SS:ポチのお医者さん
「大変なのです! このままでは大変なのです」
「タイヘン~?」
女医さんファッションのポチの横には、ミニスカナース姿のアリサとタマがいる。ミーアはアイアリーゼとお出かけ中だ。
お医者さんごっことは、アリサらしい遊びだ。最初はアリサが女医さんだったのだが、聴診器を当てるマネをしながらセクハラしてきたので、ポチと交代になった。
「へ~、そりゃ困った」
「そうなのです困ったのです」
腕を組んだポチが大げさに困ったポーズをする。
犬のおまわりさんみたいな会話の流れだ。アリサが「わんわんわわ~ん」とか茶化しているが、アリサの奇行に慣れているのかポチもタマも完全スルーだ。アリサ、哀れ。
こっちから少し水を向けてあげよう。
「何が大変なんだい?」
「フジのヤマイなのです! アリサニウムとタマリンが不足してしまうのです」
いったい、アリサニウムやタマリンって何だろう? ムスコニウムみたいなモノかな?
そうか、ポチニウムは不足していないのか。そうか。
ならば!
「じゃあ、早速補充しようか」
オレはそう言って、横にいたアリサとタマを両手に横抱きにして、頬をスリスリする。アリサが顔面崩壊しているので、顔を摺り寄せるのはタマだけにしよう。
ポチが期待に満ちた顔で両手を広げているが、そのままにする。
あれ? っていう疑問の顔だ。
「ご主人さま、ポチもスリスリしてほしいのです」
「でも、不足しているのは、アリサニウムとタマリンだけだから」
ポチに「残念」と首を横に振る。ワタワタと短い手を動かして、助けを求めて視線を彷徨わせている。ナナは顔を横に振るばかりだし、リザは沈黙している。ルルも控えめに笑っているだけだ。
このまま放置しても可哀相だから、そろそろ助け舟を出そう。
「ひょっとしたらポチニウムも不足しているかな?」
「そうなのです! すっごく不足しているのです!」
ポチがイスの上からダイブしてきたので、受け止めてやる。ポチのヒザが当たったアリサが、後頭部を押さえて悶絶している。あ~あ。今回はアリサに落ち度はないので、魔力治癒で治しておいてやった。
ルルニウムやリザニウム、ナナニウムなんかも不足している事にして、スキンシップを補充しておいた。ナナニウムの補充量に偏りがあったらしく、連合勢力から物言いが入ってしまった。
ちょっと、チェックが厳しいと思う。
※2013/09/06 の活動報告に掲載したSSの再収録です。







