専属メイド(見習いLV2)
「お嬢様、お帰りなさいませ」
メイド服に身を包み、腰を90度まで曲げた礼で出迎えをしてくれました・・・寮なのに
「六花ちゃん、ここは寮なんだから無理してボクのお世話をしなくてもいいんだよ」
「お、お嬢様・・・
申し訳ありません
こんな半人前のメイドではご不満でしょうか?」
「いや、そういう意味じゃなくて・・・
六花ちゃん自身のお勉強もしなくちゃいけないでしょ?」
「お嬢様の身の回りのお世話以上に重要な事なんてありません、じゃなかった、ございません
それに私のお勉強にぬかりはありm・・・ございません」
「そ、そうなの・・・
六花ちゃんって優秀なんだね」
「私なんてまだまだです
母にも半人前だって怒られてばっかりで・・・」
「そんな事ないよ
中学校一年生でここまでできたら十分だよ
六花ちゃんが淹れてくれる紅茶はユキさんと遜色ないもん」
「そ、そうですか
有り難うございます
紅茶を淹れるのは得意なんです
初めて合格をもらったのも紅茶なんです
実は、お嬢様の修学旅行の間に特訓しました
髪のお手入れにようやく合格点を貰えましたので、今日からはお風呂上りの髪のお手入れもさせていただきますね」
「六花ちゃん・・・すごく気合いが入ってるみたいだから、お願いするね」
「はい!
・・・ところでお嬢様」
「ん?なあに?」
「私の事は呼び捨てにしていただかないと困ります」
あ~このパターンかぁ
吉村さんも呼び捨てにしないと返事してくれないしなぁ・・・そうだ!
「六花ちゃん」
「・・・」
「六花ちゃん」
「・・」
「六花ちゃん・・・主人が呼んでるのに返事も返さないの?」
「!!申し訳ございません、お嬢様
あ、しまった・・」
「ふふふ、吉村さんのレベルにはまだまだだね」
「う~~、お嬢様、ずるいです」
「ここはボクの勝ちだよ
って事で六花ちゃんって呼ぶからね」
「こ、こ、こ、困ります
私が母に叱られます
美優さんですら呼び捨てなのに・・・」
「う~ん、美優はそういう意味での呼び捨てじゃないんだけどなぁ
それに六花ちゃんもボクの事【お嬢様】って呼ぶでしょ?」
「だって、お嬢様はお嬢様だし・・・
ヒカル様って呼ぶのは馴れ馴れしいですし・・・」
「じゃあ、学校とお屋敷で呼び方を変えるのはどう?」
「変える?ですか?」
「そう、ボクも学校では【六花ちゃん】、お屋敷では【六花】って呼ぶから
六花ちゃんもお屋敷では【お嬢様】でいいから、学校ではもっとフランクに・・・
ほら、一応学校には外での関係を持ち込まないっていうのがタテマエになってるでしょ?」
「それでは【ヒカル様】でよろしいでしょうか?」
「う~ん・・・ダメ、もっと他に無いかなぁ・・・」
「外の関係は主人とメイド・・・学校では同じ寮と部活の先輩・後輩・・・!
それでは【ヒカル先輩】なんてどうでしょう?」
「うんうん、いいね~じゃあソレ採用!!」
「それでは、おj、コホン、ヒカル先輩、お風呂に参りましょう
髪の毛はもちろんお背中も流しますね」
おかしい・・・
なぜ六花ちゃんとボクの発育が同じくらいなんだろう




