期末試験@さんねんせい①
「ヒカル先輩、ご機嫌ですね?」
「わ、わかる?
今回の期末試験はチョット自信があるんだよね〜
六花ちゃんはどう?」
「人に自慢するほどの成績ではありませんが
おj・・ヒカル先輩の専属メイドとして恥ずかしくない程度の順位は確保したいです」
「ふーん、なるほどね〜
ちなみに、中間テストはどうだったの?」
「・・・6位でした
申し訳ありません、見習いとは言え、鷹峰家のメイドでありながら、不甲斐ない成績でした・・・・」
「そ、そんな事ないって
トップ10入りなら十分だよ
それに、・・ほら、6位なら六花ちゃんの名前と合ってるから、ゲンが良いでしょ?」
「そ、そうですか?
美優さんは、いくら努力してもどうしても勝てない人が居て、悔しいって言って・・・?」
「どうしたの?」
「あ、いえ、この場合は私から見て目上の美優さんの言葉だから仰るにした方が良いのか、お嬢様から見て従者の美優さんの言葉だから申すが良いのか・・と思ってしまいました」
「なんだ〜そんな事は気にしない
だって、ここは百合寮だよ?
学校の敷地内なんだから尊敬語も謙譲語も要らないよ
丁寧語で十分だからね」
「ハイッ、わかりましたヒカル先輩」
「それじゃあ、六花ちゃんも残り1日、試験頑張ってね」
「ハイ、それでは失礼致します
お休みなさいませ」
「お休み〜」
ふぅ、危なかった〜
仰ると申すなんて、ボクにわかる訳ないよ
六花ちゃんはまだ敬語は完璧じゃないんだね
まさかボクに聞くなんて・・・
後で美優に聞いておかないとね
ちょうど、明日は国語のテストもあるから、試験勉強のフリをして聞けばいいよね?
「・・・・」
「美里、元気出しなよ」
「そうですよ、まだ補習が確定した訳じゃないんですから」
「・・・ダメだ〜、全然わからなかったよ
特に敬語の問題なんてサッパリだもん
一応、選択肢から適当に選んで埋めるだけ埋めておいたけどね」
「そうなんだ・・・でも、バレー部だと上下関係とかあるんだよね?」
「ウチのバレー部はその辺はゆるゆるなんだ
挨拶だけキチンとすればタメ口OKなんだもん
まぁ、そうしておかないと、コートの中で咄嗟に指示を出せないから、らしいよ」
「へー、体育会系のイメージとかなり違うんだね」
「まぁね、ところでヒカルは出来たの?」
「う、うん、まぁ一応ね」
「ふっふっふ、ヒカルはその問題は完璧よ
だって、今朝私に質問した内容と似た問題だったからね」
「ヤマが当たったんだ、羨ましい〜
私はこの【合格鉛筆】に賭けるしかないわ」
「何それ?五角形の鉛筆なの?
珍しいわね
でも、語呂合わせや神頼みじゃあねぇ」
「ふふふ、美優にしては甘いわね
この鉛筆にはね、1から5の数字を彫ってあるのよ
選択肢の問題って大抵5択でしょ?
これを転がして回答を決めるのよ!」
「・・・美里、一つ聞いていいかな?」
「なあに?ヒカルの質問なら体重とスリーサイズ以外なら全て答えるわよ」
「鷹峰女学園の入試って、ひょっとして・・・コレ?」
「そうよ、合格の実績があるんだからバカに出来ないわよ」
その日美里は奇跡を起こした・・




