおり最初の数匹はうまく始末できていた。

しかし、


「こいつら、思った以上にきっちり統率されてるな」


数匹作戦通りに始末したあと、こいつらはそれっきりこの場から動かなくなった。おそらくあのゴリトリスの2匹がうまくコカトリスを統率しているのだろう。


「しかし困ったな、こいつらもうここから動くつもりはなさそうだ。しかもあいつらゴリトリスの指示なのかしっかり固まっている。これじゃ外側にいるやつから仕留めるのも難しそうだ」


となると強引に攻めるしかなさそうだな。

まずこういう群れを崩す場合は頭を先に潰すべきだ。

つまり最初はゴリトリス狙いだ。


しかし攻め込むにもなにか切っ掛けがほしいな。

なにかあいつらの混乱を誘うような。


そこで俺はオーガス森林の時のオークキングを思い出した。

はは、いい手があるじゃないか。

これならゴリトリス達の気をそらすことができそうだ。


もし毒を食らってしまったとしても指輪もある。

一瞬で石になってしまうということはないだろう。

それに、優秀な盾もある。

よしいくか!


デーモンリッパーを手に持ち、気配遮断を使う。

そして今回はアイテムボックスの中からある物を取り出し、


「そぉら!!」


俺はアイテムボックスから取り出した、ゴリトリスの首をやつらの中心に投げ込んだ。 


「ゴケエエエエエエエ」


「コケケエケエエエエエ!」


思った通りだ、広場は一瞬で騒がしくなった!

これならいける。


俺はやつらが混乱しているうちにゴリトリスの一匹に近寄り、


「死ね」


魔力を乗せた一撃でゴリトリスの首を刈り取る。

しかし、


「ゴケエエエエエエ!」


ちっ! もう一匹のゴリトリスが混乱から立ち直りこちらにブレスを放とうとしている。それにつられ俺の周りのコカトリスも俺に向かいブレスを放とうとする。


まずいな……これはよけられない。

仕方ない、ここはあいつらの出番だ!


「ゴケエエエエエエエエ!」


「コケエエエエエエ!」


俺に向かってブレスが放たれる!


「でろ! オークキング……の死体達」


その瞬間、やつらのブレスは俺の召喚したオークキング達によって阻まれる。

その隙に俺はポーションを取り出しMPを回復させる。


「ゴケケケケェェェ」


そろそろブレスが切れる時間のようだ。

俺は石になったオークキングの死体の上に乗り、ゴリトリスの居場所を確かめ、そこに向かって全速力で走る。


そしてその勢いのまま、


「じゃあな」


魔力を込めた一撃で、ゴリトリスの首を切断した。


すると周りのコカトリスは頭が死んでぼーぜんとしている。

群れというのはこうなるともろいものだな。

俺は残った大量のコカトリスを一匹一匹始末していった。


数十分後、


「はー、終わった終わったー」


俺は地面に座り一息つく。

その周りには二匹の首なしゴリトリスの死体と、大量の首なしコカトリスの死体が転がっていた……





最後まで読んでいただきありがとうございます。

それから評価やブクマなどいつもありがとうございます。

これからもこの調子で頑張っていくのでよろしくお願いします!

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