修学旅行3日目⑤
「クッ、私とした事がこんな簡単な事を忘れていたなんて・・・不覚」
「美咲、ハリィ・ボッタクリでもダメだったか・・・」
「美咲さんは、どういたしましたの?」
「あ、清香ちゃんは初めてだったっけ?
美咲はホラー系全般がダメなのよね」
「ホラーって、別にそれほどのものではありませんでしたが・・・」
「美咲は雰囲気だけでも受け付けないみたいですね」
「それで・・・どうする?またアヤさんに借りる?
直接言うのが恥ずかしいならボクが頼んでみるけど・・・」
「あっ、ダメよヒカル
確かアヤさんは昨日の夜に履いちゃたから・・・今日は持ってないわ」
「え!!誰と?」
「もしかしてあのマッチョの人?」
「えーアヤさんってああいう人がタイプなんだ〜」
「私はもっとイケメンタイプが好みですわ
ああいったゴリマッチョ系の方ですと、壁ドンされてもキュンとくるよりも、迫力に負けて震え上がってしまいますわ」
「あー、わかるわかる、壁ドンはイケメン限定だよね〜」
「でも意外です、てっきりアヤさんも同志だと思っていたんですが・・・」
「アヤさんは両方イケたんだね」
「ちょっと待って、履いたのは知ってるけど、その後進展があったかどうかは関知していないから」
・・・ヤバイ、会話について行けないよ
ボクにはまだガールズトークに参加できるほどの経験も知識も無いんだね
壁ドンって何?
男の子だった時には聴いたことも無いよ
同志ってどういう意味?
・・・ハッ!そんな事より今は美咲のショーツを何とかしないと
「みなさん、話が逸れておりますわ
ここは私の予備をお貸しいたします」
「清香ちゃん、予備って・・・女の子の日?」
「いえ、そういう訳ではありませんわ
備えあれば憂い無しと申しますでしょう?
でも、私も備えを始めたのは昨年の秋からですけれど、役に立って光栄ですわ」
去年の秋?・・・あっ!これは話題を変えないと・・・
「それじゃあ美咲が履き替える間に次に回る所を考えようよ」
「さんせー
このまま反時計まわりに行くと、オゥーターワールドのショーやシャークがあるわよ
ショーの時間次第で先に行く方を決めましょうよ
その後に私の好きなジュラシックピンクでいい?」
「いいけど、美優の好きな映画を聞きそびれたでしょ?
美優の好きな映画も候補に入れてあげようよ」
「え、私?
うーん強いて言うならロボ刑事かなぁ
宇宙からやって来た刑事が悪と闘うのよ
普段はフリーターのフリをして、いざとなれば変身するのよね
残念ながらここのアトラクションには無いのよ」
あれ?
「美優、それって・・・香辛料と混じってない?」
「あ、イヤー、そのー
ロボ刑事がギャ○ンのパクリだった事をネタにした高度なボケだったんだけど・・・」
「高度過ぎるでしょ、それに今どきの子供は知らないって」
「そうでも無いわよ、少し前に戦隊モノの後悔ジャーの劇場版に出たから、ちびっ子は意外に知ってたりするのよね」
戦隊モノって、美優はそんなモノにまで・・・




