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第32話 コカトリス

「ほ、本当に依頼受けてくれるんですか!?」


「ああ受けるよ。あと俺の名前はユーマ。君の名前も教えてもらってもいいかな?あと母親の名前も」


「は、はい私の名前はサリーって言います。サリーって呼んでください。母さんの名前はサリアっていいます。よろしくお願いしますユーマさん」


マリアさんの妹の名前はサリア、確定だな……


「ああよろしくサリー」


俺とサリーがそんな話をしていると横からグレースさんが。


「おいユーマお前本当に依頼受けるのか?正直言ってコカトリスはお前でも危険だぞ。今回はよく考えたほうが身のためだぜ。」


「そうですね。たしかにコカトリスは危険な相手だと思いますよ。実際俺は見たこともない訳ですしどんな攻撃をしてくるかも分からない」


「だったらよ!」


「けどこの子はマリアさんの妹さんの娘。それで十分じゃないですか。俺はあの家族には世話になった。少しでも恩返しをしたいんです。それに俺にだってなんの考えもなくこんなこといってるわけじゃないです。ちゃんと考えはありますよ」


俺は自分の知り合いには甘いのだ。それ以外はどうなろうと知ったことじゃないが。


俺がそういうとグレースさんはどこかあきらめたような顔で。


「わかったよ!そこまで言うならとっととコカトリス倒して来い!それで帰ってきたら俺が飯おごってやるからよ!」


「それは楽しみですね。ということでサリー、君の依頼は俺が受けるよ。必ずコカトリスを倒してくる」


俺がそういうとサリーさんは少し涙ぐんだ顔で。


「ありがとうございます!正直もうダメかと思いました。」


そうときまれば。


「では受付のお姉さんこの依頼受けさせてもらいますね」


「私の名前はメルよ。本当前代未聞よ。冒険者に登録したばかりの子がコカトリス討伐の依頼を受けるなんて」


だろうな。


「はい。依頼の手続きは完了したわ。気を付けていってらっしゃいね。ユーマ君は将来有望な冒険者なんだから無事戻ってきなさいよ」


どうやら俺は将来有望らしい。



さて依頼は受けた。あとは準備だな


「グレースさん申し訳ないですが道具屋に案内してもらってもいいですかね?もしもの時のためにポーションなどを買っておきたいので」


「そんなことならお安い御用だぜ!」


「ありがとうございます。じゃあサリー行ってくるね。」


「はい。私のためにすいません気を付けて……」


「ああ。心配しないで待っててね」



そう声をかけ俺とグレースさんはギルドを出て道具屋に向かった



数分後道具屋に着くことができ。

定員のおばさんに早速


「すみませんポーションを買いたいのですが、MPを回復させるポーションってありますかね?」


「あるよ。よく学園の生徒達が買っていくからね」


学園の生徒?ああグレースさんに聞いたフロックス魔法学園のことか。


「ならHPとMPのポーションを両方買いたいのですが値段はいくらですか?」


「HPの方は銅貨1枚でMPの方は銅貨2枚だね」


ほう、MPのほうが高いのか


「ならHPの方は10本ほど、MPの方は在庫どのくらいありますか?」


「いまは10個程あるね」


「ならMPのほうも10本もらいます。金貨でお支払いしてもいいですかね?」


「いいよ。いまお釣り数えるから少しまってな」


「銀貨7枚ですね」


「あんた計算早いね、はいよ」


「ありがとうございます」


よしこれであれをやる準備はできたな。


そして俺とグレースさんは門までやってきて、


「すまねえなユーマ。本当は俺がついて行ってやりたいんだが」


「さすがに武器がないんじゃ仕方ないですよ」


「そうだけどな……まぁ今更こんな事いっても仕方ねえな!ユーマ死ぬんじゃねえぞ!毒だけには気を付けろ!あいつのブレスだけはくらうな!」


「わかりました。では行ってきますね。できるだけ早く帰るようにします」


「ああいって来い!」



そして俺はストン森林へ向かうために街をでた。



「ふぅ、久しぶりに一人だな。グレースさんといるときも楽しかったけどやっぱり一人は一人でいいな」


さてストン森林までの距離は結構ある。

時間も限られているわけだし走っていくとするか。


「よしいくか」


そうして俺はストン森林に向けて走り出した。

やはりlevelが上がって素早さが上がった影響だろう。

前の世界では絶対に走ることができないスピードで走りしかもほとんど疲れない。走り始めてものの数分でストン森林にたどり着くことができた。


「やはり信じられない速さだな。」


さて無事ストン森林にたどり着いたわけだが入るまえにまずやることがある。


たしかグレースさんはコカトリスの毒を治すにはlevel3以上の回復魔法が必要だと言っていた。俺のいまの回復魔法はlevel1。全然足りないわけだが、足りないなら上げてしまえばいいだけの話だ。


俺はナイフを取り出し自分の指に傷をつけたそしてその指に。


「ヒール」


傷は瞬く間に治っていく。

魔法は使えば使うだけlevelが上がる。つまりこれを繰り返せばlevelも上がるだろう。後の問題はMPだけだが回復ポーションもかなりの数を買い込んだ。これなら心配はいらないだろう。そうときまれば。


「ヒール、ヒール、ヒール、ヒール、ヒール、ヒール、ヒール、ヒール、ヒール、ヒール、ヒール、ヒール、ヒール、ヒール、ヒール、ヒール、ヒール、ヒール、ヒール、ヒール、ヒール、ヒール、ヒール、ヒール、ヒール、ヒール、ヒール、ヒール、ヒール、ヒール、ヒール、ヒール、ヒール、ヒール、ヒール、ヒール、ヒール、ヒール、ヒール、ヒール、ヒール、ヒール、ヒール、ヒール、ヒール、ヒール、ヒール、ヒール、ヒール、ヒール、ヒール、ヒール、ヒール、ヒール、ヒール、ヒール、ヒール、ヒール、ヒール、ヒール、ヒール、ヒール、ヒール、ヒール、ヒール、ヒール、ヒール、ヒール、」


……そろそろいいだろうか、そう思いステータスを確認してみる。無事回復魔法はlevel3になっていた。さすがスキル成長20倍だな。減ったMPを回復させるためにポーションを飲み、


「よしこれで準備完了だな。行くか」


森に入って数分後視界の端で何かが動いた。

これはいきなりコカトリスか!?

そう思い細心の注意を払いいつでも気配遮断を発動できるようにする。


そして草むらから出てきたのは。


「はぁ……またお前かよ、ラビッツ。」


俺にとっては異世界に来てからの付き合いのラビッツだった。本当にこいつどこにでもいるな……俺は適当にラビッツの首を掻っ切りアイテムボックスにしまい込んだ。


探し初めてさらに数分後。

ついに目的の魔物を見つけることに成功した。


「お、あいつっぽいなニワトリやら蛇やら混ぜ込んだような魔物。一応確かめてみよう。{鑑定}」


コカトリスlevel22

攻撃32

体力34

素早さ35

幸運18

{スキル}毒level2

{称号}なし


ほう、いままで見た魔物の中で間違いなく一番強いな……

毒もあるので真正面から挑めばかなり厄介だろう。正面から挑めばだけどな。

魔法で仕留めてもいいだろうがもしよけられたりして警戒されても面倒だ。確実に仕留めに行く。


「いくか……」


気配遮断を使いコカトリスの背後に回り首にナイフを刺し込みそのまま掻っ切る!なんの抵抗もなくコカトリスは絶命した。



「ふぅ、何事もなく終わってくれてよかったな。回復魔法上げる意味はなかったように思うけどまぁ保険は大事だからな。いつもならステータスでも見たいところだがサリーとついでにグレースさんが待っててくれるかもしれない。急いで帰るとするか」




そう思い俺はコカトリスを素早くアイテムボックスにしまい込むと早々と森から脱出し街へと走っていった。

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