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デスマーチからはじまる異世界狂想曲( web版 )  作者: 愛七ひろ
第十一章

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SS:リザのご奉仕?

 お風呂は素晴らしい物です。

 ご主人様が与えてくださったモノは沢山ありますが、これほど贅沢で至福の温もりを与えてくれるものは他にはないと思うのです。


 もちろん、肉は別枠です。


「あれ? リザさんまだ入ってたの? そろそろお湯も冷めてきたんじゃない?」

「まだ体温よりは高いので大丈夫です。今日のお風呂掃除はミーアだったはずですが、アリサが代わってあげたのですか?」

「たはは、ちょっとご主人様に罰当番をね……」


 ……また、ですか。

 たぶん、アリサが性懲りも無くご主人様に「セクハラ」を働いたのでしょう。


 アリサのように子孫を増やすために行動するのは当然だと思うのですが、ご主人様はあまり次代を残す事に熱心ではないようです。

 アリサやルルに5年待てとおっしゃるくらいですから。


 罰当番の邪魔をしても悪いので上がるとしましょう。

 アリサが「追い出したみたいで悪いわね」と大人びた口調で謝ってきますが、些細な事です。


 奴隷の身に贅沢な話ですが、お風呂には明日も入れるのですから。



「28時間風呂ですか?」

「うん、中層の転移拠点が狭いからさ、新しい別荘を作るついでに、いつでも温かいお湯が出る仕掛けをお風呂に付けようと思ってさ。みんなに意見を聞いて回ってるんだよ。リザはどう思う?」

「もちろん、賛成します」


 なんと素晴らしいのでしょう!

 一日中、いつでも温かいお湯に浸かれるなんて!



 翌日、私達は中層の別荘を建設する予定の水棲の魔物が多数生息する区画へとやってきました。 迷宮怪魚や砲撃貝、それに蛇腹爪を持つエビガニや跳躍ヒラメが襲ってきますが、食欲に支配された私達の敵ではありません。

 麻痺毒の霧を撒き散らす迷宮珊瑚には少し苦戦しましたが、ご主人様の「さぽーと」とアリサやミーアの魔法の補助のお陰で勝利を収める事ができました。

 額の宝石から雷球を撒き散らす八頭アナゴの生息する砂浜を蹂躙し、宝石ナマコや金剛貝の固い守りを突破して、私達は別荘予定地に到着する事ができたのです。


「ここに建設するの?」

「ああ、この区画の下にマグマ溜まりみたいな熱源があるんだよ」


 私は神妙な顔でアリサとご主人様の会話に耳を傾けます。

 マグマ溜まりが何かわかりませんが、きっとお湯を沸かす魔法道具の一種に違いありません。


 私の役目はご主人様の指示通りに、別荘を建設する事です。


 ……ご主人様が土魔法で配管を通す穴をあっという間に開けてしまいました。

 排水用の溝まで土魔法で瞬く間に作ってしまわれます。


 ご命令を待って傍に控えていたのですが出番がありません。

 私は何をすれば良いのでしょう?


 ご主人様にお尋ねしたら、「ここまで道を開いてくれただろう? 疲れているんだから休憩も仕事の内だよ」と優しく諭されました。

 ですが、ここまで皆の安全を確保してきたご主人様が一番疲れていると思うのです。


 私にできる事はご主人様の邪魔にならないように、お昼御飯の準備をするルルの手伝いをする事くらいでしょう。

 己の無能を悔やむより、できる事を精一杯こなすと致しましょう。



 食事の準備を終えてご主人様を呼びに行った私が見たのは、いつの間にか建造の終わっていた別荘の姿です。

 上層の4区画にあった別荘よりも遥かに立派な建物です。


「あ、リザ! こっちにおいで。大浴場ができたから見てご覧」


 手招きするご主人様に付き従い、大浴場までやってきました。

 そこにあったのは全員で入っても余裕がある大きな湯船でした。


「まだ入っちゃダメだよ? しばらくはお湯を垂れ流しにして、ゴミとか砂を洗い流さないとね」


 湯船に手を差し入れると程よい湯加減です。

 このまま服を脱ぎ捨てて飛び込みたい衝動に駆られますが、一番風呂はご主人様のものです。

 奴隷ごときが一番風呂など、分を超えた行いでしょう。


 ご主人様がお風呂に入られる時には背中をお流しして、今日の疲れを癒していただかないと。

 私が背中を流すとアリサなどは悲鳴を上げて喜ぶくらいですから、きっとご主人様も満足してくださるに違いありません。


 その為にも、まずは腹ごしらえです。

 ルルと一緒に作った魚介料理が待つ砂浜へと私達は向かいました。



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― 新着の感想 ―
[一言] ※この世界の1日は28時間です。
[気になる点] 28時間風呂ってなってますが、これって誤字ですか?
[一言] リザがサトゥーの背中に魔力をうっかり流すと…サトゥーの躰から魔刃が出る?
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