表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
217/219

成長の過程では、休息も時々必要。――11

 ジャンピングストンプは、チャージタイム0秒、クールタイム1分の物理攻撃。『一旦(いったん)、大ジャンプをしてから相手を踏み付ける』スキルだ。


 大ジャンプしてから攻撃するため、タイミングを見極めれば相手の攻撃を回避し、カウンターを見舞うことができる。


『ゲロッ!』

『QUURURURU!!』


 驚愕(きょうがく)しているハルバードスキュラの顔面をケロが踏みつけた。大ダメージとは言えないが、回避と攻撃を同時に行えたのはデカい。


『QUURURU……!』


 憤慨(ふんがい)するように赤い体をさらに赤くさせて、ハルバードスキュラが矛を上段に構える。二連続物理攻撃『アークスラッシュ』の準備だ。


 ハルバードスキュラの攻撃性能は高い。ケロ一体で受けきるのは難しいだろう。


 しかし、ハルバードスキュラの相手をしているのはケロだけじゃない。クラクラもいる。


 クラクラは味方を(かば)うガーディアンフォースを習得しているし、タウントでヘイトを稼ぐこともできる。いざとなれば、ケロに代わってハルバードスキュラの引きつけを(にな)えるんだ。


 ハルバードスキュラは、ケロとクラクラに任せて大丈夫だろう。


『ミュッ!』


 モルモルがルートラッシュを発動させた。


 大量の木の根っこが地面から生え、2体のスキュラの体に巻き付き、四方八方から打ち()える。


 ダメージこそ大したものではないが、追加効果でスキュラたちのAGIが20%減少した。


『キュイッ!』


 そこでルルのマナプレスが発動する。


 このマナプレスこそ、レイシーがルルを活躍させるべく見出(みいだ)したスキルだ。


 マナプレスは、『STRでなくINTに依存(いそん)する』物理攻撃スキル。そう。魔法スキルではなく物理スキルだ。


 物理攻撃であるため、固有アビリティ『軟弱の呪力』の恩恵を受けられる。『相手のVITとMNDを20%下げる』追加効果が付与されるんだ。


 INT依存であるため、ルル=スクワールマギカの高いINTを活用でき、しかも相手の防御性能を下げる追加効果も乗る。ルルにとって、マナプレスほど有用な攻撃スキルはない。


 自分ひとりでそのことに気づけたんだから、レイシーも成長したもんだ。


 俺が感心するなか、ルルが杖を掲げた。


 杖の先から青白い球体が浮かび上がり、シールドスキュラの頭上に向かう。


『キュイッ!』


 ルルが杖を振り下ろすと、球体はその体積を増し、勢いよくシールドスキュラの脳天を叩いた。


『QUURARARA!?』


 シールドスキュラの頭がへこむ。かなりのダメージを与え、しかも防御性能もダウンさせられた。素晴らしい仕事だ。


「たたみかけるわよ、モルモル! 『リーフラッシュ』!」

「ルルもリーフラッシュです!」

『ミュゥ……!』

『キュイ……!』


 モルモルが両腕を広げ、ルルが杖をゆらゆらと揺らす。同時、大量の()()がモルモルとルルの周りに生じた。木属性の魔法攻撃『リーフラッシュ』の構え。チャージタイムは5秒、クールタイムは10秒だ。


『クワァッ!』


 ガーガーも攻撃に加わる。


 ガーガーの両翼が(まばゆ)く輝き、無数の(いかずち)がシールドスキュラ目がけて放たれた。『30%の確率で相手のDEXを30%減少させる』追加効果を持つ、雷属性の魔法攻撃『ライトニングフラッシュ』。


 雷光がシールドスキュラに襲いかかり――


『QUUUUUURARARARA!!』


 絶叫がドーム内に響いた。


 これまでにない苦しみ(よう)。それもそのはず。水属性のシールドスキュラにとって、雷属性は弱点なのだから。


 ルルの『軟弱の呪力』による防御性能ダウンも後押しして、シールドスキュラのHPは一気に減少。一本目のHPバーが消滅した。


「グッジョブです、ケイトさん!」

「うん! 順調順調!」

「油断は禁物よ! 確実に着実に行きましょう!」

「「「おお――っ!」」」


 3人が拳を突き上げる。


 3人とも俺の想像以上に成長しているな。まったくもって頼もしい限りだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ