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最終話:三国鼎立と其の統一

その後曹操は袁紹の甥の高幹や息子の袁尚・袁煕を滅ぼし、幽州を平定しました。

其の頃劉表は病に倒れ、死の直前に劉琦の後見を劉備に託し、其の劉琦が病死すると劉備は名実ともに荊州の支配者となったのです。

荊州の武将や文官の主なものは劉備に従いました。

事実上、荊州の武力を統括していたのは劉備でしたからね。

その間に関羽に娘が生まれ、私にも子供が生まれました。

私は彼女のお産に立ち会ったり、彼女の養育を手伝ったりしていました。


「ほーら銀屏高い高い」


「きゃははは」


「子供がいるのはいい風景ですね」


「ああ、なんていうか……いいよな」


「はい」

 

 こうして北東方面の曹操、南東方面の孫権、西方の劉備と三国鼎立はなりました。

しかし、本来よりも圧倒的に広い支配地域を確立した劉備は孫権と再び同盟し、先ずは北方の曹操を滅ぼしました。

この戦いには約5年の歳月がかかりました。

曹操の一族は皆殺しとなり、張遼や徐晃など主な曹操の配下の将軍は降伏して劉備の下へとついたのです。


「このようになるとは誰も考えていなかったでしょうね」


「まあ、そうかもな。

 袁紹が曹操に負けると思ったやつがいなかっただろうとおなじだ」


 本来よりも早い徐庶や孔明との出会いで劉備は度々勝利を収めて、其の領土を広げと荊州や益州における劉備の早い決断により荊州の混乱は起こることなく、益州の攻略に時間ををかけずに住んだのが現状の劉備の隆盛につながったのですね。


そしてその後、劉備と孫権の全面戦争となるのです。

これには曹操との戦いよりも更に長い年月がかかり、其の中で関羽は命を落としました。


 私と張飛の間に生まれた娘は劉備の息子である劉禅に嫁いで国母となりました。

そして呂姫と張飛の間に生まれた張苞や張紹は張飛に付き従い戦場で父に劣らぬ活躍をしました。

さすが呂布の娘と張飛の子供ですね。


 10年の歳月を経て孫権は降伏し、ここに三国の統一はなりました。

献帝は廃され、劉備が新たな皇帝となったのです。


「これでやっと平和になったのですね」


「ああ、兄貴もきっと喜んでるだろうさ」


「そうですね、きっと」


 劉備は諸葛亮や徐庶、法正や龐統などの意見を聞いて国を治め、そして劉備が病死すると劉禅が後をついで私が生きている間は平和に国を治めていました。

やがて張飛も病でこの世を去り、私は再婚することなく質素に暮らしていました。


「まさか、私が皇帝の妃の母になるなんて思いもしませんでしたね

 運命とはわからないものです」


 こうして三国の時代は終わったのです。

これにてこのお話は終わりです。

劉備が荊州と益州をもっと早く手に入れていれば多分こうなったのではないかなと私は思いますが。

歴史にIFはないですからね。

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