表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
229/268

211.蘇りし進化の力! Evolution Force!!-1-

 Etranger(エトランゼ)


 それはインフレの中で進化したカードゲーム


 そこに命を宿す 伝説の力を持つ者達を


 人々は


 異邦人(Etranger)と呼んだ




 ※呼びません



 カードゲームという世界において、"やる気"は何も変えない。



 気合を入れた所で、レアカードをパックから引ける訳ではない。

 どれだけ魂を燃やそうが、デッキトップは変わらない。

 やる気でレアカードを引けて、やる気で勝敗が変わるなら、カードゲームのプレイヤー達はここまで必死に頭を回転させて確率を計算し、デッキ内のカード配分とにらめっこする事も無いだろう。

 故に、どれだけ昴が魂を燃やそうと、プレイングという重要な要素に関与しない限り、それはただの空回りであり、意味はない。


 だが、この世界は違う。


 やる気によって、新たな出会いによって、新たなカードが舞い戻る。

 昴のやる気は、保有カード量という重要な要素に関わる。


 この世界では――昴の"やる気"は、勝敗を分かち得る。

 再び昴の胸に、闘志の炎が宿った。

 心の炎が、燃え盛り、輝き……ただ1枚のカードという、力の結晶へと形を変えていく!



「――覚醒呪文(・・・・)! (Evolution)(Force)!!」



 その腕を勢い良く天へと掲げ、高らかに、咆えるかのように。

 蘇ったその力を行使する!


 それは、ただ幾何学模様のような円陣――魔法陣がイラストとして描かれているだけのカード。

 その魔法陣は、この世界において初めて使うカードであるにも関わらず、圧倒的な既視感を誇る。

 一体、その魔法陣を何処で見たのか。

 その答えは、昴の手元にある。



 昴の持つカード――その、裏面。



 カードの裏面に印刷された、統一されたデザインの一部。

 エトランゼというカードゲーム、そのフレーバーテキストで語られる物語。

 これ無くして、エトランゼは語れない。


 物語の根幹を成す、最重要カード!


 イラストと同様の魔法陣が、アルトリウスの足元に現れ――迸る紅の閃光は、大地を揺るがしながらアルトリウスを飲み込み、天を穿つ!

 エトランゼというカードゲームを象徴する、シンボルとでも言うべきカード、その一枚。

 それ程のカードが、そこらのありふれたカードと同じである訳が無い!

 このカードは――



「このカードは、自分フィールドのユニット1体を指定し、条件を満たした進化ユニット(・・・・・・)超越デッキ(・・・・・)から1枚選び、上に重ねて進化召喚を行う!」



 ――世界が、変わる。



 魔法陣から吹き上がるは、力の脈動!

 何物でもなく、何者にでもなれる、森羅万象の源流。

 溢れ出す絶大なエネルギーの余波は制御し切れずに稲妻や風へと形を変え、台風の如く無差別に唸りを上げた!

 それは敵対者にとっての滅びの旋律であり、扱う者にとって絶対勝利を齎す凱歌となり響き渡る!


「――それだけはッ、させん!!」


 ディードリッドの背に、冷たいものが走った。

 何か、ある!

 積み重ねた実戦に裏打ちされた、戦士としての勘が叫んでいる!

 アレは、絶対に許してはならない!!

 反射的に飛び出し、その赤き光へと目掛け、その拳を降り抜く!


 その勘は正鵠(せいこく)を射ていた。

 (Evolution)(Force)――それこそが正に、昴に眠っていた真の力、その象徴。

 過去の勇者達を鑑みて、勇者は追い詰められると窮鼠(きゅうそ)ではなく竜になると、ディードリッドは危惧していた。

 勇者の力を侮らず、何かしらの札を隠していると、土壇場で足掻きという表現が生温い、猛攻を仕掛けてくると、予測していたからこそ。

 その動きには一切の淀みなく、最速で放たれた!


 術式に介入し、その術を妨害。

 ありとあらゆる超常の力を打ち消す能力、それこそが"烙印"のディードリッドという男が持つ力。

 "最強"に至る為に渇望し、堕ちた先で得た、人の道を外れた異能。

 昴の使用するあらゆる呪文カードもまた、その力によって効力を喪失させられていた。


「――無粋な妨害」


 だが、しかし。


「踏み潰す!!」


 万象の物語、その分岐点と成り得る、運命と理を改竄(かいざん)する究極の力は、そんなケチな事象など路傍の石の如く蹴散らしていく!


(Evolution)(Force)は! 無効にならない!!」




 名称:(Evolution)(Force)

 分類:覚醒呪文

 プレイコスト:○

 文明:無

 カテゴリ:(Evolution)(Force)/魔法陣

 マナシンボル:虹

 このカード効果は相手のカード効果で無効にならない

 1:【速攻】【コスト】ライフを半分支払う

 【効果】自分フィールドのユニット1体を選択する。そのユニットの召喚コストより1つ大きい召喚コスト・同じ種族を持つ進化ユニットを超越デッキから1体選択し、そのユニットの上に重ね進化召喚を行う。



 LP:625→313



 敵の妨害を、跳ね除ける!

 その力は、予測を超える!

 予想を超えた、運命を捻じ曲げる、可能性の波濤(はとう)

 来ると分かっていても尚、止められない!

 それはカードゲームにおいてたびたび発生する、不条理、理不尽!



 カードゲーマーはそれを、ぶっ壊れ(パワー)カードと呼ぶ!



 普段から使っているデッキケースではない(・・・・)

 第二のデッキケース(・・・・・・・・・)が腕に現れる。

 まるでそれが当然のように、昴はそのデッキケースからカードを引き抜く!



 昴の胸中で、思いの丈が反響する。


 ――お前達は、そこに居た。

 見えないだけで、ずっと、俺と共に在り続けていたんだ。

 無論、選ぶのは決まっている!

 感じる――そこに居るんだな。



 "アルトリウス"!!



 もう一つのデッキから現れた、太陽を紙片に落とし込んだかのような、白く眩い輝きを放つ、そのカードを引き抜く。

 カードの筈なのに、そこからまるで血潮の如き熱さが伝わる。

 その熱さは昴の身体へと伝わり、その白い輝きが、昴の瞳から、闇を焼き払っていく。


 ――昴の眼に、炎が宿る。


 最早ここに、異世界(エイルファート)に流れ着いた頃の昴の姿は無い。

 地へと打ち付けられていた杭は引き抜かれ、背負う翼は天へと伸びた。

 望んだ(いま)へ、飛翔する(とぶ)時が来たのだ。

 まどろみの時間は終わりを告げ――



「明暗流転! 英雄は闇夜の帳を破り、蒼穹駆ける白き天翼と至る!」



 Evolution(進化の)Force()は、解き放たれた。

 その進化は、世界を塗り潰す。




 呪いに侵され、地の底に堕ち、闇に蝕まれしかつての英雄。

 肉体は滅び去れど、心は死せず。

 闇の中でも尚、その心は輝き続けた。

 その心の輝きを、力へと変える。


 (Evolution)(Force)

 それは、カードの持つ真の力を解き放ち、蘇らせる導きの力。



 夢を、


 願いを、


 希望を、


 理想を、


 可能性を、


 在りし日の姿を。



 今、この時こそが、己が生涯の全盛期!

 己の描く、"最強の自分(進化の極致)"を我が物とするカード!

 不幸と悲劇で塗り潰された今を、幸福と希望の未来へと書き換える。

 ある種のご都合主義(デウスエクスマキナ)と呼ばれるような、絶対的な"進化の力"!


 吹き抜ける突風。

 光差さぬ筈の暗雲と呪いの雨が支配する、死の大地。

 無数の白き光芒が暗雲を引き裂き、朝日を背に受けた白き一柱がこの世界に降臨した。

 まるで太陽の如き輝きを宿した、白き羽根が周囲へと舞い散る。

 光のヴェール纏いし、彼女が姿を現す。


進化(エヴォリューション)召喚(サモン)!!」


 闇に堕ち、その身にへばり付いた全ての汚濁を打ち破り。

 黒を基調としたゴシック調の衣服も、その艶やかな黒髪も。

 その全てが白に染まり上がり、その背からは天使の如き白翼が伸びる。

 宗教画のような、荘厳さを宿した、見る者全てを圧倒する美麗な姿。

 その姿は、まるで――



聖天戦女神(ヴァルキリー) アルトリウス!!」

 


 ――神話に謳われる、戦女神(ヴァルキリー)のようであった。





名称:聖天戦女神(ヴァルキリー) アルトリウス

分類:進化ユニット

プレイコスト:白○○○○○

文明:白

性別:女

種族:人間/天使

カテゴリ:円卓の騎士/神性

マナシンボル:虹

パワー:1

?????

?????

?????

?????

?????

?????

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ