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努力するときは、目標設定が大事。――20

「次は『ヒーリングフィールド』です!」

『ミャア!』


 圧倒的優位に立ったミスティ先輩は、なおも容赦(ようしゃ)しなかった。


 辺りが(あわ)い緑色の光に包まれる。『10秒毎に、味方のHPを最大値の1/12回復させるフィールドを、1分間展開する』魔法スキル『ヒーリングフィールド』で味方をサポート。盤石(ばんじゃく)な態勢を作りあげる。


「完全にクレイド先輩のペースです!」

「ついにロッドが負けちゃうの!?」


 レイシーとケイトが驚愕(きょうがく)した。


 たしかに俺が不利だ。ミスティ先輩の作戦はバッチリはまっている。クロもユーも封じられ、俺はまさに絶体絶命。


 自分の状況を理解したうえで――俺は命じた。




「クロ! サクリファイスボム!」

「「「「「ええっ!?」」」」」




 俺以外の全員がギョッとした。


 それもそうだろう。俺はクロ本体に自爆を命じた。味方の従魔を失う決断を下したのだから。


『ピィィィィ……』


 眩い光を放ちながら、イヴェンジェルの準備をしているティアにクロが迫る。


「――っ! 『トリックシフト』です、チェシャ!」

『ミャア!』


 狼狽(うろた)えながらもミスティ先輩が応手(おうしゅ)を打った。


 チェシャとティアの姿が薄れ行き、パッ、とその位置が入れ替わる。『味方の従魔と入れ替わる』魔法スキル『トリックシフト』で、ティアを庇うつもりだろう。


 クロにアンガーブリングを、ユーにポイズンを食らわせ、ヒーリングフィールドまで展開した現状、チェシャの役目は終わったと言っていい。


 それならば、チェシャよりもティアのほうが頼りになるとミスティ先輩は判断したのだろう。


『ピィ――――――ッ!』

『ミャ……ッ!』


 クロの大爆発に巻き込まれ、チェシャが吹き飛ばされた。


 俺はたたみかける。


「パージ!」

『ムゥ!』


『HPが1になる代わりに、物理スキルを一切受け付けない「霊体状態」になる』物理スキル『パージ』によってユーの鎧が弾け飛び――


「リバーサルストライク!」

『ムゥ――――ッ!!』


 ロングソードを引き絞り、ユーが弾丸の(ごと)く飛び出した。


 (またた)く間にティターンに肉迫(にくはく)し、ユーがロングソードを突き立てる。


 キュドォオオオオオオンンンンッ!!


『OOOOOOOOOHHHH!!』


 炸裂。


 爆音。


 断末魔(だんまつま)


 ユーの必殺技を食らったティターンが仰け反り、魔石へと姿を変えた。


『ムゥ……!』


 ティターンを討ち取ったユーも、『毒』によるスリップダメージを受けて倒れる。


 その場に残ったのは4つの魔石と、相対(あいたい)するティアとマルだった。


 衝撃的な展開に、ミスティ先輩が唖然(あぜん)としている。


「――ミスティ先輩がアンガーブリングを使ってくるのは読めてました」


 俺はゆっくりと語り出した。


「ミスティ先輩は超一流の従魔士。きっと俺のアドバイスを覚えている。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()、と」


 クロを封じれば、ミスティ先輩は数的優位(すうてきゆうい)を得る。そのまま長期戦に持ち込まれたら、俺の負けは必至(ひっし)


「なら俺の手はひとつ。クロのサクリファイスボムとユーのバーサクリバストで奇襲(きしゅう)を仕掛け、強引に数的優位を潰すことです」


 結果、できあがったのはマルとティアの一騎打ち。


 そして、


「一騎打ちなら有利なのはマルです」


 俺の話を呆然と聞いていたミスティ先輩が、クスリと笑みをこぼした。


「まさか(くつがえ)されるとは思いませんでした。あの不利な状況から一騎打ちまで持ち込むなんて、まるで魔法ですね」


「ですが」と、ミスティ先輩が強気に()む。


「まだ勝負は決まっていませんよ?」

「望むところです」


 俺もまた、ニィッと好戦的に口端をつり上げた。





 ティアは健闘したが、マルの防御を最後まで崩せず、俺とミスティ先輩の勝負は俺の大逆転勝利で終わった。

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