修学旅行3日目⑩
「なかなか良かったわね、スパイ・ダーマン
これでほとんどのアトラクションは回ったのかしら?」
「えーと・・・ちょっと待ってね美紀
地図アプリによると、ジェットコースターと、幼児向けのエリアがまだね
ジェットコースターはノーマルと、後ろ向きがあるから両方乗りましょうね」
「ボク、いきなり後ろ向きは怖いから、ノーマルからにしようよ」
「ダメよヒカル
乗るなら後ろ向きから、一択よ」
「どういうこと?美優」
「このジェットコースターはノーマルも後ろ向きも同じコースを走るのよ
後ろ向きのウリは、コースが見えないから動きの予想が出来なくて、身構える事が出来ないから、よりスリルを味わえる事なのよ
先にノーマルに乗っちゃうと、コースがわかっちゃうから、後で後ろ向きに乗った時に動きの予想が付いちゃうのよ
そうすると、人間の身体は勝手に準備を整えてしまうのよね
だから、後ろ向きに乗った時のスリルが半減しちゃうわけ」
「ナルホド
じゃあ後ろ向きからにするね」
「それじゃあ、ヒカルの隣りの席をか賭けて勝負よ!!」
「ちょっと美里、そんな事しなくても・・何回も乗ればいいでしょ?」
「!!
その発想は無かった、さすがは美咲」
・・・いや、ボクもジェットコースターは好きだからいいけどね〜
「ふぅ、これだけ乗ればもう思い残す事はないぜぃ」
「美咲せんせ~、美里がフラグ立ててます~」
「そう・・美里とはお別れなのね・・・うるうる」
「ちょっと~縁起でも無い事言わないでよね~」
「・・・あながち見当はずれでもないような・・・」
「どういう事?美咲」
「だって、高等部に進学したらクラスが一緒にならないでしょ?
・・・私もなんだけどね」
「え??」
「・・・あっ、そうか!
美咲は特待生の特別進学クラスになるんだ
でも、美咲はわかるんだけど、どうして私もなの?」
「夏休み明けの9月に内部受験があるでしょ?
美里はそこであまりにも残念な成績のせいでハイサヨウナラ」
「・・・ありそうですね」
「ヒドイ、美紀まで・・・
でも、否定できないのがツライ」
「まぁまぁ、内部受験は外部受験に比べたらレベルが格段に低いから
いくら美里でも大丈夫でしょ・・・
大丈夫だと思うよ
大丈夫だといいなぁ
大丈夫であって欲しい」
「ちょっと、美優!不安になるじゃないの」
「フフッ、ゴメンゴメン
いざとなればスポーツ推薦に回ればいいんじゃない?
・・・あっ!そうか・・・」
「そうよ美優そういう事」
「ねえ、二人だけで理解してないでボクにもわかるように説明してよ」
「え~とね、中等部は8クラスでしょ?
高等部は一般のクラスが10クラスと学力特待生1クラス、スポーツ特待生1クラスがあるのよ
つまり、美里はお勉強も頑張らないとスポーツ特待生クラスになるからヒカルと同じクラスになれないのよね」
「・・・今、この話はやめようよ
せっかくの修学旅行にお勉強の話はしたくないよ」
「そうだね、でも、ボクも赤点取った事があるし・・・他人事じゃないんだよね」
「「「「「それは無い!!」」」」」




