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第37話 ポイズンナイフ


あの後数十分ほど商品を見せてもらった。

中々有用そうな物もたくさんあった。


中でも一番俺の目を引いたのは……


「なぁリサ、このナイフなんだけど、どんなものなんだ?」


「まさかそんな物に興味を持つとは思わなかったよ。それはねポイズンナイフっていうマジックアイテムなんだ」


ほう、ポイズンナイフか。

名前から察するに傷をつけた相手を毒状態にするみたいな物だろうか。


「どんな性能なのか聞いてもいいか?」


「えーとね名前で分かるとは思うけどそのナイフで傷をつけられた相手は軽い毒にかかるんだ。軽い毒だからヒールとか毒消しポーションで治っちゃうんだけどね」


なるほどな、だが逆を言えばヒールを使えない相手やポーションを持ってない相手にとっては脅威だなこれは……


「あと傷をつけられた相手は少しの間動きが遅くなるみたいだよ」


なに!まさか軽度なマヒ状態にする効果も持っているのか!

それなら使い勝手は段違いに跳ね上がるぞ!

一回試してみたいところだ……


「なぁリサ、このナイフ是非買いたいのだが一回効果を確かめさせてもらってもいいか?」


俺がそうリサに質問すると、


「それは全然いいんだけど、どうやって効果を確かめるんだい?」


「そうかありがとう」


効果を確かめる方法か。

まぁこれしかないだろう。

そう考え俺は自分の腕をポイズンナイフで切り付けた。


リサは非常に驚いた顔になり、


「な、何をしているんだ!!そのナイフには毒があるんだよ!」


分かっているさ、だけど実際の効果を確かめるのはこれが一番早い。

ふむ、たしかに体が若干ではあるが動きづらい。

それに気だるさも感じるな。これが毒の効果か……

一応ステータスで確認しておくとしよう。{ステータス}

ふむ、たしかに毒level1と麻痺level1がついているな。こいつは本物だ。


「リサ、このポイズンナイフ買わせてもらってもいいか?かなり気に入った!」


「いやいやいや!商品を買ってくれるのはうれしいんだが、君は大丈夫なのかい?毒が回っているはずなんだけど……」


ああ、忘れていたな。

治しておくか、{ヒール}

よし治ったみたいだな。


「ふぅ、ヒールで治したからもう大丈夫だ。さて話を戻すがこのポイズンナイフ是非買いたいのだが、値段のほうはいくらくらいなんだ?」


俺がそういうとリサは若干呆れたような顔になり、


「はぁ、もういいや……それでそのポイズンナイフなんだけど値段は金貨1枚だよ」


ほう、さすがに高いな。

だがラルドやコカトリスの件で金の入っている俺には買えない値段じゃない。


「そうか、なら買わせてもらうとしよう」


「結構高価だと思うんだけど迷わず買うんだね?私が高く売りつけているとは思わないの?」


「俺はこのポイズンナイフに金貨1枚の価値があると思ったから買うだけさ。それに少し話をしてみてリサは人を騙すような奴じゃないってのは分かってるつもりだ。」


俺がそういうとリサは少し照れたような顔をしていた。

うむ可愛い。


そうして俺は金貨1枚をリサに払い無事にポイズンナイフを手に入れた。

うむ、大満足だ。


さてあまり長々といるのも悪いだろう。

そろそろ出るとするかな。

そういえば途中からすっかり忘れていたんだがサリーは何をしているんだろう。


「なぁリサ、そろそろ行こうかと思っているんだが、サリーはどこにいるんだ?」


「サリーならあっちの日常生活用のマジックアイテムをずっと見てるよ」


あ、本当だいた。


「サリーそろそろ帰らないか?」


俺がそう声をかけるとサリーは俺の方に近寄ってきて、


「ユーマさん!もう用は済んだんですか!?」


「ああ、いい買い物をさせてもらったよ。大満足だ。それであまり長々といても悪いしそろそろ帰らないか?」


「そうですね!じゃあリサまたくるね!少しは体によくて体力つきそうな物食べるんだよ!いつもみたいに携帯食料ばっかり食べてちゃだめだからね」


携帯食料、だと、、あのグレースさんをしてかなりまずいと言わしめた、

あの携帯食料ばかり普段は食べているというのかリサは!


「わかってるさ。けどあれは栄養は満点なんだけどなぁ。じゃあまたねサリー。ユーマ君も今日は来てくれてありがとね。」


「こっちこそいい買い物をさせてもらったさ。また来るよ」


そう言い残し俺とサリーはリサの店から出ていった。


「さてサリー、これからどうする?」


「そうですね、私はジニアで仕事があるのでそろそろ帰ろうと思っています」


「そうか、ならジニアまで送っていくよ」


数分後俺とサリーは無事ジニアまで戻り、


「ユーマさん今日はありがとうございました!リサもすごい喜んでいたと思います。あの子店に引きこもってばっかりだからあんまり人と話をする機会がなくて、今日はすごい楽しそうでした!」


ほう、引きこもりか。昔の俺と似たようなものだな。

まぁあの子は仕事をしている時点で俺より遥かに立派だが……


「それならよかった。じゃあ俺はギルドに少し顔を出してみるとするよ。またなサリー」


「はい!今日もおいしいご飯作って待ってますね!」


そうサリーに言い残し俺はギルドまで歩いて行った。


数分後無事にギルドに着くことができ、ギルドの中に入っていく。

ふむ。相変わらず多くの視線を感じるな。

単純な興味の視線、かすなに敵意を含んだ視線、色々だ。

まぁいちいと気にしていても仕方がない。

とりあえず依頼でも見てみるかな。


ふむ、やはりCランクの依頼になると討伐系の依頼が多いな。

お!このオーク討伐なんかいいんじゃないのか!

場所は……どこだ!どこかで地図かなんか売ってないものだろうか。

あとでメルさんに聞いてみるとしよう。


俺はその依頼を受けると決めた。


「こんにちはメルさん」


「いらっしゃいユーマ君。今日は依頼を受けに?」


「はい。このオーク討伐を受けてみようかと思います。それでなんですがこのオークのいる森の場所がわからないので地図かなにか売っていませんかね?」


「地図ならここで売ってるわよ。一枚3銅貨ね」


よかったどうやら地図はここで買えるようだ。

しかも想像していたより安い。


「なら買わせていただきます」


俺はメルさんに銅貨3枚を渡し地図を受け取った。


「それで受ける依頼はオーク討伐でよかったかしら」


「はい」


「ほんとユーマ君は規格外ね。ギルドに登録した次の日にオークの討伐なんて。まぁコカトリスを倒せるユーマ君なら心配ないでしょうけど気をつけていってきてね」


「大丈夫。油断なんかしませんよ。けど心配してくださってありがとうございます。では行ってきますね」


メルさんにそう言い残し俺はギルドを後にしようとした。

そのとき、





「おいこら新人!調子乗ってんじゃねえぞ!!!」






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