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デスマーチからはじまる異世界狂想曲( web版 )  作者: 愛七ひろ
第八章

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SS:ポチの怖いモノ

※サトゥー視点ではありません。

 ポチ視点のSSです。


※1/2 誤字修正しました。


「ポチ、いい話を教えてあげようか?」

「その顔は悪い顔なのです。アリサがポチを騙そうとしているのです」

「や~ね、そんな事無いわよ?」


 アリサがスゴイお話をしてくれたのです。

 これで魚生活とはお別れできるのです。


「ご主人さま! 大変なのです」

「どうした?」

「えーっと、えーっと、そう、ポチはお肉が怖いのです」

「へー、そりゃ大変だ」

「ヤキニクを見せられたら?」

「怖くて倒れそうなのです」


 アリサに言われた通り、顔を手で覆って、精一杯怖いアピールをしたのです。


「じゃあ、ステーキなんか見せられたら」

「悲鳴を上げて気絶しちゃうのです」


 今度は頭を抱えてしゃがむのです。


「そっか~、ポチも大変だね」

「そうなのです、大変なのです」


 ご主人さまが、アリサが言ってたみたいに笑ったのです。

 これで今晩はお肉なのです!


 だって、肉の焼けるいい匂いがしてきたのです~♪

 晩御飯が楽しみでワクワクなのです!



「おいし~」

「美味です、ご主人さま」


 あれ? あれ? 待ってなのです。

 おかしいですよ?


 周りをキョロキョロみると皆の席にはステーキがあるのにポチの皿には。


「どうして、焼いたお魚なのです?」

「ポチは肉が怖いって言ってたから魚にしておいたよ。早く言ってくれたら良かったのに」


 ご主人さまがニッコリと笑ってくれます。ちょっと幸せな気分なのですが、違うのです。お皿を持ってオロオロしているとアリサが悪い笑顔で声をかけてきたのです。


「どうしたのポチ? お魚も美味しいわよ?」


 あ、アリサにやっぱり騙されたのです。


「はい、ポチ、お茶も怖いかもしれないから水だよ」


 ご主人さまがクスクスと笑いながら水の入ったコップをくれたのです。アリサが教えてくれたオチまで先に言われてしまったのです。


 夢もチボーもないのです。


 ガックリしながら魚さんを見つめていると、ルルがステーキのお皿と交換してくれました。


「もう、ご主人様もアリサもポチちゃんが可愛いからって遊びすぎです」

「ごめん、ルル、ついね」


 肉、肉なのです!

 ビックリして周りを見回すと、みんな頷いてくれたのです。


「ご主人さま、食べていいのです?」

「いいよ、沢山食べなさい」


 今度からは普通にご主人様に「肉が食べたいのです」と伝えるのです。

 それから、ルル、ありがとなのです。


※2013/07/14 の活動報告に掲載したSSの再収録です。


>ポチに「まんじゅうこわい」の昔話を教えてあげたい。

 という感想から生まれたSSです。


 この辺りから、ポチが弄られキャラに。

 なお、ポチの魚の皿はスタッフが美味しく頂きました。

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― 新着の感想 ―
[良い点] ポチ可愛すぎる
[一言] スタッフって誰や?
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